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ヘルト・ア・シクザール  作者: 笹村 凉夜
4/9

 毎週日曜に更新しようと思ったその週ですでに間に合わないとは…

 情けない…


 ま、まぁ今週は三連休で月曜も休みなので、今日を日曜と考える! じゃ、ダメですよねぇ…

 来週からはきっちり期日を守るぞ!


 と、再決断したところで第3話始まりです。

 食事とお喋りが終わり、凛哉達が店を出ようと思った頃にはもう外は薄暗くなってきていた。


 「それじゃあ、もう遅いですし帰りますね。 お代はいくらですか?」


 凛哉は立ち上がり懐から財布を取り出し、食事代を払おうとする。

 しかし、マカロフがそれを拒否した。


 「帰還祝いだ、金はいらんよ。 そうさな、王都にいる間はこの店を贔屓にしてくれたらそれでいい。 次からはきっちり頂くがの」


 そう言ってマカロフは笑った。


 「では、お言葉に甘えさせてもらいますね。 また明日の昼にでも食いに来るとします」


 凛哉は礼を言い、財布をしまう。


 「凛哉、私今日ここに泊まっていくね! いいでしょ?」


 ロイズはカレンに引っ付きながら、凛哉に言った。


 「俺は構わないけど…」


 答えながら、カレンとマカロフに視線を送る。


 「私はいいわよ~。 ロイズちゃんともっとお話したいし」

 「儂も構わんぞ。 今日はもう店も閉めるしのう。 折角じゃし、凛哉も泊まっていったらどうじゃ? カレンも喜ぼうて」

 「おじいちゃん!?」


 カレンは顔を赤くして、マカロフを睨む。


 「折角ですけど、それは遠慮しておきます」


 凛哉は苦笑しながらマカロフの申し出を断る。

 不思議に思ったマカロフは凛哉に聞き返した。


 「どうした? カレンじゃ不服か?」

 「もう、おじいちゃん!! 本当に怒るよ!? …でも、凛哉君はなんで断ったの? まさか本当に私と一晩同じ家が嫌だった…?」


 カレンは恐る恐るといった感じで凛哉に聞いた。


 「違いますよ。 むしろ、カレンさんみたいな美少女と一つ屋根の下とかすごい嬉しいことですし、こっちからお願いしたいくらいですよ」


 凛哉の言葉を聞いてさっきより顔を赤らめるカレンとは対照的に、ロイズはジト目で凛哉を睨んでいた。

 しかし、凛哉はそれにはなんの反応も見せず、マカロフの申し出を断った理由を述べる。


 「実は、今夜は王城に出向こうと思っていたんです。 ゾルレン王にまだ挨拶を済ませていないので。 それに、きっと晴信さんは俺が王都に戻って来ているのに気付いていると思いますし、今日の内に俺を呼び戻した用件を聞いておきたいですしね」

 「なるほどのう。 確かに凛哉の立場上、王への挨拶を欠かす訳にはいかん。 そういう訳ならば納得じゃ」


 マカロフはそう言ってそれ以上凛哉を引き留めようとはしなかった。


 「ほ、本当に私が嫌でって訳じゃないんだよね…?」


 カレンが確認するように、再び凛哉に聞く。


 「当然ですよ。 カレンさんほどの美少女が嫌と思う男はホモか本物のバカだけですって」

 「そ、そう? なら良かった~」


 再度、美少女と言われ照れるカレン。 ロイズは未だジト目で凛哉を睨んでいた。


 「それじゃ、俺はそろそろ行きますね。 ご馳走様でした。 ロイズ、カレンさん達に迷惑かけるんじゃないぞ?」

 「分かってるって。 凛哉こそ、明日ちゃんと迎えに来てよね!」

 「おう。 カレンさん、ロイズの世話、頼みますね」

 

