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主人公はいつになっても冒険者ランクを上げない  作者: Patriot
戦後:二十歳〜二十七歳

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いつもと違うギルド

翌朝。


いつものようにヒロはギルドへ向かった。


カラン。


扉を開ける。


その瞬間、違和感を覚えた。


(……静かだ。)


いつもなら朝から笑い声や怒鳴り声が飛び交っている。


依頼書を奪い合う冒険者。


受付で揉める新人。


そんな賑やかな空気が、今日はなかった。


静かすぎる。


ヒロが中へ入ると、冒険者たちが一斉に顔を上げる。


「……。」


誰もが何か言いたそうに口を開く。


しかし。


結局、誰一人として声を掛けられなかった。


ヒロはその空気を不思議そうに見回す。


「……?」


やがて視線は、いつもの席を探す。


ガレスは――


いた。


テーブルには座らず、少し離れた場所からこちらを見ている。


目が合う。


ガレスは何も言わない。


ただ、手招きをした。


そして、そのまま医務室の方へ歩き始める。


「なんだ?」


ヒロは首を傾げながら、その後を追って歩き出した。


ギルド中の視線が、静かに二人の背中を見送っていた。

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