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ミスコン!!  作者: ともやみやもと
1章 白鳥雪はアナウンサーになりたい
8/15

第七話 コーデバトル3 木ノ葉と安藤



「制限時間は一時間やで、せいぜい頑張りやー」


 洋平が腕時計を見ながらそう言うと、後ろに控えている山川さんは賑やかし程度に手を叩いた。いよいよミスコンに出場して初めての企画が始まった。


 秋野木ノ葉は、不思議な胸の高まりを覚えていた。ミスコンが始まってからかれこれ二週間が経過していたわけだが、この二週間というもはせいぜい週に二回程度当たり障りのない投稿をしているだけでこれといった手応えもなかった。その分、企画というわかりやすいものが始まったことにより、ようやくミスコンが始まったのだと、ちょっとした感動を覚えたのである。


 企画が始まると、他の二組のペアはそれぞれ方向性をすり合わせるために話し始めた。洋平は山川さんと真剣な面持ちで話し込み始めた。コーデバトル。ファッションにはあまり自信がないというか、一四五センチという小柄な体格もあり、服装が限られているため、木ノ葉としては考えることに難儀した。


 どんな服装にしようか、そんなことを考えながら木ノ葉が安藤の方を見てみると、あろうことか安藤はすでにエスカレーターの方へ向けて歩き始めていた。


 驚いた木ノ葉は少しの間呆気にとられるが、そうこうしているうちに安藤はどんどん歩みを進めていくので、「ちょっと」と後ろから声を掛け、急いで駆け寄り安藤の袖を掴んだ。突然腕を掴まれた安藤は驚いた表情で振り返った。


「どこいくの?」


「ああ、え? 何が?」


「いや、私たちペアじゃん」


「それは知ってるよ」


 と安藤は鼻で笑った。安藤の不遜な態度に木ノ葉は困惑を隠せなかった。


「いや、じゃあなんで先に行くのさ」


「え、服を探そうと思って」


 まるで自分を煙たがっているかのような言い方に、木ノ葉は少し憤りを感じる。まだ始まって間もないというのに、自分の一体何がそんなに気に食わないのだろうか。一体何をしたというのだろうか。考えを巡らせてみるが、思い当たる節はない。


 ただ、ここで突っかかっていても仕方がないので、


「どんな服にしようか」


 と、あくまでも話を前に進めようとした。


「俺は春っぽい感じにしようかなって思ってる」


 そう決めているのであれば、どうして言ってくれないのだろうかと木ノ葉は思う。それに相談もなしに勝手に決められてはたまったものではないが、春っぽいものを買うというアイデア自体に文句があるわけでもない。


「じゃあ、お互いに春っぽい感じにしようか」


「え、でも木ノ葉は色物よりもシックな方が似合うんじゃない?」


 と安藤は言う。


「ん、え、春物で行くんじゃないの?」


「俺はね」


 木ノ葉はまたもやカチンとくる。ずいぶんと突き放すような言い方である。


「俺はねって、ペアなんだから合わせないといけないでしょ」


 少しだけ、まくしたてるような言い方だった。


「そんなこと言ってたっけ?」


「いや、言ってはないけど、そういうことでしょ」


「そっか」


 と安藤は少し考え込みながら、じっと木ノ葉の全身を見た。気味の悪さを感じた木ノ葉は、訝し気に安藤を見るが、安藤はちょうど木ノ葉の足元を見ていて、気付いていないようである。


