大人のジョークは良い
コメディで帰ってきました!魔法や緊張感が多すぎると、物語が暗くなりすぎてしまいます。だからこそ、人生にはコメディが大切なのです。笑いはどんな病気にも効く最高の薬です。
「えっ? どういうこと? 学校が私を死亡者として扱ってるって?」
アロの言葉を聞いた瞬間、私は目を見開いた。
膝が震える。
アロはそっと私の肩に手を置いた。
「落ち着いて、まなか。そんなに思いつめないで」
私は彼の瞳を見る。
その優しさこそ、私が彼を好きになった理由だった。アロは私にとって安らぎそのもの。私の平凡な日常そのものだ。ただ彼の顔を見るだけで、胸の奥にあった痛みや不安が少しずつ消えていく。
「聞いて、まなか。昨日学校で行われた追悼式は、あのテロ事件で亡くなった生徒たちだけのものじゃない。その日に現場にいて命を落とした人たち全員のためのものだったんだ」
「でも……どうして……どうして私が死んだことになってるの?」
「まなか、落ち着いて。君の家は壊されて、それからずっと行方不明だったんだ。誰も君の消息を知らなかった。だから学校は君も亡くなったと思ったんだよ。大丈夫。すぐに誤解は解けるさ」
そう言って、彼は私を抱きしめた。
私はこの温もりを一生忘れない。
アロは優しく私の頭を撫でる。
「そんなに心配しなくていい。もう大丈夫だから。生きていてくれて本当に良かった。愛してるよ、まなか」
涙が溢れてくる。
本当に優しい人だ。
「私も愛してる、アロ」
しばらく抱き合った後、私たちはそっと身体を離した。
二人とも顔がトマトみたいに真っ赤になっている。
気まずくて、お互いの顔を見られない。
「その……何か食べに行かない? 少しは気分も良くなると思うけど」
アロが微笑みながら聞いてくる。
私は頷いた。
「うん。でも支払いはアロだからね?」
彼は小さく笑った。
「もちろん。レディに最高のものを提供するのが紳士の務めだからね」
そんな冗談を言いながら、私たちは手を繋いで歩き始めた。
私は深く息を吸い、ゆっくり吐き出す。
今日の空気はとても気持ちいい。大好きな人が隣にいるから。嫌いで逃げ出したかった世界から、ようやく少しだけ解放された気がした。普通の人生を送りたい。成長して、卒業して、アロと結婚して、家族を作る。叶わない夢かもしれない。それでも私は、老後までアロと一緒にいて、最後まで隣で人生を終えたい。彼は私の世界そのものだから。
「ラブラブカップルのお二人さん、どこ行くんだー?」
突然声が飛んできた。
私は眉をひそめる。
せっかく良い雰囲気だったのに。
「おーい! アロとその可愛い彼女さーん!」
私は声の主を睨んだ。
同年代くらいの青年。日本人とは少し違う顔立ちをしている。たぶん外国人だ。
私はこいつが嫌いだ。
私が不機嫌そうに睨んでいるのとは対照的に、アロは満面の笑みを浮かべた。むしろ会えて嬉しそうですらある。
彼は手を振った。
「よう、ルーク!」
ルーク・ジェーン。名字を見れば分かる通り、日本人ではない。英語教師のサラ・ジェーン先生の息子で、アロの親友だ。
私はこの人が苦手だ。アロから離れていてほしい。絶対に悪影響しか与えない。ルークは考える前に行動するタイプの危険人物だ。でもアロにとっては大切な友達らしい。
私にとってはバイクに無理やり付けられた三つ目の車輪みたいな存在だった。
「よう、元気そうじゃん。最近調子どうよ? いいジュース飲んでそうな顔してるな」
彼は意味深にウインクした。
「なっ!?」
アロの顔が真っ赤になる。
本当に下品だ。男同士の友情ってどうしてこうなんだろう。意味深な冗談ばかり言う。
「冗談だって。まなか、ちゃんと彼氏を見張っとけよ? 油断するとプールに飛び込んで溺れるぞ」
ニヤニヤ笑いながら言う。
本当に頭が痛くなる。
そしてルークは私の顔をじっと見た。
私のこめかみがぴくりと動く。
「何見てるのよ、ルーク?」
「いや、本当に幽霊じゃないか確認してるだけ」
「は?」
「日本の怪談だとさ、死んだ女の人が恋人を迎えに墓から戻ってきて、そのままあの世へ連れて行くって話あるじゃん?」
「私は生きてるわよ! その残念な脳みそで勝手な想像しないで!」
私は思わず怒鳴った。
この男だけは本当に血圧を上げる才能がある。
「ところでさ、ソーダ飲む?」
彼はビニール袋を持ち上げた。
どうやら買い物帰りらしい。
「他には何買ったの?」
「ソーダだけ」
「なんで?」
「え? あの超カッコいい日本の『Soda Pop』って曲を聴いてさ。だったら俺もソーダ買うしかないだろ?」
私は眉をひそめた。
アロは額を押さえている。
本当にどこまで馬鹿なんだろう。
「何だよその反応」
「友よ……『Soda Pop』は日本の曲じゃなくて韓国の曲だよ。それにアニメも韓国系だ」
「マジかよ!? ブライミー! 俺のせいじゃないって! 韓国人も日本人も中国人もみんな同じように聞こえるし、面白い作品作るじゃん!」
私は首を振った。
「全然違うから」
「いや似てるって」
「似てない! 言葉だって違うし! そもそもあなた日本語勉強してるでしょう!? しかも今の日本語ちょっと変だったし!」
ルークは肩をすくめた。
本気で殴りたくなる。
「それでルーク、最近どうなんだ?」
アロが話題を変える。だから私は今までルークを追い払わずに済んでいる。
「絶好調だぜ。ていうかさ、お前の彼女マジで最高じゃん」
アロは笑った。
「ありがとう」
「彼女持ちとか羨ましいわ。ちくしょう。少なくともお前にはズボンを温めてくれる相手がいるんだからな」
まただ。
また大人向けの冗談。どうして外国人ってこういう下ネタが好きなんだろう。彼の行儀の悪さを母親のサラ・ジェーンに訴えて、彼に罰を与えてもらいたい。
この章をお読みいただき、ありがとうございました!SodaKun Out ☆!




