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魔女と俺の絶滅戦争  作者: あまあま
絶滅指定種『吸血鬼』
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15/28

魔都 京都①

章が変わりましたが自分の文章力のなさで全然話が進みませんでした。すいません

「京都から助けを求められた?」


 エリスと蓮はポン太を連れて屋敷に帰ってきていた。

 だが今風花の目の前にいるのはエリスと蓮だけでポン太とやらの姿が見当たらない。風花の内心は昼間にあったエリスと蓮の一連のやり取りで大荒れだった。まさか助けを求められたというのは虚言で2人っきりで旅行に行く気なのかとそんな妄想まで膨らんでいる。

 そんな風花の様子を見てられなかった夏燐が声をかける。


「いや、風花。あなたも父様から教わったでしょ。京都には彼岸でしか生きられない」妖(あやかし)がいるって。助けを求めてきたのはその妖なんでしょ」


 夏燐にそう言われて風花は慌てて取り繕う。


「そ、そういえばそうでしたね。じゃあそのポン太さんはこの屋敷の彼岸にいるのね」


 蓮とエリスが肯定して、風花は頭の中の妄想を消して凛とした様子になる。


「ならば行きましょうか。京都で何が起こっているかは私も知らなければなりませんから」


 そう言って今屋敷にいる蓮、エリス、風花に夏燐は全員彼岸の中に入っていく。

 彼岸の中に入ると狸耳の少年が屋敷の広間で座って待っていた。

 少年は風花の顔を信じられないものを見るような表情で見ている。


「姫様…」


 狸耳の少年が風花のことを姫と言い、風花は困惑している。


「えっと、人違いでは?」


 風花の声を聞き少年はハッとして自己紹介をする。


「す、すいません。僕はポン太といいます。魔都からあなた達魔法使いに助けを求めにきました。」


「はい、それは蓮達から聞いています。助けるかどうかはあなた達の現状を聞かせてもらってから、決めさせていただきます」


 風花から拒絶の言葉が出なかったことに一安心するポン太は魔都の現状を話し始める。


「はい。今魔都は吸血鬼によって支配されてるんです。」


 エリスが少し反応するが、ポン太の話を遮ることはしない。


「吸血鬼は銀髪の女に率いられて一週間ほど前に魔都に侵入してきて、そこから魔都の最大戦力を吸血鬼化して配下にしました」


「待って。わたしが知ってる限りだと魔都には御前様が創造した妖しかいないはず、妖が吸血鬼になったの!?」


 ポン太の話を遮って夏燐が質問をする。

 今はポン太の話を聞きたい場面だったが、信じられないことを聞いた夏燐は反射的に質問してしまった。


「そうです。姫様以外は魔都には妖しかいません。そんな妖の最大戦力が吸血鬼になってしまって、僕達は戦意喪失してしまいました。姫様をなんとか奥の院に隠せたけど、ほとんどの妖は殺されたか、吸血鬼になりました。このままじゃ奥の院が見つかるのも時間の問題なんです。どうかみなさんの力を貸してください」


 そういってポン太は土下座をする。


「頭を上げてくださいポン太さん。その銀髪の女は多分ですが私達の知っている魔法使いです。彼女が魔都に行ったのは私達にも原因があるので、ぜひ助けさせてください」


 風花がポン太に協力を約束するが夏燐は苦い顔をしている。


「風花。安請け合いはいいけれど、あなたが直接行くつもり?あなたは天風市の管理を任された身の上でしょう」


 夏燐の言葉に反論出来ない風花。

 この都市の管理を任された風花がアルテリアに出し抜かれたのは記憶に新しい、それなのに魔都への協力を約束しようとする風花に夏燐は苛立っている。


「もしあなたが離れているうちにこの都市で何かあった時はどうするつもり?今度こそ父様から失望されるかもしれないわよ」


 源一郎から失望されるという言葉を聞いて風花は露骨に動揺する。

 そんな風花の様子を見てられない蓮は提案をする。


「夏燐様、風花様。俺が協力に行きます。幸い今は澪がいるし俺がこの都市を離れても問題はあまりないはずですから」


 風花は蓮の言葉を聞いて驚く。彼が風花の元から自発的に離れることを提案するなんて今まで無かったからだ。


「な、なんで蓮が行くの?澪に任せればいいじゃない」


 動揺している風花は口調も取り繕えなくなっている。


「流石にいきなり魔都に行ってこいって言っても澪は聞かないでしょう。それにこれは俺が行きたいんです」


 自分の意思を伝える蓮だったがチラリとエリスに方を見たのを風花は見逃さなかった。


「そんなにエリスちゃんが大事なら勝手にすればいい!!」


 風花にとって蓮が自分より親しい人を作るのは許せない事であり、最近の蓮がエリスと学校でも噂になっていたり、スカイタワーの件以降やけに蓮がエリスを気にかけていたので鬱憤が溜まっていた。