「じゃあ、モノトーンにしようか」


「モノトーン? 春は?」


「春はやめよう」


「は?」


 安藤が何を言っているのか、何がしたいのか、木ノ葉にはよく分からない。二転三転する彼の意見に、ただただ苛立ちが募ってゆく。


「モノトーンにしよう」


 安藤はそう告げると、またエレベーターの方へ歩いて行った。


 一人取り残された木ノ葉は、呆然としていたが、ハッとして再び安藤に駆け寄った。


「ちょっと!」


 と、木ノ葉はまた安藤の腕を掴み引き留めると、安藤はまた驚いて振り返る。


「びっくりした、何?」


「なんで先行くのよ」


「あ、一緒に行く感じ?」


「そりゃそうでしょ」


「そんなこと言ってたっけ?」


「そんなことは言ってないけど、考えなくても分かる」


「そうか。ごめん」


 木ノ葉としても、どうしても一緒に行きたいということでもなかったが、他の組を見ていても、誰もがペアで行動しているということもあり、ついそう口走った。


「じゃあ、行こう」


 木ノ葉は大きく溜息をついた。元々よく分からないやつだとは思っていたが、ここまでだとは思ってもみなかった。どうしてこれの面倒を見るのが私なのだろうかと、洋平の組み分けに対してちょっとした不満を覚えるのである。


「とりあえず、どのブランドみる?」


 気を取り直して、服を探し始めることにした。柱に取り付けてある、ブランドの一覧が記載されているマップを前に二人は立ち止まった。


「ここ行こうよ」


 安藤が指さしたのは、レディースの製品のみを取り扱う、少し気品のあるブランドだった。価格帯にしても、学生が購入することは可能ではあるが、木ノ葉は少し高い印象を持っている。


「いいけど、メンズの服ないんじゃない?」


「まあ、それは別にいいよ」


 先に木ノ葉の分を決めてから、安藤のものを見て回るという算段なのだろうか。木ノ葉としてはどうも効率が悪いような気がしてしまうが、いちいち突っかかっていても仕方がない。


「そう。それならいいけれど」


 木ノ葉はそう言った。二人はエスカレーターに乗り、四階まで一気に上がった。


 木ノ葉すでに友人と何度かこのショッピングモールに足を運んだことがあった。知り合いに遭遇しないか冷や冷やしていた。ミスコンに出場していることはもちろん明言しているわけだが、実際にここで会うとなると少しばかり照れくさいような気がしてしまう。


 キョロキョロとあたりに目を配らせながら、ようやく該当の店の前に辿り着いた。レディースのショップではあるが、安藤は堂々と入店してゆき、木ノ葉は後を追う様に店に入った。


 店頭に並んでいるのはどれもワンピースやブラウス、タイトスカートと言ったいわゆるきれいめ系統の洋服ばかりで、古着やストリート系統のファッションを好む木ノ葉にとっては、どれもあまり馴染みのないものである。


「お、これ良いじゃん」


 と、さっそく安藤が手に取ったのは、腰のあたりにくびれがしっかりと着いた黒のトラッドなジャケットである。安藤は表と裏をさらっと見て、生地の感触を確かめると木ノ葉に手渡した。


「これ? 私が着るの?」


「うん。たぶん似合うよ」


「似合うかなあ。しかも今トレーナー着てるから、この上から着るのはちょっとゴワゴワしそう」


「じゃあ、インナーこれにしてみなよ」


 安藤は近くにあった服を手に取った。さらさらとした素材で、胸元に小さなリンゴの刺繡があしらえられたタンクトップである。ジャケットを脱げば肩のあたりがしっかり露出してしまうもので、あまり好んで着るものではない。


「私が着るの?」


 鏡を見ながら軽く体に当ててみるが、普段着ないタイプの服であるので想像がつかなった。


「似合うと思うけどね」


「そうかなあ」


 まあ、試してみるのもいいか、と木ノ葉は店員さんに声を掛け、試着室に入った。


 馴染みにあるトレーナーを脱ぎ、キャミソールの上からタンクトップを着用した。シルクだろうか、素材が上品なのでこれ一枚でも十分こなれた感じがした。軽く髪の毛を後ろでまとめてみると、さらにいい。


 安藤は変な奴だが、ファッションデザイナーを目指すだけのことはあるなと思い、ジャケットを羽織ってみて声を失った。そこに立っているのは、まさしく木ノ葉が憧れていた。落ち着きのある、上品な大人の女性そのものであった。


