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勇者たちが帰ってきた!?現代日本に異世界の戦士が現れて大混乱!  作者: SodaKun


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46/50

交差する線

魔法少年が一線を越えすぎていると思いませんか?!またもやスローペースな章!!作者はメインストーリーをとてもゆっくりと進めています!

「私の彼氏と距離を置け……?」


私は信じられないという表情で冬夜さんを見つめた。


「何を言っているんですか、冬夜さん。それはさすがに一線を越えています」

「言いたいことを言っただけさ。それに、君は危うく彼に魔術の存在を明かすところだった」


アロのことに触れた瞬間、彼の声には冷たさが混じっていた。


「どうしてそんなに私の彼氏に厳しいんですか? 彼の何が気に入らないんです?」


私は問いかけた。

冬夜さんは肩をすくめる。


「別に興味はないさ。だが考えてみろ。もし君が彼に魔術が実在すること、この戦いが異世界ガイアまで巻き込んだ戦争で、アニメみたいな空想じゃないことを話したらどうなる?」

「アロは私を支えてくれます。彼は私の心の支えです。全部話せたら、きっと気持ちはもっと楽になります」


冬夜さんは静かに首を振った。


「君の彼氏は、恋愛ホルモンに振り回されている普通の高校生にすぎない。君を守ろうとして、正義の味方にでもなったつもりで危険へ飛び込むだろう」


彼は私を真っ直ぐ見据えた。


「教えてくれ。もし彼がカインのようなミュトスを目の前にしたら、どうなる?」


その声には一切の感情がなかった。


「恐怖で腰を抜かす。そして――」


一拍置いて、淡々と言う。


「たった一撃で終わりだ。肉片と血を地面に撒き散らして死ぬ」


その言葉と同時に、私の頭の中へ映像が浮かぶ。

アロが殺される姿。虫でも払うように。ハエでも潰すように。ミュトスたちは彼の存在すら気に留めず、その命を奪う。

その時、私は何ができる?助けられる?……できない。感情に流されて、一番大事なことを忘れていた。だから私は今までアロに、自分が魔術師の世界へ関わっていることを話さなかった。普通の日常を守りたかったから。アロだけは、この危険な魔術世界から遠ざけたかったから。

……冬夜さんの言う通りだった。アロは優しすぎる。私を守るためなら、迷わず命を懸ける人だ。

私は恥ずかしさで俯いた。

冬夜さんの言葉は正しかった。


「……そうですね」

「え?」

「あなたの言う通りです。私が考え違いをしていました」


私は小さく頭を下げる。


「アロに話せば、私のせいで命を落とすかもしれない。あるいは他のプレイヤーに狙われるかもしれない。だから止めたかったんですよね」

「いや」


冬夜さんは即座に否定した。


「それは違う」

「……」


私は顔を上げる。

彼の瞳を見つめた。

胸がざわつく。

これから彼が口にする言葉は、一生忘れられないものになる。

そんな予感がした。


「小山くん」


冬夜さんは冷静な口調で告げる。


「君に彼氏と別れろと言ったのは、そんな理由じゃない」

「え……?」

「単純に、あんな弱い男は認められない」


その一言が胸に突き刺さる。


「見ていて不快だ。存在する価値も感じない」


またアロを侮辱した。

私は間違っていた。

冬夜さんは変わったんじゃない。最初からこういう人だったのだ。優しい言葉も。師匠のような振る舞いも。全部、表向きの顔だった。これこそが本当の姿。醜い世界――いや。魔術世界の醜い一面。


「魔術師たるもの、欲深くあれ。金はいくらでも求めろ。そして感情に流されるな」


冬夜さんは淡々と続ける。


「魔術の秘密を守れと言ったのも、彼と縁を切れと言ったのも同じ理由だ」


彼は私を見下ろした。


「君の彼氏は、どうしようもない役立たずだからだ」


……やっぱり同じだ。冷酷で。傲慢で。私は違うと思っていた。でも違わなかった。

彼と、彼のミュトスであるラインハルト。二人はよく似ている。他人を冗談みたいに扱い、力のない者を見下し、その優越感に浸る。あの傲慢な黄金の英雄霊と、何も変わらない。

私たちは再び歩き始めた。

会話はない。

私は怒っている。

冬夜さんは、自分の言いたいことを言い切って満足している。

「仲間」だなんて。笑わせない。きっと利用価値がなくなれば、平気で私を切り捨てる。そんな人だ。

その時――冬夜さんが立ち止まった。

私も足を止める。


「そろそろだな……」


彼は小さく呟いた。

何が?

彼が見つめているのは、二軒の家の間にある空き地だった。そこには何もない。家を建てられそうな更地が広がっているだけ。


「中へ」


冬夜さんが言う。

そのまま空き地へ歩いていくと――姿が消えた。

私は目を擦る。

……いない。

冬夜さんが消えた。

私は小さくため息をつく。


「もう驚く必要なんてないよね……」


独り言のように呟く。


「これが魔術なんだから。常識外れのことが起きるのも、受け入れないと」


私はゆっくりと一歩踏み出し、その空き地へ向かった。

その瞬間――思わず目を見開く。

何もないと思っていた場所に、今は堂々と巨大な屋敷が建っていた。


「サンティーノとカインの一件のあと、ここへ来るよう言った理由がこれだ」


冬夜さんは少し誇らしげに笑う。


「この屋敷は代々の先祖たちが高位の魔術で守ってきた。認識阻害、侵入者探知、そして何重もの防御結界。ほかの魔術師への備えも万全だ」


……先祖の功績を自慢しているようで、少し変な感じがする。


「いつまで外にいるんだい? レディーファーストだ。先に扉を開けてくれ」


冬夜さんは微笑んだ。

その笑顔を見た瞬間、なぜか胸がざわつく。

……本当に変な魔術師だ。

今ではもう、私は彼を好きになれない。

私たちは名ばかりの仲間だ。

私は扉を開け、中へ入る。

そこには以前と変わらない、西洋中世風の豪華な屋敷が広がっていた。

……いや。

屋敷と呼ぶのすら失礼かもしれない。

まるで王侯貴族の館だった。


「お帰りなさいませ、お嬢様」


低く落ち着いた声が響く。

ランスロットだ。

相変わらず、浮浪者のように見える不思議な服装をしている。

私は挨拶を返さなかった。

その様子だけで、彼は何かを察したようだった。


「お嬢様」


ランスロットが静かに尋ねる。


「今日は、ずいぶんとお顔から笑みが消えておられますな」


私は冬夜さんへ視線を向ける。

それから、答えを待つランスロットを見る。

この章をお読みいただき、ありがとうございました!SodaKun Out ☆!

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