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魔女と俺の絶滅戦争  作者: あまあま
絶滅指定種『吸血鬼』
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26/28

天風家にて②

お久しぶりです

まだ戦闘パートにはいきませんがゆっくり物語を進めたいとおもいます。

 魔都での戦いから2日が経った日のこと、天風 風花は天風家当主の天風 源一郎に呼び出され天風家本邸に来ていた。


(憂鬱ね。今回で復元(リザレクション)を使うのは2度目だけど、前の時も滅茶苦茶怒られたし今回も怒られるんだろうなぁ)


 風花は本邸の廊下を歩きながらそんな事を考えていた。魔都での戦いで風花が無行(むぎょう) 四(よっつ)の命を救う為に使った魔法は、天風家の中でも知っているのは源一郎と姉の春禍(はるか)だけという秘中の秘であったのだ。四年前に使った時も後から源一郎にしこたま怒られた。

 風花は基本源一郎に怒られる事はない為、前のスカイタワー決戦の後と違って確実に怒られることがわかっている為憂鬱さも凄まじい。


(帰ろうかな)


 大変後ろ向きな決心をしそうになっている風花に後ろから声がかかる。


「あんた、まさか帰ろうとか思ってないでしょうね?」


 声の主は天風 夏燐(かりん)。風花のもう1人の姉であり風花の事を嫌っている。

 夏燐は風花を嫌っているが故に風花の嫌そうな気配を察して釘を刺してきた。


「い、嫌だなぁ夏燐姉様。私がお父様からの招集に応じないなんてあるわけないじゃないですか」


「それは残念。あんたが帰ろうとしてたならあーしの鎖でふん縛って連行しようと思ったのに」


 にこやかな笑顔で恐ろしい事を言ってくる夏燐に風花は冷や汗が止まらない。

 そこから会話は一切ないまま2人は当主の間に着いた。

 一つ息をはいた後風花は当主の間の扉を開けて中に入る。そこには意外な人物達がいた。


「雫さん、それに秋雨兄様も!」


 人類最強の魔法使いと、現在西欧で真祖の彼岸の攻略をしているはずの兄の姿を見て風花は驚きで声をあげた。その後ろでは夏燐も目を見開いて驚いていた。


「2人とも座りなさい」


 穏やかな声で源一郎は2人に座るように促す。2人はそれに従って用意されていたソファに座る。風花は雫の横に夏燐は秋雨の横にそれぞれ座る。

 2人が座ったのを見て源一郎は話を切り出す。


「よし全員揃ったな。今回お前達に集まってもらったのは二日前の件だ」


 源一郎の言葉を聞いて風花の顔が蒼白に染まる。


(うう、やっぱり復元(リザレクション)の件だ。怒られる前に謝ろう)


 風花がそんな決心をつけて話し出す前に秋雨が話し出す。


「父さん、二日前の件って魔城の周辺を突如覆った紫の霧の事ですか?」


「そうだ。あの紫の霧もだがそれよりも今回話したいのは"絶滅戦争"が発動した件だ」


 "絶滅戦争"という単語を聞いて風花以外の3人はあからさまに驚きの表情を浮かべる。普段から泰然としている雫の驚愕の表情を風花はこの時初めて見た。


「源一郎様。"絶滅戦争"が発動してそれが貴方に知らされているという事は人類側の代表は貴方なのですね?」


「その通りだ、雫。わしが人類の代表と設定された」


 2人が話しているのを聞いても何のことか全くわからない風花は思わず質問する。


「あのぅ、"絶滅戦争"って何ですか?」


 風花の質問を聞いて夏燐は『お前マジか』と言いそうな表情をしている。


「そうだったね風花にはまだ教えていなかった。これは教育係であった僕の不始末だ」


 穏やかに微笑みながら秋雨が風花のフォローをする。三年前まで風花に魔法を教えていたのは秋雨であり、そのほかにも彼岸の知識など教えてくれていた。しかし"絶滅戦争"の事は教えていなかった為、秋雨は申し訳なさそうに眉を下げる。


