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いつもと違うギルド
翌朝。
いつものようにヒロはギルドへ向かった。
カラン。
扉を開ける。
その瞬間、違和感を覚えた。
(……静かだ。)
いつもなら朝から笑い声や怒鳴り声が飛び交っている。
依頼書を奪い合う冒険者。
受付で揉める新人。
そんな賑やかな空気が、今日はなかった。
静かすぎる。
ヒロが中へ入ると、冒険者たちが一斉に顔を上げる。
「……。」
誰もが何か言いたそうに口を開く。
しかし。
結局、誰一人として声を掛けられなかった。
ヒロはその空気を不思議そうに見回す。
「……?」
やがて視線は、いつもの席を探す。
ガレスは――
いた。
テーブルには座らず、少し離れた場所からこちらを見ている。
目が合う。
ガレスは何も言わない。
ただ、手招きをした。
そして、そのまま医務室の方へ歩き始める。
「なんだ?」
ヒロは首を傾げながら、その後を追って歩き出した。
ギルド中の視線が、静かに二人の背中を見送っていた。