 木ノ葉は今まで何度もこういった服に挑戦してきたものの、どうしてもしっくりくるアイテムに出会うことができずにいつも楽な服装に逃げていた。それが、安藤はほんの一瞬、商品を見ただけで自分に似合うアイテムを見つけてしまうのである。


「ねえ、すごい! 良く似合うって分かったね!」


「なんとなくだよ」


 カーテン越しに木ノ葉が尋ねると、カーテン越しに安藤の声が聞こえた。


「これ買おうかな。私ずっとこういうの欲しかったんだよ~」


 木ノ葉は自慢げに服を見せびらかしながら試着室のカーテンを開けた。すると、あろうことか安藤はレディースのワンピースを羽織ろうとしているところだったので、木ノ葉は急いで駆け寄り、


「何やってるの、これレディースだよ!」

 

 と止めに入った。安藤が着ようとしているのは、膝丈まであるタイプのワンピースだった。シャツをそのまま長くしたようなデザインで、左右の胸元には可愛らしい花の刺繍が施されている。


「いや、知ってるよ」


 と安藤はボタンを全て外し終えると、コートのように上から羽織った。


 羽織ったのを見てみて木ノ葉は目を丸くした。案外違和感はないもので、むしろレディースということもあってスッキリとした腕回りが安藤のスタイルを端正に見せていた。


「おお、案外悪くないかも」と木ノ葉はつい言った。「でも、刺繡は?」


「これは別に糸を抜けばいいじゃん」


 呆れるほどにあっけらかんとしている。木ノ葉には、既製品に自ら手を加えるという発想はなかった。


「まあでも、ちょっと違うかな」


 安藤はワンピースを脱ぐと、ハンガーにかけラックに戻した。


「男の人もレディースの服着れるんだね」


「俺は背が低いからね。むしろレディースの方がサイズがちょうど良かったりする」


「そうなんだ」


 女の人がメンズの服を着るというのはよくある話だが、男の人がレディースの服を着るというのは聞いたことがなかった。


「ってか、ジャケットいい感じだね」


 安藤は顎に手を当てじっくりと木ノ葉を観察しながら言う。


「そうそう、そうなの。びっくりした。これめっちゃいい。買おっかな」


「いいと思うけど、もう少し見てみてもいいんじゃない?」


「ええ、これよりいいものなんてあるかなあ」


 木ノ葉は鏡の前に立ち、ジャケットのボタンを閉めてみたり、逆にジャケットを脱いで肩から掛けてみたり、タンクトップ一枚になってジャケットを脇に抱えてみたりしてみるが、どんな風に立ってみても様になるので感動すら覚えていた。


 すでにこのジャケットが欲しくて欲しくて堪らなくなっていた木ノ葉は、値段を見た。一万二千円と、安くはないが、ジャケットにしてみれば良心的な価格設定である。インナーはむしろ六千円と、思っていたよりも値が張った。残りの二千円でボトムスを買わなければならないと考えると、やはり二万円で全身コーデというのはあまりに厳しすぎるだろう。


「どうだろうね。あの店の服とかも似合うと思うよ」


 安藤は今いる店の斜め前の店を差した。こいつが言うならきっとそうなのかもしれないと、先ほどまではけしからん奴と思っていた安藤に対し、木ノ葉は早くも全幅の信頼を置き始めていた。


