表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公はいつになっても冒険者ランクを上げない  作者: Patriot
邪神:二十七歳〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
121/131

再会

エルドニア公国。


豊富な資源を有し、美しい自然に囲まれた国。


交易と観光によって栄え、多くの旅人が行き交う活気ある国だった。


荷馬車が街道の入口で止まる。


ガレスは荷台から飛び降りると、商人へ勢いよく振り返った。


「ありがとう!!!」


両手をぶんぶんと振る。


「恩に着る!!!」


その大声が山々へ木霊する。


バサバサバサッ!!


森から鳥たちが一斉に飛び立った。


ガサガサガサッ!!


獣たちは悲鳴を上げるように森の奥へ逃げていく。


街道を歩いていた人々は一斉に耳を塞いだ。


「うるさっ!」


「なんだあいつ!?」


「鼓膜破れるかと思った!」


皆の視線が、一斉にガレスへ集まる。


商人は頭を抱えながら苦笑した。


「旦那ぁ……。」


「最後まで元気でさぁ……。」


ガレスだけは満面の笑みで、大きく手を振り続けていた。


その大声を聞きつけて、一人の女性が街の奥から駆け出してきた。


「ガレス!」


その後ろからは、大剣を背負った熊のような体格の男も全力で走ってくる。


「ガレスよね!?」


ガレスはその声に振り返った。


そして、ふっと表情が和らぐ。


「ああ……。」


懐かしさが込み上げる。


少しだけ目を潤ませながら、大きく笑った。


「エレナ!!」


駆け寄ってきたのは、勇者エレナだった。


その後ろでは、戦士グラムが肩を震わせている。


「お、男なら!」


胸を張る。


「再会に涙などいらぬ!」


ガレスを指差す。


「ガレス、お前なに目を潤ませている!」


ゴツン。


オズワルドの杖が、いつものようにグラムの頭へ落ちた。


「痛っ!」


オズワルドは肩で息をしながら呆れたように言う。


「お主も、大概じゃろうて。」


「さっきから誰よりも必死に走っとったくせに。」


その少し後ろから、セシリアがようやく追いついてきた。


肩で息をしながら頬を膨らませる。


「もうっ。」


「皆さん、置いていかないでくださいよ。」


その言葉に、一同は顔を見合わせる。


そして。


「はははは!」


再会を喜ぶ笑い声が、エルドニア公国の青空へ響いた。


周囲はいつの間にか人だかりになっていた。


「あの赤髪……。」


一人の冒険者が目を見開く。


「Sランクのガレスか?」


隣の男が苦笑する。


「ああ、間違いない。」


耳を押さえながら頷く。


「あの馬鹿みたいな大声、忘れるもんか。」


別の者が勇者一行へ目を向ける。


「それに、勇者様たちだよな?」


「知り合いなのか?」


「どういう組み合わせだ?」


ざわざわと人が集まり始める。


オズワルドはその様子を一瞥し、小さくため息をついた。


「……場所を変えんか?」


ガレスは元気よく頷く。


「おう!」


その一言で、再び周囲の人々が耳を塞いだ。

お読みいただきありがとうございました!「続きが気になる」「面白い」と思っていただけましたら、画面下の「ブックマーク登録」や「★(評価)」で応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