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異世界インフラ整備 -主人公はいつになっても冒険者ランクを上げない-  作者: Patriot
成人期:二十歳

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【外伝】治療

ヒロはギルドへ戻っていた。


大広間は、そのまま救護所として使われている。


寝台が並び。


冒険者も。


騎士も。


魔族も。


分け隔てなく治療を受けていた。


ヒロも椅子へ座らされている。


目の前にはリリア。


腕を組みながら、じっとヒロを見つめていた。


「リリアさん。」


「そこはただの擦り傷なんで、大丈夫ですよ。」


「ダメ。」


即答だった。


「ちゃんと治さないと。」


そう言いながら薬を塗っていく。


「……あ。」


リリアがヒロの肩へ触れる。


「あざになってる。」


「痛かったでしょ。」


ヒロは苦笑した。


「リリアさん。」


「そこは。」


「ガレスに肩を叩かれたところです。」


一瞬。


ギルドが静まり返る。


次の瞬間。


「ぶはははは!」


「それ治療するとこじゃねぇ!」


「ガレスのせいかよ!」


大笑いが起こる。


リリアは顔を真っ赤にした。


「し、知らなかったの!」


「でも!」


「ちゃんと診ます!」


「はいはい。」


ヒロは困ったように笑う。


その少し離れた場所では。


アルヴィンが近くの受付嬢へ声を掛けていた。


「すみません。」


「ちょっと診てもらえますか。」


受付嬢が首を傾げる。


「どこを怪我されたんですか?」


アルヴィンは真顔で答えた。


「耳が。」


「よく聞こえないんです……。」


近くで聞いていた職人が、すぐに言った。


「ガレスの大声だろ。」


魔族も腕を組みながら頷く。


「間違いない。」


「あれは耳に悪い。」


「千年ぶりに鼓膜が痛くなった。」


「ぶはははは!」


ギルド中が、また大笑いに包まれる。


その笑い声の向こうから。


「おーい!」


「誰か飯ぃぃぃ!!」


医務室の方から、ガレスの大声が響いた。


アルヴィンは耳を押さえながら顔をしかめる。


「……ほら。」


「やっぱりだ。」


さらに大きな笑い声が、ギルドいっぱいに響き渡った。

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