「父さん、風花に教えても?」


「構わん」


 源一郎の許可を取り秋雨は"絶滅戦争"について風花に説明する。


「まず彼岸にはそれぞれ主がいるというのは理解しているね?」


「はい、彼岸の主はみんな絶滅指定種って呼ばれてますよね?」


「その通りだ風花。彼岸の主は全員が絶滅指定種とされている。本来の絶滅指定種は彼らだけのことを示す」


 その説明を聞いて風花は一つの疑問が思い浮かぶ。


「あれ、でも今絶滅指定種になっているうちの1人である無間(むけん) 有悟(ゆうご)は彼岸なんて持ってないですよ?」


「ああ、彼は父さんが後から絶滅指定種と定めた存在だからね。今から話す内容からは彼の存在は無視して構わない」


 そうして一つ咳払いをして秋雨は話しを続ける。


「今回発動した"絶滅戦争"というのは"原初の魔女"ドロテアが作り上げた大魔術であってその実態は人類と絶滅指定種の戦争を短縮させるためのものだ」


「短縮させるためのもの?」


「そうだ。絶滅戦争では人類側の代表と絶滅指定種側の代表をそれぞれ勝手に設定されて、その代表が殺されるとそれぞれの種族が全て滅ぼされるという理不尽極まりない魔術だ」


「はぁ!?!」


 "絶滅戦争"の内容を知らされて風花は声をあげて驚く。


「驚くのも無理はない。実際これが発動するのは世界初の事だしね、実際人類側の代表が殺されて人類が絶滅するなんてあり得るのかなんて思うが、魔術の大元があ(・)の(・)ドロテアだからね。用心していて損はないさ」


 秋雨の説明を全て聞き終えた風花は"絶滅戦争"のあまりの内容に絶句している。


「ふむ、とりあえず説明はこれで済んだな。ならばわしからも補足をしておこう。"絶滅戦争"はひと月の期間で行われる。今回はアンビーが発動者だったがあの小娘二月(ふたつき)の準備期間なんてものをもうけおった。何故そんな期間をもうける必要があったのかは謎だが、なんにしろわしらにとってもありがたいものだ」


 源一郎の補足説明を聞いて風花の頭には新たな疑問が浮かび上がる。


「あのお父様、ひと月の期間と言いましたがそれを過ぎるとどうなるんですか?」


「それは簡単だ、宣言した側今回でいう吸血鬼側が滅びる」


「それならずっと守りに入ってれば勝てるんじゃないのお父様?」


 2人の会話に夏燐が割り込んでくるがその疑問は確かに風花も気になるところではあった。


「それでも構わんが吸血鬼相手に後手に回る事がどうなるかはお前達は理解しているだろう?」


 そう言われて風花はスカイタワー決戦と魔都での戦いを思い出す。吸血鬼相手に後手に回る事は自分達が守るべき人々の犠牲を増やすだけだった。


「じゃあ、お父様はどうされるんですか?」


「わしは今回は何もする気はない。真祖がこのタイミングで"絶滅戦争"を宣言してきた理由は十中八九、西欧の彼岸と日本の彼岸が繋がったからだろうしな。わしを餌に雫やお前たちに頑張ってもらおうと思っとる」


 源一郎のその発言を聞いて雫は露骨に顔を顰める。


「堂々とサボる宣言とは恐れ入るわ源一郎。ムカつくけど確かに貴方が前に出てうっかり死なれでもしたら私たちも道連れになるものね」


「そうですね。父さんの実力を信じてないわけじゃないですけど、吸血鬼どもは卑怯な手段で父さんの命を狙うかもしれない。守りやすいところに居てもらうのが一番ですね」


 秋雨も源一郎が前線に出ない事には賛成している。夏燐はなにも言わないが秋雨と同じ意見なのだろう。

 風花はそんなやり取りを聞きながら今回は怒られる事はなさそうだと安心感に包まれていた。


「そうだ風花。蓮くんはまだ起きないのか?」


 ぼーっとしていた風花に突然源一郎の声がかかり、一瞬焦る風花だった。


「は、はい、お父様!あの日から2日経ったけど蓮は起きてません。まあ魔都の戦いで身体の外と内がズタズタになってましたから、常人なら日常生活を今後送ることが困難になる怪我だと雨守家の医師も言っていました」


