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主人公はいつになっても冒険者ランクを上げない  作者: Patriot
戦後:二十歳〜二十七歳

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別れ

一ヶ月後。


ついに、聖剣が完成した。


勇者一行は再び旅立つ日を迎える。


王都の門前には、多くの人々が集まっていた。


冒険者。


職人。


街の人々。


皆が勇者一行を見送りに来ていた。


エレナはガレスの前まで歩み寄る。


聖剣を肩へ担ぎ、不敵に笑った。


「ガレス!」


「次に会う時は、勝ち越しさせてもらうからね!」


この一か月。


毎日のように繰り返された模擬戦。


結果は――


十五勝十五敗。


結局、引き分けだった。


ガレスは満面の笑みで頷く。


「おう!」


その横で。


グラムは背中を向けたまま肩を震わせていた。


「男の別れに……涙はいらん!」


鼻をすすりながら叫ぶ。


ゴツン。


オズワルドの杖が容赦なく頭へ落ちる。


「見苦しいわ。」


「いてぇ!」


そのやり取りに、周囲から笑いが漏れた。


セシリアはくすりと笑って辺りを見回す。


「そういえば。」


「ヒロさんと、工房の皆さんは?」


ガレスも辺りを見渡す。


「ああ。」


「あのおっさんたちは、『見送りなんて湿っぽいことはしねぇ』ってさ。」


そして、遠くを指差した。


「あと、ヒロはあそこ。」


皆がその先を見る。


少し離れた場所。


ヒロとアンネローゼが並んで立っていた。


ヒロは面倒くさそうに片手を上げる。


それだけだった。


エレナは思わず笑う。


腰の聖剣を静かに抜いた。


朝日に照らされ、美しく輝く刃。


そのまま天へ高く掲げる。


「ヒロー!!」


満面の笑みで叫ぶ。


「ありがとう!!」


その声は、王都中に響き渡った。

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