 木ノ葉は試着室に戻り、急いで着替え直して次の店へ向かった。


「って言うか、女性用の服に詳しいんだね」


「まあ、そうだね。デザインするのもレディースの服が多いかな」


「そうなんだ。どうして?」


「やっぱり、男の服って単調と言うか、味気がないでしょ。機能性重視と言うか、それこそジーンズとかは炭鉱で働くための作業着なわけだし、スーツだって細かい流行とか、スタイルは色々あるけれど、それほどデザインの違いもないでしょ。でも、女性の服って、あくまでも女性を美しく見せるために細かいところまで考え抜かれているというか、例えば、ワンピースのジップって後ろに付いているけれど、あれはもちろんフロントデザインをスッキリさせるという意味もあるけれど、使用人に着脱を差せていたっていう名残でもあるんだよね。ポケットがないのだって、服の形が崩れないようにするためだし、そのおかげで、小さいかばんみたいなものが生まれたわけでもあって、女性服の方が歴史的に見ても、細かいところにちゃんとした理由があったり、いろんな意味合いが込められていて面白いよね」


 突然饒舌に語り始めたので、木ノ葉は気持ち後ろにのけぞりながらも感心しながら聞いていた。


「へえ、詳しいんだね」


「詳しいというか、まあ、好きだからね」


「好きこそものの上手なれ、的な?」


「そうかもしれないね」


 安藤の話を聞いているうちに、次の店に辿り着いた。先ほどよりも少しカジュアルではあったが、露出の多いアイテムも多く、やはり木ノ葉が普段着ないような服ばかり並んだった。


「これと、これは?」


 またも店内をざっと見渡した安藤は、早速二着の服を手に取った。一つ目は丈がみぞおちほどしかないかなりタイトなグレーのトップスで、右肩に切り込みが入っているような少しセクシーなものだ。それをもう一着の強めのダメージが入った太めのジーンズと合わせろというのである。


 体のラインが見える服も、ダメージジーンズも、木ノ葉は人生で一度も試したことはない。若干抵抗はあるものの、先ほどのことがあるので試すだけ試してみることにした。


 試着室に入り、まずはズボンを履き替えた。膝がざっくりと開いており、何だか居心地が悪いような気がしたが、自前のトレーナーと合わせてみてもこれはこれでアリだなと納得させられるようなものである。そして、安藤から受け取ったトップスに着替えてみると、そこには木ノ葉が憧れる、いかにも気が強そうで凛々しい女性が立っていた。


 色々な角度から自分を見てみるが、どこから見ても様になっている。へそが見えているのが恥ずかしく、これで外を歩くことは少し躊躇われるが、慣れればこういうのを着てみてもいいのかもしれないと、この服を着て色々な場所を歩いている自分を想像した。カフェでコーヒーか何かをテイクアウトして、東京のおしゃれな街を練り歩くのだ。


