第007話 ポイントの期限を確認せよ
午後六時。
礼拝堂のスクリーンには静聴会の紋章が映っている。
教祖・天城修は演台の前に立ち、マイクへ手を伸ばした。
静寂。
『『拝聴せよ。』』
全員が自然と姿勢を正す。
天城だけが、その先の声へ耳を澄ませた。
そして神は告げた。
『ポイントの期限は、今月末である。』
天城は少しだけ眉をひそめた。
数秒。補足が続く。
『忘れている者もいるであろう。』
さらに。
『確認せよ。』
そこで神託は終わった。
天城はマイクを握り直す。
「神託が下った。」
礼拝堂が静まる。
「ポイントの期限は、今月末である。」
信徒たちは黙って聞いている。
「忘れている者もいるであろう。確認せよ、との仰せです。」
熊谷が静かにうなずいた。
「なるほど……。」
スマートフォンを取り出す。
「確認してみましょう。」
周囲の信徒たちもそれぞれスマートフォンを取り出した。
しばらくして。
「……あります。」
「俺も。」
「私もです。」
「何ポイント?」
「三千二百ポイント。」
「結構あるな。」
黒田守も画面を確認する。
「……二千八百ポイントあります。」
天城が少し驚く。
「意外と貯まっているな。」
黒田は真剣な顔で画面を見つめた。
「期限は……。」
一同が黒田を見る。
「今日です。」
「今日?」
礼拝堂がざわついた。
熊谷が立ち上がる。
「神託がなければ、失っていた……!」
天城がうなずく。
「それはそうだな。」
信徒たちは一斉にポイントを使い始めた。
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「これ、何に使える?」
「お菓子にできます。」
「じゃあ、それで。」
「私は洗剤にします。」
「日用品が多いな。」
「ポイントは生活を支えてくれます。」
熊谷が満足そうにうなずく。
「神は、我々の生活を見守っておられる。」
天城は少し考えた。
「……まあ、そういうことだな。」
熊谷がさらに続ける。
「期限を忘れぬよう、常日頃から備えることが――」
「今日はポイントの話だと思う。」
「……はい。」
礼拝堂に小さな笑いが広がった。
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【教団報告】記録係:渡辺
神託
「ポイントの期限は、今月末である。」
実施率
本部:100%
確認事項
期限切れ間近のポイント:多数
備考
「思ったより貯まっていた。」
追伸
「使えるものから使う。」