 そう言って風花は雫に視線をおくる。


「風花様の言う通りよ、源一郎。あの子の身体はドロシーを接続してるから耐久性も回復性も常軌を逸しているけれど今回ばかりはダメージが大きすぎたわね。ただ怪我しただけならともかく、あの子の身体ですら無茶な技を使ったのか中身がボロボロだもの、まだ後数日は目を覚まさないでしょうね」


「そうか、彼は魔都での戦いの時に鬼門にトドメをさしたらしいからな。彼が見聞きした情報を聞ければ吸血鬼側の戦力ももしかしたらわかるかもしれない」


 源一郎はそれからと話を続ける。


「魔都で共に戦ってくれた魔法使い2人と神狐御前の娘はどうなっている風花?」


 びくぅっと体が跳ね上がる風花だったが、夏燐はそんな彼女の様子にびっくりする。


「なんであんたそんなにビビってるわけ?」


「え、何のことですか夏燐姉様?そんな私がビビるなんてあるわけないじゃないですかぁ。やだなあ」


 冷や汗を流しながらそう答える風花に夏燐はそれ以上の追求をしなかった。


「ええと、無行 五(いつつ)と無行 四、それに黄金姫は私の屋敷で保護しています。五さんは魂の一割を損傷したみたいですけど日常生活に支障はないと言ってました。四ちゃんは心身ともに回復しきって黄金姫のお世話をしています。最後に黄金姫はかなり憔悴していて部屋に篭りきりです」


「そうか、無行姉妹の名前はわしも知っているからな。彼女達が戦力になってくれるのなら心強いんだが…。黄金姫に関しては雫、君に任せてもいいかな?」


「私の家は託児所じゃないんだけど」


「彼岸の主の娘である彼女の力は絶大なものだろう。その力をコントロールする術を学ぶのなら君の元で修行させるのが一番だろう」


「まあいいわよ。だけど身内を亡くしたばかりの女の子を気心の知れた仲間の元から引き離すなんて許さないわ」


「ああ、君ももうあの家に居続ける理由もないだろう風花の屋敷に住むといい」


 屋敷の主である風花の許可を取らずに何もかもが決まっていく事に苦笑いが隠せない風花だった。


「まあそうね。黄金姫ちゃんの力が不安定だったから私はあの屋敷の位置から長時間動く事ができなかったわけだし。私も風花様の屋敷にお邪魔した方が蓮や澪、エリスも鍛えなおせるし一石二鳥ね」


 にこやかな笑みでそう告げる雫だったが、風花は雫が今あげたうちの1人の事情を今日の朝知ったため口を挟む。


「エリスちゃんは無理です。雫さん」


「あらどうしてかしら風花様?エリスは敵にやられて重傷だとは聞いていたけど命に関わる様な怪我ではなかったはずだけど?」


 全身串刺しになった様な傷を残したまま表の世界で発見されたエリスだったが、その傷は主要臓器を全て回避していた。それだけではなく未知の菌の様なものがエリスの体の傷ついた内臓の機能を補助してくれていたため回復も早かったのだ。


「エリスちゃんは今日の朝目覚めたんですけれど、その…下半身の感覚が無くなってしまっていました」


「!?」


 エリスの体の状況を聞いて僅かに目を見開く雫だった。


「どういうこと?医者からも後遺症は残らないだろうと言われていたはずだったけれど?」


「はい。私にもわからないんですが改めて医者に診てもらった所、エリスちゃんの体の中にあった未知の菌がその性質を変えてエリスちゃんの体を侵したんじゃないかって言っていました」