 しかし、私はいいと思うが、客観的にどう見えているかはまた別である。少しはしたないような気もするため、安藤に見てもらおうと思いカーテンを開けた。


 しかし、そこには安藤はいなかった。


 木ノ葉は試着室から出て店内をキョロキョロと見て回ったがやはりいない。


「すみません、変な服を着た男がいませんでしたか?」


 と店員さんに聞いてみると、


「あ、その人ならちょっと前に出て行きましたよ」


 と、店の外を指差していった。一体どういう神経をしていたらこのタイミングで店を出てゆくのだろうかと、木ノ葉は怒りを通り越して呆れた。


 いつもの服に着替えた木ノ葉は、早速モールの中を安藤を探して回った。メッセージは送ってはいるものの、一向に既読の付く気配すらない。


 時間を確認してみると、すでに残り時間は三十分を切っていた。気が付けば、木ノ葉はモールの中を走り回っていた。


 三階と四階を端から端まで見て回ったが、やはり安藤はいなかった。電話をするが、応答がない。仕方なく、木ノ葉は一回に戻り、洋平に助けを求めることにした。


 洋平は一階のベンチでのんびりとスマホを見ながら座っており、木ノ葉の存在に気が付くと耳からイヤホンを外して怪訝な顔をした。


「洋平さん!」


 と木ノ葉が少し離れたところから呼ぶと、洋平はいよいよ嫌な顔をする。


「何やねん、嫌な予感がすんねんけど」


「安藤が消えました!」


「消えた? どういう意味やねん。拉致でもされたんか」


「本当に消えたんです。私が試着室にいる間に」


「トイレちゃう?」


「わかんないです。コミュニケーションが取れないんで」


「コミュニケーションなんてそんな難しいこと安藤に求める方が間違ってんねん」


「いいから、探してください」


 洋平はスマホで安藤に電話をかけてみるが、やはり応答はない。


「んー。どうしようか」と、洋平は少し考えると、「よし、しゃあない。あいつを大人として扱うのをやめよう」と洋平は歩き始めた。


 木ノ葉は洋平の後ろを着いて回った。洋平が向かった先は、建物の一番端にある、迷子センターだった。


「あの、すみません」


 洋平さんは早速スタッフに声を掛ける。


「はい、いかがなさいましたか?」


「迷子の子がいるんでアナウンスして欲しいんですけれど」


「構いませんよ。お名前は?」


「安藤忠親です」


「年齢は?」


「二十歳です」


「二十歳!?」


 スタッフの女性は驚きのあまり声を上げた。そんな風なリアクションになってしまうのも、無理はない。おそらくここで働き始めて以来、一番大きな迷子だろう。


「それ、迷子と言うか、はぐれただけじゃないですか?」


「いや、迷子です。アナウンスしてください」


「いいんですか?」


「もちろん。気にしなくていいですから」


「はあ、そうですか」


 スタッフの女性は立ち上がると後ろの部屋に入っていった。そして間もなくキンコンカンコーンとメロディーが流れ、迷子を知らせる放送が館内に響いた。


 ピンポンパンポーン。


「迷子のお知らせです。房総大学からお越しの安藤君、房総大学からお越しの安藤君、一回サービスセンターにて保護者の方がお見えです」


 ピンポンパンポーン。


「ありがとうございます」


 洋平が頭を下げると、女性スタッフは少し困った顔で「いえいえ」と、そそくさと仕事へ戻った。


 二人は安藤を待つべく、一旦サービスセンターのベンチに腰掛けた。その時、木ノ葉のスマホに、「ごめん、今行く」と安藤から連絡が入った。


「あ、安藤聞いてたみたいです」


 木ノ葉は画面を洋平に見せた。


「館内放送へのコメントはナシか」


「っていうか、なんで安藤と私なんですか?」


 木ノ葉は率直に疑問をぶつけた。


「ペアの話? まあ、なんとなく木ノ葉は誰とでもうまくやりそうな気がしたから一番わけわからん奴とぶつけてみた」


「まあ、確かに私は誰とでもそれなりに上手くやる自信はありますけど」


「ほなええやん」


 木ノ葉はむすっと口を尖らせて、足をぶらぶらさせた。納得こそできないが、洋平に信頼されているというのもそれはそれで悪い気はしない。というか、そう言われてしまうと頑張ろうと思えてしまうのだった。


 少しすると、サービスセンターに安藤が現れた。安藤はすでに一人で自分の服を買っていたのか、ショッピングバッグを二つ手に提げて、先ほどまではかぶっていなかったバケットハットをかぶっていた。


「おお、ええやん、帽子似合うやん」


 洋平がすかさずいう。


「いや、そんなことよりどこ行ってたの?」


「服買ってた」


「なんで私が試着室にいる時に消えるのよ」


「ごめん」


「ごめんって、いや、そういうことじゃなくて」


 木ノ葉は全身の力が抜けてゆくのを感じた。こいつとは、まともに会話をしようとすること自体が間違っているのかもしれない。


「んで、木ノ葉、お前は自分の分を買ったんか?」


「まだなんですよ」


「行った方がええんちゃう?」


 木ノ葉が時計を見てみると、残り三十分を切っていた。


「やばい!」


 と木ノ葉は勢いよく立ち上がり、安藤の腕を掴んだ。


「行くよ! 私の服、選んで!」


 洋平に軽く手を振り、急いで買い物に戻って行った。


「頑張りやー」


 洋平はベンチに座り、二人を見送った。















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