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49番目の後継者  作者: ペンギンMAX
第三章 新たなる旅、ザルツ王国
33/41

第三十三話 家を買ったら誰か来た

 商人との交渉の末、幾つかの物件を紹介してもらう。

 ガイグンにおける家の相場は、約50金貨(5,000万円)前後。

 平民の買える家ではこの辺が妥当らしい。

 思ったよりも安かった。

 だってシルビアで60金貨だったんだもん・・・


 貴族の場合には、もっと高額な物件があり、150金貨を超える物が売り買いされているらしい。

 だが、平民では王都に近い高級住宅なぞに住める訳も無いので、50金貨前後で十分なのだ。



「では、ご希望にあう物件を見ていただき、気に入って頂けたら契約のお話に致しましょう。」



 商人はそう言うと、俺達を伴って物件巡りに連れ出す。

 シルビアを先頭に、イシュタル・リリィ・俺と続く。

 主なのに役に立たずな感は否めないが、郷に入れば郷に従えと言う。

 ここは亜人である3人に任せていこう。

 

 結構歩いたのではないだろうか?

 ガイグンは、人族の支配する城塞都市を呈してはいない。

 むしろヨーロッパや日本同様に、城を中心として城下町が広がり、各要所には砦が設置されている。

 城の中心付近は家々が建ち並び、商家を中心とした街並みとなっている。

 そこから離れると、一定間隔で村のような集落があり、農村風景が広がる。

 俺達は、城下町から少し離れた丘の上に立つ一軒家へと到着した。 


 

「此方で御座います。」



 商人に言われて改めて一軒屋を見る。

 外見は2階建ての洋館といった感じか。

 屋敷の敷地から玄関までの通路にはガーゴイルの置物が、左に3体・右に3体と対になって鎮座している。

 これは屋敷を守る、侵入者防止の門番として機能するらしい。

 屋敷の主が魔結晶を嵌め込み、額にある宝石に魔力を込めると機能するのだそうだ。

 屋敷の周りは、随分放置されていたのか外壁には蔦が茂り、玄関前の庭も草がボーボーに生えている。

 お化け屋敷に見えなくも無い。

  


「ん~~~思ったより古い感じかも。」


「そうですね、イシュタル。古そうです・・・兎に角中を見てみましょうか?」


「そうね、シルビア。リリィも気になった事があったら気兼ねなく言うのよ。」


「・・・ん・・・イシュ姉・・・」



 女性陣は、屋敷の外見には不満のようだ。

 中を見て、この物件が良いかどうかの最終判断をするようだ。


 中に入るとエントランスホールがあり、正面壁際には左右に伸びる緩やかなカーブを描く階段が印象的だ。

 エントランスの天井にはシャンデリアが有り、天井の一部が水晶によるガラス窓となっている。

 昼は窓から差し込む光でエントランスを照らし、夜はシャンデリアが光ってエントランスを明るくする仕組みになっている。

 エントランスから左手がキッチンとダイニング、右側が洗面所に浴室がある。

 更に左右その奥には、幾つかの部屋が有り、魔結晶機関室や応接間、執務室に図書室、果ては使用人部屋に貯蔵倉庫など至れり尽くせりだ。

 もちろん地下室が有り、リリィの望みも叶うという事。

 2階部分は居住者の個室が6部屋と、客間が4部屋の計10部屋が有り、最後に洗面所がある。

 館には離れがあって、そこは40畳程度の空間があり、館と廊下を繋いで行き来できるようになっている。

 申し分ないと俺は思うのだが・・・

 と言うか、異世界で無かったら、こんな屋敷を買える訳が無いので、住んで見たいと実はミーハーになっている。


 後は女性陣が此処をどう判断するかだが・・・

 シルビア達3人は、真剣に物件を値踏みしている。

 買い物をする女性に声を掛けられない様に、今も声が掛け難い・・・真剣すぎて怖い。


 イシュタルはキッチンと台所を行ったり来たりしている。

 風呂にも足を運び、湯船を連想してか、そこで蹲って何やら艶かしいポーズをして居る。

 それは何の儀式ですかいな?


 シルビアは床・壁・ドア等を入念にチェックして痛みを調べているようだ。

 部屋の間取りや中の広さに応じて、家具の配置や大きさをブツブツ言っている。

 流石は真面目なシルビア。

 任せていれば問題無さそうだ。


 リリィは・・・

 地下室に行ったっきり帰って来ない。

 たぶんお目当ての地下室で妄想を炸裂しているのだろう。

 うん・・・放って置いてあげよう。

 

 随分と時間を掛けて、中の様子を吟味した女性陣は、満足げにエントランスに集まる。

 最終判断が決したようだ。



「キッチンは使い勝手も良く、備品を入れれば申し分ないわ。お風呂は広いし作りも素敵よ。でもどっちもかなり手を入れないといけないかもね。改修を前提でなら、私は買っても良いと思うわよトシヤ。」


「建物の基礎はしっかりしていて問題ありません。ですが、ドアや窓枠などの取り付け品は全て取り替えでしょうね。外壁に関しても一度再施工しないといけないでしょう。離れも同様です。私も買うのは賛成ですが、ただイシュタルと同じく改修前提です。トシヤ様。」


「・・・地下室・・・良い・・・」



 リリィは置いといても、皆一様に買う事には反対しないようだ。

 改修前提ではあるみたいだけど。

 ここは商人と、改修を含めた話し合いをしないといけなさそうだ。

 俺は、改修を含んだこの物件の事を相談する。

 


「改修次第ではこの物件でいいと思う。希望通りの改修をするとして、幾らになる?それと住めるまでには幾日掛かりそうだ?」


「はい、屋敷のお値段は40金貨にてご提供いたします。ご希望の改修に関してはお見積もりが定かではないので正確にはお答えしかねますが、10~20金貨以内かと存じます。改修期間は約1ヶ月程度かと思います。」


 それ位なら許容範囲だろう。

 改修点の説明を終え、屋敷の手付金として25金貨払い契約を済ます。

 残金は屋敷の引き取り時に支払う形で了承する。

 引き取りは1ヵ月後、それまで俺達は宿に宿泊しながら再度資金稼ぎをしようと思う。

 

 人生最大の買い物と言われる家の購入を済ました俺。

 こんな経験を17歳でするなんてまったく異世界は最高だぜ!