 雫は未知の菌の得体の知れない性質を聞いて、その菌を作り上げたであろう人物の顔を思い浮かべる。


「やってくれたわねアンビー。"病毒の魔女"め」


 静かな怒りをたぎらせる雫の声は誰の耳にも届かなかった。


「さて、"絶滅戦争"の話はこれぐらいですか父さん。それだったら僕も魔城に戻ってさっさと攻略の手伝いをしに行きたいんですけど」


 話に区切りがついた事を悟った秋雨はそう切り出す。しかしその意見は源一郎に却下される。


「もう西欧の彼岸の攻略は必要ない。魔城の本丸は紫の霧に包まれていたのだろう。あれはアンビーの病毒の霧だ。吸血鬼にとっても害にしかならん。貴族や大貴族が出てこないのなら攻略は春禍の部隊と残っている賢者(ワイズマン)たちで事足りる」


「まあそうですけど。でも一週間前に現れたアフリカの彼岸"地底世界"に賢者の大半が出向いてしまっていますよ父さん」


「お前達と残った賢者たちで吸血鬼の戦力には十分だ」


 現在魔法使いの戦力の大半は一週間前に現れたアフリカの"地底世界"と呼称されている彼岸の攻略に注ぎ込まれている。残っているのは天風の四季のうち3人と天風家と雫以外の賢者達3人だけだった。

 源一郎は吸血鬼相手ならその戦力で十分だと言うが秋雨には十分とは思えなかった。それもそのはず秋雨達、魔城の攻略組は大貴族と何度か戦ってその戦力を嫌というほど理解しているからだ。


「お前が不安に思うのも理解できるが吸血鬼どもが強いのはあくまで魔城という場のせいだ。あれは真祖の血を持っているものへの加護を与える仕様だからな、あいつらが日本の彼岸に来たらお前が思っているほどの脅威にはなりえんさ」


 源一郎のその言葉を聞いても秋雨は、はいそーですかと納得する事は出来なかったがこれ以上言っても源一郎の意思は変わらないだろうと悟り口を閉ざす。


「そう不満そうな顔をするな秋雨。お前の懸念もわかるさ、まだ"絶滅戦争"には二ヶ月の期間がある。その間に地底世界に向かった者たちも戻ってくるさ」


 それだけ言って話しを切り上げる源一郎。


「では今回の会合はここまでだ。あっと一つ言い忘れたが今回の"絶滅戦争"には"竜の民"も参加するからな」


「なっ!?嘘でしょお父様!あいつらが何をしたか忘れたのですか?」


「奴等の神とやらの命令なんだと。わしでも止められん」


 それだけ言って源一郎は部屋から出ていく。

 残された4人の間には沈黙が流れる。

 その沈黙を最初に破ったのは夏燐だった。


「あーしはもう帰るわ。氷河君にご飯作らなきゃだし、風花あんたもちゃんと帰って来なさいよ」


 それだけ言い残して夏燐は部屋から出ていく。

 その後に口を開いたのは秋雨だ。


「僕も今日は夏燐姉のご飯を食べに行こうかな。またね風花」


 秋雨も部屋から出て行き残されたのは雫と風花の2人だけだった。


「"竜の民"、ね」


「!!」


「気にしなくていいわ風花様。澪は貴女の命を守るためにいるんだもの。それにあの子の命を助けたのは貴女でしょう」


「でもあの時私があんなことをしなければ澪は死なずにすんだ」


「風花ちゃん!」


 雫から呼びかけられてハッと顔を上げる風花。


「澪が貴女に何かそのことについて言ったことはあるの?」


「い、いいえ」


「じゃああの子も気にしてないわ。この話はここまで」


 そう言って雫も部屋から出ていってしばらく風花はその場から動けなかった。


("竜の民"、私の命を最初に狙ってきた賊共。そんな奴等と共闘だなんて)


 しばらく考えに耽っていると部屋に源一郎が戻ってきた。


「何だまだ帰ってなかったのか?」


「お父様…」


「まぁ丁度よかったな」


「?」


「また復元(リザレクション)を使ったな風花。今からお説教だ」


 笑顔で絶望的な宣言をしてくる源一郎に風花は引き攣った笑みしか返せなかった。それから風花が自身の屋敷に戻れたのは夜ご飯ギリギリの時間となってしまい夏燐に怒られてしまうのだった。



