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どうも、笹村です。
今回はちゃんと日曜に投稿出来て良かった!
次回からもこの調子で書き上げていきたいです!
では、第5話、どうぞ!
「———学生になってもらうためさ」
ハルノブはキメ顔でそう言った。
「…なぜに?」
キメ顔のハルノブとは対照に、どこか困惑気味の表情を浮かべる凛哉。
それも当然だろう。 至急呼び出され、その呼び出された内容が“学生になれ”である。
そんな凛哉の顔を見て、ハルノブは説明を始める。
「いやなに、ちょっとした着火剤の様なものになってもらおうと思ってね」
「着火剤?」
「ああ。 凛哉ももう知っているかもしれないが、このたび、俺はゼーンズフト学園の理事長に就くことになってね。 何でも、王になる前に、大きな組織を仕切る、ということに慣れさせようという、ゾルレン様の計らいだそうだ。 丁度、前理事長も年だし、後継ぎもいなかったようだからね」
「はぁ、なるほど」
とりあえず相槌を打つ凛哉と、理事長云々のことは既に聞いてるのか、特に反応も見せず紅茶を啜るアリア。
「そこでだ。 折角学園を受け持つのだから、騎士志望などの、マルゾディア王国に貢献しようと思っている学生を若いうちからしっかりと育て上げ、より良い王国を目指そうと思ったんだよ」
「ふむふむ」
「そのためにはまず、学生達にやる気を出してもらわなくては困る」
「ほうほう」
「で、凛哉に学生になってもらおうと思った訳さ」
「ちょっと待って」
さも当然だと言わんばかりに話を終えたハルノブに、凛哉は待ったをかけた。
アリアは今の話で納得出来たようで、なるほどと頷いている。
「どうしたんだい、凛哉? 何か質問かい?」
「はい。 というか、アリアは今の説明でよく理解出来たね」
「まぁ、なんとなくな」
「へぇ、すごいね。 じゃあ質問いいですか、ハルノブさん?」
「ああ、いいよ」
ハルノブの了承を受けて、凛哉は疑問をぶつける。
「なぜ俺が学生になることで、ほかの学生の士気が上がるんですか?」
「君が強いからさ」
「…俺が強いから、ですか?」
さらに疑問が深まり、凛哉の声もさらに困惑気味になる。
「義兄様、もう少し詳しく話した方が良いのではないか? 凛哉が理解出来ておらん」
アリアに指摘を受け、ハルノブは細かく説明を始めた。
「そうだね、最初からちゃんと言えば良かったかな。 凛哉、今の学生達に足りないことは何だと思う?」
「足りないこと…。 経験、とかですか?」
「当たらずも遠からずってところかな。 正解は“脅威となるもの”だよ」
「脅威? そんなもの、無い方がいいんじゃないですか?」
「ああ、普通はそうだね。 脅威なんてものは無いに超したことは無い。 しかし、人を本気にさせるのは、大抵が“脅威となるもの”に自身、もしくは身内の安全などが脅かされた時なんだ。 まぁ、それだけが人を本気にさせることだと断言は出来ないんだけどね。 でも、“脅威となるもの”が人を本気にさせることは確かだ」
「俺に学生の安全を脅かす存在になれってことですか?」
「いや、そこまでじゃない。 さっきも言っただろう? 凛哉には、着火剤になってもらいたいんだ。 考えてみて? クラスに、後輩に、先輩に、同じ学生で、ポッと出の奴が騎士団長と同等の力を持っていたとしたら、普通はどうなる? 俺なら妬むね。 そして、その圧倒的な才能を羨むだろうさ」
「あ、なるほど。 ゼーンズフト学園の学生の八割が騎士志望ですし、中でも騎士団長を目指している学生には効果覿面でしょうね。 でも、俺に対抗心を燃やして張り合おうとしてくる奴は、それこそ騎士団長を目指してる奴くらいでしょう。 そしたら、伸びるのはごく少数ですよ?」
「そこも考えてるよ。 今回、教師陣に現役の騎士団員も配置しているんだが、何分、去年まで戦争をしていた軍人達だ。 俺も出来るだけ譲歩したが、やはり見た目が怖い連中ばかりでね。 いい奴らなんだが、学生達にとっては話しかけづらいと思うんだ。 それに、あいつらも騎士を辞める訳じゃないから、自身の鍛錬もしなければならない。そこで、学生達の個人的な練習に付き合ったり、相談に乗る役もやってもらいたいんだよ。 頼めるかい?」
「………。」
凛哉はしばしの間、考えるそぶりを見せたが、やがて、首を縦に振った。
「いいですよ。 元々、学校には通ってみたいという気持ちもありましたし」
「そうか。 それは良かった。 実は断られるんじゃないかと思ってたんだよね」
安心した、と言うような感じのハルノブに、ニヤニヤとした表情をしたアリアが言った。
「そんな長々と理由を述べておるが、どうせ、本音は凛哉のことを思っての事なのだろう、義兄様? これでも、私は貴方の義妹になるのだぞ? 貴方の性格や、やりそうな事は大体理解しているつもりだ」