 そんな積み重なっていた鬱憤が爆発して風花はヒステリックに叫び彼岸から出て行った。

 夏燐は久々の風花のヒステリーに重いため息をはく。そして困惑しているポン太に話しかける。


「安心して、ちゃんと魔都を助けには行くから。ただ少しだけ待ってて」

 

 夏燐はポン太にそう言って風花を追いかけるように蓮に命令する。


「蓮。多少の原因はあなたみたいだし、風花のフォロー行ってきなさい。5分あげるから風花と戻ってきなさいよ」


「ええ、俺に原因あります今の?」


「つべこべ言わず行きな。あーしをキレさせたいの?」


 渋々蓮は夏燐が作った扉を通って彼岸から出て行った。

 風花の突然の叫びに驚いていたエリスは夏燐に話しかける。


「あの、アタシ何か風花さんの気に障るようなことしちゃいましたかね」


「あなたが気に病むことじゃない。あの妹は蓮が他の女に絡んでいるのが許せないだけだし。ホントあいつのメンタルの弱さは嫌になるわ」


「ああ、そういう。アタシは蓮に何も思ってないんですけどね」


「あいつは蓮に関してだけは妄想を膨らませるから、あーしやルカも被害者だ」


「なんかお疲れ様です」


 エリスは哀れみの目で夏燐を見る。

 こんなことを言っている夏燐だったが、仮に氷河が他の女と二人きりで修行なんてしようものなら、その女と決闘をしてでも氷河のそばに近寄らせないようにする。実際過去に何回かやった。


 蓮は表の世界の風花の部屋の前に来ていた。襖の向こうに声をかけるが反応がない。ただ部屋の中には確かに人の気配があるので、襖を開けて中に入る。


「なに、エリスちゃんの所にいなくていいの」


 皮肉じみた言葉を蓮に投げてくる風花。

 蓮は久しぶりの風花のこの状態にため息をつきそうになるが、それをした場合風花の機嫌はもっと悪くなるので堪える。


「俺が何より大事にしているのはお前だよ風花」


 風花の表情が若干明るくなるが、まだ棘のある言葉を蓮に言ってくる。


「そんなことを言って、私の元から離れたいんでしょ。なんで魔都にあなたも行かなきゃいけないの?澪やルカでいいじゃない」


「今回は俺が行かなきゃいけねえんだ。ケジメをつける為に」


「ケジメって何に対しての?」


 蓮がエリスに対してケジメをつけなきゃいけない事をしたのかと妄想を膨らませる風花。


「アッシュのことだ。俺が弱かったからあいつに実の兄を殺させた」


「でも、聞いた状況じゃしょうがなかったんじゃないの。あなたも満身創痍だったみたいだし」


「それでもだ。あいつは自分がケリつけれて良かったって言ってたけど、そんなわけねえ。実の兄を殺しておいてなにも思わない奴じゃない事くらいは理解してる。だから俺はあいつの復讐を手伝いたいんだ。あいつの為にも俺自身の為にも」


 蓮の言葉を聞いて風花は安心する。エリスのことを思いやっているが、そこに恋愛感情がないことに対してだ。


「そう、なら良いわ。私の代わりに魔都を救ってあげて」


 蓮にそう言い、風花は蓮と共に彼岸に戻る。


 彼岸にいくと、残っていた三人は色々話し合っていた。


「だからぁ、あいつは妄想を勝手に膨らますくせに、蓮からなんか言われたらすぐ信じるんだよ。あーしとルカも一回爆発してからは大丈夫判定されたから、エリスも大丈夫だって」