 そう言って、凛哉は店を出て王城へと向かった。






    *    *    *    *






 王城へは、十数分歩いたところでたどり着いた。

 王城は王都の中心に建っており、その規模はまどれーぬのざっと百倍近くはあるだろう。

 今、凛哉は王城の正門まで来ていたが、ここでとある問題が起こった。

 それは、


 「招待状も持っておらぬ者を城へ入れる訳にはいかん。 早々に立ち去れ、この不審者め」


 といった風に、門番から門前払いされるということだ。

 どうやら、この門番は最近王に仕え始めたようで、凛哉のことを話では聞いているが、顔までは知らないらしい。


 「いや、城に入れてくれって言っただけで不審者扱いとか、失礼すぎるだろ」

 「日も暮れたというのに、城を訪れる者を不審者と言わずになんと言う」

 「お客だよ!」

 「ふん、そんなみすぼらしい衣服を着た者が客な訳ないだろう」 

 「なんなの、アンタ? 喧嘩売ってんの?」


 確かに、今の凛哉の恰好は黒のジャージ上下の上にローブを羽織っただけで、お世辞にも高貴な恰好とは言えないが、みすぼらしいは言い過ぎだろう。


 「ええい、しつこい奴だな! さっさと帰れ!」

 「お断りだ! 俺はゾルレン王と晴信さんに用事があるんだよ! そっちこそさっさと通せや!」

 「なんと不敬な言葉遣いだ! いいだろう、そこまで言うのならば入城を許可してやる。 ただし、貴様が向かうのは王室ではなく、地下牢だがなあ!」


 そう言ってその門番は手に持っていた槍を凛哉に向けた。 

 凛哉は普段は大人しい性格である。 いつもなら、この程度なら怒りを抑えることもできただろう。 しかし、この時はなぜか歯止めが利かなかった。 この門番に言われると、無性に腹が立った。


 「ほう、俺に槍を向けたな? ってことは、俺がやり返しても、文句はないよなあ?」

 「ふん、貴様如きがこの私に勝てるとでも? 実力差も分からぬとは愚かだな、不審者よ」

 「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」


 そう言って凛哉は門番を睨む。


 「はぁ!」


 その瞬間、門番は声を上げ、真っ直ぐに凛哉へと突進した。

 一般的に見れば、それは十分に速いスピードと言える。 門番の自信もそこから来ているのだが、あいにく凛哉は一般人ではない。 マルゾディアを救った英雄の一人だ。

 今の状態(・・・・)の凛哉から見た門番の突進は、小走りでこちらに向かっているように見えている。


 「遅ぇよ」


 凛哉のその言葉は門番の背後から発せられた。


 「なっ! 貴様、いつの間にっ!」


 門番が驚くのも当たり前だろう。 目の前にいたはずの凛哉が一瞬にして自分の背後に回り込んだのだ。

 凛哉は驚く門番を見て、嘆息する。


 「アンタ、本当に騎士団員なのか? 晴信さんや蓮寺さんに指導されてる割には弱すぎるだろ。 もしかして落ちこぼれか?」


 よっぽどの事がない限り凛哉が口にしない侮辱の言葉を、容赦なく浴びせる。

 それを聞いた門番は怒り狂って凛哉に再び突進する。


 「ふざけるなっ! 俺はエリートだ! バカにするなっ!」

 「一人称変わってんじゃねぇかよ。 怒りに任せての攻撃は隙を生むって晴信さん達に習わなかったのか?」 


 そう言って、凛哉は門番の懐に入り、顎に掌底を食らわせる。


 「がっ…」


 脳が揺さぶられたのか、門番はその場に倒れ込み気絶した。


 「こんなんが門番で大丈夫なのか? 戦争終わってまだ一年しか経ってないのに平和ボケしすぎだろ。 こりゃ、晴信さんが学生を鍛えようって思うのも無理ないなぁ」


 気絶している門番を見て、凛哉はそんな意見を持った。

 

 「しっかし、ちょっとやり過ぎたな。 寸止めしといたほうが良かったか。 これじゃ、こいつが起きるまで城に入れねぇ。 ミスったなぁ」


 このまま倒れた門番を放置して入城しようものなら、それこそ不審者確定である。

 これからどうするか、凛哉が考えていると、突然、城門が開かれた。

 そして、門から一人の少女が現れる。


 「おお! 何やら外が騒がしいと思って来てみれば凛哉じゃないか! どうした、そんなところで難しい顔をしおって。 さっさと城へ入らんか! 丁度夕飯の時間じゃ。 久しぶりに共に食事をしよう! 父上や姉さま達もおるぞ!」