「あ、そうなんですか?」
自分のことを思ってくれたことが嬉しかったのか、凛哉は笑顔でハルノブの方を見る。
「うっ、いや、まぁ、うん、あはは…」
ハルノブは照れ臭そうに頬を掻いた。
「ま、まぁ、そういうのはいいんだよ。 さっきの理由も嘘じゃないしね。 それと、明日、凛哉には軽い入学試験を受けてもらうよ?」
「試験、ですか? 俺、自慢じゃないですけど勉強は全く出来ませんよ?」
試験と聞いて、凛哉は苦い顔をする。
「いや、試験と言っても筆記じゃなくて、実技だよ。 一応、一定レベル以上の戦闘力がないと高等部には入れないからね。 あ、聞き忘れてたけど、何年生がいい?」
「え? 自分で学年を決められるんですか?」
てっきり高等部の一年生として入学するのだと思っていた凛哉はハルノブに聞き返した。
「ああ。 凛哉は今年で十七歳だったよね。 その年齢を考えると高二が妥当だと思うんだけど…」
「そうなんですか? まぁ、俺的にはしっかり一年から始めたいですね。 じゃないと、勉強とかさっぱりなんで。 折角学生になれるんですし、勉強の方も頑張りたいです!」
凛哉はグッと拳を握り、目を輝かせる。
そこで、アリアも目を輝かせたた。
「そうかそうか! 凛哉も一年か! それはいい。 うん、実にいいじゃないか!」
「あれ、アリアも一年生なの? でも確か、アリアって十四歳だったよね?」
「ああ、私は飛び級しているのだよ。 勉強なんてつまらないから、早く卒業したくてな。 まぁ、もうつまらなくはなくなりそうだが」
「そうなんだ。 じゃあ、試験に受かったらよろしくね」
「うむ! 待っておるぞ!」
凛哉とアリアの話が一段落着いたところで、部屋の扉がノックされる。
ハルノブが、開いてるよというと、扉が開かれ、一人のメイドが入室してきた。
「失礼します。 凛哉様、寝室の用意が出来ました」
そのメイドは一礼すると、凛哉に言った。
「あれ? 俺、寝室の準備とか頼んでましたっけ、リーダー?」
「いえ、凛哉様からではなく、メイド長からです」
「ああ、それなら俺から頼んでおいたんだよ。 明日は試験もあるし、それに受かったら制服の採寸とかもしてもらう予定だからね。 今日は泊まって行ってもらった方がこちらも都合がいいんだよ」
「そうなんですか。 ありがとうございます、ハルノブさん。 ありがたく泊まらせてもらいます」
ハルノブに頭を下げる凛哉。
「それじゃ、俺はもう寝ます。 おやすみなさい、ハルノブさん、アリア」
礼を言い終わると、凛哉は二人に挨拶をして部屋を出ようとする。
「おやすみ、凛哉」
「おやすみ。 …ん? ちょっと待て凛哉、リーダーとはなんだ?」
「…おやすみっ!」
アリアの質問に、凛哉は答えることなく、リーダーの手を掴んで部屋から走り去った。
部屋からはアリアの制止の声が聞こえてきたが、このメイドをリーダーと呼ぶ理由を説明するには、先ほどの『お背中流し隊』のことを話さなくてはならない。
そんなことを話せばアリアから何をされるか分かったことではないので、凛哉はとりあえず逃亡することにした。
しばらく走った後、アリアが追いかけて来る気配もないので、凛哉は立ち止った。
「ふぅ、なんとか言及されずに済んだ…」
凛哉が安心していると、一緒に走っていたリーダーが肩で息をしていた。
「はぁはぁはぁ…。 きゅ、急に、そんな、スピードで、走り出さないで、ください。 私は、凛哉様の、様な身体能力は、して、いないんですから」
「ん? ああ、すいません。 ちょっと早すぎましたかね?」
ものすごい疲れているリーダーに謝罪し、握っていた手をはなす。
「じゃあ、息を整えたら寝室に案内してもらえるかな?」
「あ、はい。 少々、お待ち、ください」
五分後、息を整えたリーダーは乱れていた髪も整え、案内を開始した。
そして歩くこと五、六分。 凛哉達は寝室へと到着していた。
「こちらが凛哉様の寝室になります。 では、おやすみなさいませ」
「うん、ありがとう。 おやすみ」
リーダーは深く頭を下げてから、この場を去って行った。
ちなみに、リーダーから敬語は止めてくれと言われたので、凛哉は敬語を止めていた。
リーダーを見送った後、凛哉は寝室に入る。
中には、キングダブルベットほどの大きさのベットと化粧台、タンスと机に椅子が二つ置いてあった。
「こんな豪華なとこに泊まるなんて久しぶりだなぁ。 あ、このベットすごくふかふか」
凛哉は部屋を見渡しながらベットに近づいて、ベットに座る。
「は~。 明日は試験あるし、さっさと寝るか」
そう言って凛哉は電気を消し、ベットに入り込み目を瞑った。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
今回はちょっとセリフが多くなったしまって、しかも話がほとんど進まないという…。
感想等、お待ちしてます!




