参上
黒子たちに連れられ、いきなり服を脱がされる。
なにが起きているのかわからずに、ただ時間が過ぎていった。何もかもが済んだのか、黒子たちに連れられ、いた部屋へ戻るが、そこには先程とは違う光景が待っていた。
突如として始まったなにか。
今自分に、何が起こっているのか分からない。
黒子たちに囲まれ、服をひっぺがされ、顔をいじられる。
あれよあれよと、考える時間もなく、ただされるがままにされるしかなかった。
ようやく終わったかと思えば真っ暗で、何も見えない。そして誰かに手を引かれる。おそらくあの黒子たちだろう。
そんな中、光はある違和感を覚えていた。なんだか妙に歩きづらく、首元もこそばゆい。
(……?なんか、スースーするんだけど……)
覚えたことのない妙な感覚に襲われながら、目的の場所に着いたのか、歩みは止まり、手を離される。
「では、開けますのでそのまま真っ直ぐ歩いて行ってください」
そう言われて、舞台裏の幕のようなものが上がり、言われた通り前へ歩く。
そこは光が連行される前にいた部屋で、先程とは違い、長机と共に並べてあった椅子には、晶子や爆大、大隊長である藤子島までもが着席していた。他にも隊員と思われる者が何人か見られ、腰掛けていた。
「おぉ〜」
という声が皆から上がる。何がそんな反応をさせるのか光にはわからなかった。
そして次に光の目に入ったのは、やけに動きにくいという自分だ。
「!」
光はギョッとしながら、自分の服装に目を向ける。
「な、な……」
途切れ途切れに漏れる言葉。それもそうだろう。
光は今、一生着ることなどないような服装をしている。
桜色の可愛らしい色に包まれ、フリフリのボリュームあるスカートに、首元には大きなリボン。靴までも可愛らしいものに変わっている。そして、妙にくすぐったい首元の正体……それは、ウィッグだ。鎖骨あたりまで伸びた髪はウェーブのようにうねり、光の頭を覆っていた。
(なんだ……これ……)
なぜ自分がこんな格好をしているのか。そしてそれを見ている晶子たちもまた。なぜ驚きもないのか。
(ていうか、この格好……まるで——)
そう、まるで——
と、そこでまた黒子と思われる声がその考えを遮る。
「お次の方、通ります」
そうして、また幕が上がる。そこから、またもう一人が、コツンという靴音を立てて歩いてきた。
紅葉のように赤い。光とほぼ同じような衣装だが、短い光とは違い、膝下まで伸びたブーツ。そしてウィッグと思われる長い髪は一つに束ねられ、可愛らしいポニーテールが完成している。
そしてなぜだかフルーツのようないい香りもする。
そしてそれが、なんとなく誰だかわかった瞬間——
「悪のハートにどっかんスパイラル!」
くるりとその場で回り、右手に持った謎のステッキを振る。
「魔法少女、見参!」
キリッとポーズを決める。
「わたしの特大爆弾でどっかんしてあげる♡」
最後の決め台詞と言わんばかりの言葉を発すると、ウインクを決める。
そう、光がしている格好……それはまるで——魔法少女だ。
少しずつ頑張っていきます。早めに切り上げられるように急ぎます!次もよろしくお願いします!