「姫様と瓜二つのお顔だったんですが大分めんどくさい方なんですねぇ。姫様は妖のみんなに分け隔てなく優しかったですよ」


「アタシその事について聞きたかったんだよ。そんなに風花さんに似てんの?」


「はい!もう本当に瓜二つで最初僕も姫様が東まで逃げてきたんだと思いましたもん」


 三人の話が盛り上がっているが夏燐がこっちに気づいたことでお開きになった。


「よし!ようやく戻ってきたな。じゃあ誰が魔都に行くかだけど、蓮とエリスは決定でいいな風花?」


「はい構いません」


 最初とは打って変わって蓮が離れることに素直に応じる風花にポン太は驚く。


「流石に二人だけじゃ足りないだろうし、ルカも行かせるか」


 夏燐はどんどん話を進めていく。

 今日は雨だから傘を持っていこうというくらいのテンションでルカも行くことが決まった。


「で、澪も行ってもらうか」


 夏燐のその言葉を聞いて風花は目を見開いて夏燐を見る。


「夏燐姉様、澪は私の護衛ですので離れられると困ります」


「じゃあお前も行けばいいだろ」


 自分に都市管理の責任を諭していた人の台詞とは言えず耳を疑う風花。


「お前も行きたいんだろう風花。あっちの姫様がお前と同じ顔だからなぁ、蓮が浮気するかもとか妄想膨らませてんだろどうせ」


 その指摘は正解だった。

 蓮が風花のことを想ってくれていることを疑ってない風花だが、蓮がもしも自分の顔が好みだとするのなら魔都にいる姫様に惹かれる可能性がある。

 エリスの時ほどの危機感はまだなかったが確かに妄想は膨らんでいた。


「で、でも私がこの都市を離れると」


「それはあーしに任せろ。いくらお前のことが嫌いでも、天風家の聖地を黙って荒らさせるようなマネはしねーよ」


「か、夏燐姉様。愛しています」


 風花が夏燐に抱きつこうとするがそれをひらりと避ける夏燐。

 夏燐のその殊勝な態度が腑に落ちない蓮が夏燐に質問する。


「で、本音は夏燐さん?」


「お前らが居なくなればあーしと氷河くんの二人暮らしってことになるだろ、これは来るべき新婚生活のデモンストレーション、逃す手はない!」


 夏燐の本音は予想通りで蓮は呆れる。

 とりあえず話はまとまった。


「ではポン太さん、私たち五人が魔都に協力するということでいいですか?」


「あ、ありがとうございます!これで姫様を助けられます」


 ポン太は感謝の涙を流している。

 こうして、蓮 エリス 風花 ルカ 澪 の五人が魔都に行くことが決定した。

 話に参加していなかった二人には夕食時に説明をして今日はもう遅いため明日の朝一番に彼岸から京都に向かうことになった。

 彼岸から京都に向かう理由は魔都は表の京都から入ることが今は出来ないからだ。これは姫様が奥の院に入っている影響で、表の世界の奥の院のある座標から直接入られることを防ぐ為だ。

 そのためポン太の案内で彼岸から京都に向かうことになった。


――――――――――――――――――――――


 魔都 京都の奥の院には現在黄金(こがね)姫と二人の魔法使いに一人の人間しかいない。


「翁(おきな)そろそろバレそうです」


「そんなこと言われてもわっしはただ斬ることしか能がないからなぁ」


「またそんなこと言うて翁はん。そんなこと言われたら、うちらかて魔法使うしか能がないってことやん」


「かっかっか。すまんすまん。まあもしバレたら嬢ちゃんたちは姫を逃してやんなさい」


「当然です!姉さんも今回は私の言うこと聞いてもらうからね!」


「怖いわあ、遅めの反抗期?」


「違います!私たちは御前様への恩義があるんですから、ちゃんと姫様を守らないとでしょ」


「ふふふ、わかっとるよ。ただポンちゃんは間に合わんかねぇ、やっぱり」


「ダメで元々でしたからね。そんなことよりあと数時間もしたらここはバレますよ。」


「はぁ、鬼さんたちが取られたのがほんと致命的やったわぁ」


「今更愚痴ってもです姉さん、翁も睡眠をとるなら今のうちですよ」


「わっしはいいわ。こんな年になると眠くもならんからのう」


「じゃあ、うちは寝させてもらうわぁ。翁はんも四(よっつ)もおやすみ」


「はい、おやすみなさい、五(いつつ)姉さん」


 蓮達が魔都に着くまであと六時間。


風花キャラ違くない、こんなめんどくさい女だったっけ。

こういう話が一番作れない。人間の感情とかほんとわからない。そんな稚拙な文書ですが読んでいただいていたら幸いです。

夏燐の一人称は外用と身内用がありますが本質は『わたし』です。『あーし』は昔氷河がよく見ていた漫画のヒロインが使っていたので氷河に気に入られるために使っています。実際氷河はその漫画のヒーローに憧れていてヒロインのことはこれといってなんとも思っていませんでしたが夏燐が使い始めてヒロインのことも可愛いと思ったりしました。


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