―――――――――――――――――――――


 風花がお説教を受けている時と時を同じくして魔城に1人の魔法使いが侵入していた。

 その侵入者に魔城の全戦力が注ぎ込まれていたが侵入者は鼻歌混じりにそれらをあしらい、なんの苦もなくエリーゼのいる玉座の間に到達する。


「まさか貴方がここにくるなんて」


 エリーゼは呆れた様な目線を侵入者に向ける。


「いやあまさかアンビーの霧に覆われてるなんて思わなかったからさ、めんどいから表の世界から直接来ちゃったわ」


 表の世界から来たと簡単に言っているが、魔法使いの表の世界からの侵入を妨げる対策を何重にもしている。そんな所に気軽に来ちゃったと言える目の前の存在は自分よりも余程絶滅指定種に相応しいとエリーゼは考える。事実目の前の存在は自分と同じ絶滅指定種であった。


「わたしを滅ぼしに来たのかしら有悟?それならもうわたしにはやれることはないし大人しく受け入れるけれど」


「あっはっは!そんな事するわけないだろエリーゼ。僕が君を殺すなんてあの屑ならともかくね」


「そ、じゃあ何しに来たの?わたしもあと二ヶ月療養と戦争の準備をしておきたいのだけれど」


 軽い調子の有悟の態度に頭痛を覚えるエリーゼ。雫によって魂に傷を負わされた彼女にとって今有悟と話すのは苦痛でしかなかった。


「まあまあそう邪険にしないでくれよエリーゼ。今回伺ったのはその戦争の件でだ」


「どういうことかしら?」


「僕が雫を抑えよう。彼女を抑えたなら君達でもあの屑の喉元に迫れるはずだ」


 有悟の言葉を聞いて耳を疑うエリーゼだった。


「何故そんなことを?貴方とゲンの仲が悪いのは知っていたけれど、今回は"絶滅戦争"なのよ。彼を殺すと貴方も死ぬでしょう?」


 魔法使いの世界では絶滅指定種とされている有悟だったが、その存在の本質は人間のままなため源一郎が死んだ場合道連れになってしまうのだった。


「構わないさあの屑がこの世界からいなくなるなら人類が死に絶えるくらい誤差の範囲だ」


 笑顔でそう言う有悟に戦慄するエリーゼ。何度か有悟にあってその朗らかな人柄は人間嫌いのジュリアーノにも懐かれるほどだった彼だが、その内には源一郎に対する怨嗟がドロドロに渦巻いていた。


「わ、わかったわ有悟。貴方に雫は任せるから必ずゲンを殺すわ」


「ありがとうエリーゼ。じゃあ戦争始まるまでこの城にいるから部屋貸して」


 先ほどまでの暗い雰囲気をパッと変えて明るい声で居候宣言をする有悟にくすりと笑うエリーゼ。


「ええ、一等室を貸して上げる。セバス案内してあげて」


「最高だよエリーゼ。じゃあまた明日」


 ひらひらと手を振ってその場を立ち去る有悟を見てエリーゼは少し気持ちが晴れてその顔には笑顔があった。


「姫が笑っているのを見るのは久しぶりです」


 大貴族の1人であるアルバートにそう言われてエリーゼは少し頬を赤く染める。


「はしたなかったかしら?」


「いえいえ、姫はこの頃頑張りすぎでございましたから。戦力の管理は我々に任せてお部屋でお休みください」


「そ、そう。じゃあわたしも少し休むわ」


 エリーゼは部屋に戻って寝室に横になる。


(昨日は夢を見たし今日も見れるかしらね)


 そう思いながら微睡んでついには寝入っていくエリーゼだった。



無間 有悟 (むけん ゆうご)

世界最強の魔法使い。

雫が人類最強ならこちらは世界最強、既に人類と認められていないためこの様に呼ばれている。

天風 秋雨 (あまかぜ あきさめ)

天風家にはめずらしい好青年

魔法が使える様になった風花に基礎的な魔法の使い方を教えて四季の中で最も風花に懐かれている。


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