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五年で三十二回毒を呑まされた元毒見役

五年で三十二回毒を呑まされた婚約者ですが、婚約破棄されたので今後の毒見はご自分でどうぞ ~私のいない食卓で、殿下は今日も何も食べられない~

作者:0u0
最終エピソード掲載日:2026/08/27
毒見役を解雇した王宮では、今日も誰も食事ができない。

伯爵令嬢リーゼロッテは王太子ユリウスの婚約者――という名の毒見役だった。殿下が寵愛する男爵令嬢ミレーユの茶会に侍り、五年間で三十二回、盛られた毒をこの身で受け止めてきた。その毒で荒れた肌を「王太子妃に相応しくない無能」と嗤い、殿下は宴の席で婚約破棄を言い渡す。

「謹んで、お受けいたします」

――ただし、最後のご奉公だけは果たしてから。
「殿下。その祝杯、毒が入っております」

彼女が去った王宮では、検毒官が全員辞職した。三重検査で冷めた皿が並び、王太子は水しか飲めない。壁を失った食卓で、五年間ただの一度も表沙汰にならなかった毒の手口が、はじめて「事件」として記録されはじめる。

一方の彼女は、北の「冷血大公」に舌ごと娶られていた。
「君の舌は君のために使え。俺の食卓に、毒見の席はない」

生まれて初めて、毒のない食事を口にした夜のことを、彼女は一生忘れない。

全4話完結。不在ざまぁ×溺愛。彼女は何もしない。いなくなっただけ。

※「カクヨム」「エブリスタ」にも掲載しています。
毒のない食卓
2026/08/26 18:00
毒見役廃業のお知らせ
2026/08/27 18:00
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