 そう言って、凛哉より幼く見える、華美なドレスを着た金髪ロングの少女———マルゾディア王国第三王女・アリア・ルノワールは嬉しそうに凛哉に駆け寄った。

 つい数時間前にも似たような光景を見たな~、などと考えながら、凛哉は返事を返した。


 「お久しぶりです、アリア様。 お元気そうで何よりです」


 恭しく頭を下げる凛哉に、アリアは不満そうに言う。


 「なんだ、その言葉遣いは? 昔のように砕けた話し方で良いぞ」

 「そう? なら普通に話すけど、怒られない? 特にメイドの人達に。 俺、昔怒られたんだよね」


 凛哉は、アリアに言われて言葉遣いを改めたが、まだ不安が残っており、アリアに聞く。


 「大丈夫だ、私が許しているのだからな」


 しかし、そんな凛哉の不安はアリアの言葉により解消された。


 「そうか。 ならこの言葉遣いにするよ。 そういえば、今から夕飯って言ってたけど、俺の分は無いんだろう? どこか空き部屋でみんなが食い終わるのを待ってるよ」

 「むぅ。 確かにシェフ達もお前が来るとは考えもつかないだろうしなぁ…」


 そう言って考え込むアリアに凛哉は「大丈夫だ」と伝えた。


 「昼飯を食った時間が遅くてな。 今は腹は減ってないんだ」

 「そうなのか? ならいいが…。 まぁとにかく上がれ。 今部屋を用意させる」

 「ありがとう、アリア。 あぁ、そうだ。 ついでにこいつも運んどくように言っといてくれないか? あと、代わりの門番を呼んどいてくれると助かる」


 近くに倒れている門番を指さし、凛哉はそんなことを言った。


 「ん? なぜ門番が倒れておるのだ?」

 「なんか不審者扱いされたんで、むしゃくしゃして掌底を食らわせた。 反省はしている」

 「ほう… こやつも一応優秀な部類に入るのだが、英雄相手では手も足も出ないか」


 もっともなアリアの疑問に、凛哉は飄々とした態度で答える。


 「分かった、こやつの休憩部屋と代わりの門番も手配しておこう」

 「重ね重ねありがとうな、アリア。 助かるよ」


 そう言って、凛哉はアリスの頭を優しく撫でる。


 「ふぁっ!? い、いきなりにゃにをするっ!」


 頭を撫でられたアリアは顔を真っ赤にしながら、かっくかくに固まっている。

 あぁ、癒されるなぁ、などと考えながらなおも頭を撫でる凛哉。 ニコニコとしていてとても幸せそうな顔でアリアの頭を撫で続けている。


 「お、おい凛哉っ! い、いつまで撫でているっ!」

 「あぁ、ごめんね。 可愛いなぁと思ってさ。 嫌だった?」

 「い、い嫌ではないが… か、かかかか、可愛い、とな」


 アリアは顔を更に赤くした。 ポンッと音を上げて顔から湯気が出そうな勢いである。


 「? それじゃ、そろそろ行こうか。 アリアの夕飯が冷めちゃうかもしれないしな」


 そう言って、凛哉は撫でるのを止め、城へと入って行く。


 「あっ…」


 アリアは一瞬だけ名残惜しそうな声を発したが、すぐに気を取り直して凛哉と共に城へ入って行った。




 余談だが、凛哉に倒された門番はアリアに忘れられており、目を覚ましたのは日を跨いだ後だったそうだ。 翌日それを聞かされた凛哉は本気でマルゾディア王国騎士団の現状を心配し、学生だけでなく、騎士団も再教育した方が良いのではと晴信と蓮寺に進言したそうだ。


 急いで書いたので、元々拙かった文がさらに拙く…

 一応戦闘シーンっぽいところもいれてはみたんですが、なんだかグダグダになっている気が…


 感想等、お待ちしています…

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