 意気揚々と宿に戻り、1月後を楽しみに今日はハッスルする。

 イシュタルには申し訳ない事をした・・・


 翌日からは、再度迷宮に挑む。

 ここから1ヶ月の間に、降りれる階層を増やして行こう。

 今度は俺も前面に出て初のPTプレイと行こうじゃないか~

 テンションの上がっている俺は迷宮へと入っていくのだっった。


 イシュタル達のLvも60を超え出している。

 60層の敵は比較的余裕もあるので俺を含めたPT構成を考え70層に向かった。

 70層の敵はこれまでと同じモンスターで、Lvが上がっている程度、余裕だろう。


 ミスリルゴーレムとアークロード、そしてグレーターデーモンと遭遇する。

 初見のグレーターデーモンは俺が引き受け、残りを3人で対処してもらう。

 


「こいつは俺が相手する、アークロードをシルビア、ミスリルゴーレムはイシュタルが牽制してリリィが魔法で止めを。」


「「「「はい。」」」

 


 こう言う時は素直なんだよな・・・

 いかん、こんな事を考えている場合じゃないや。

 気を引き締めてグレーターデーモンに向かう。

 3人の様子を見ながらバスターソードを抜き、グレーターデーモンから繰り出されるパンチを薙ぎ払う。

 腕を失い猛り狂うグレーターデーモンは魔法詠唱をし出したので、すかさず懐に飛び込み首を撥ねる。

 シルビアはアークロードの攻撃を2刀を上手く屈指して攻撃している。

 まだ手数はいりそうだが、非常に安定した対処だ。

 アークロードの魔法に対しては、一旦引いてイシュタルの防御魔法に任せるなど、連携も取れている。

 グレーターデーモンを倒した俺は、シルビアと共闘に入り直ぐにアークロードを倒す。


 ミスリルゴーレムの方も片が着きそうだ。

 イシュタルの防護障壁に守られ、魔法詠唱に集中できたリリィは、単体風魔法『エアソニック』で一気に刻む。


 物理攻撃には滅法強いゴーレム系も魔法は例外なのか効き易い。

 リリィの風魔法を浴び、体を軋ませて崩れていく。

 


「お疲れさん」


「なんとかね~トシヤもおつかれ♪」


「・・・ん・・・」



 ドロップした鉱石と魔結晶などを拾い、装備の確認と体調を整え迷宮を進む。

 戦闘は比較的時間は掛かるが順調だ。

 やはり武具が良いと安心感と言うか、安定感が違う。

 ルビさん・・・マジ感謝です。


 リリィだけまだ装備が、ミスリルの杖と魔法のローブだったりするのだが。

 一応上級装備とはいえ俺達には及ばない。

 どこかでまたガニッシュに依頼するかな~と考えている。


 程なくして夕方になり、迷宮を後にする。

 商館で換金して、飯食って~~

 変らない毎日に少し満足していた。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 約束の日が来た。

 1カ月と少しすると朝方、宿に商人が尋ねてきた。


 

「お屋敷の準備が整いました、引渡しを行いたいのですが宜しいでしょうか?」


「わかった、伺おう。」



 ヒャッホーー

 待ちに待った拠点だよ、拠点。

 顔を引き締めようとしても口元がニヤつく。

 イシュタル達も嬉しそうで、早速契約をして屋敷に向かった。


 何ということでしょう~

 あんなに蔦が生え、草木が多い茂っていた外見が生まれ変わり立派な洋館を際立たせています。

 中に入ると美しいシャンデリアが輝き、壁は白く生まれ変わっています。

 キッチンには最新の厨房が・・・巧みの技が此処にも生きています。


 などと懐かしきフレーズが頭に浮かんでくる。

 屋敷を隈なく見て歩き満足して居間に行く。


 改修と同時に、ある程度の家具は商人に依頼して搬入済みだ。

 キッチンの設備も居間の家具も応接室のセットも、屋敷に合った調度品として見栄えが良いものを択んでくれている。

 実にいい空間だ。


 各人の個室には、それぞれが望んだ趣向の家具が入れてある。

 ベット・ソファー・椅子・テーブル・洋服ダンスなどだ。

 姿見や化粧台もそれぞれある。


 残っている7部屋には簡易ベットが置かれ、急な来客にも対応できる。

 後は・・・ここの管理者だな~

 執事かメイドが居ないと広すぎて、掃除が大変そうだ。



「トシヤ!今絶対メイドがいいな~~なんて思ってないでしょうね!!」



 ひぃーーーーーー

 イシュタルに考えを読まれて俺はたじろぐ。

 何で解ったんだ・・・



「ふふ♪ト・シ・ヤの事は何でも解るもの♪」



 天使の頃持っていた読唇術がまだあるのか???



「違うわよ!好きな相手の思考ぐらい考え付くだけよ。」



 そう言って顔を赤くしているイシュタルは、ちょっと嬉しそうだ。

 でも、此処を管理していくのは、実際にしんどいんじゃ無いだろうか??



「イシュタル、確かにトシヤ様に、女性を近づけたくはありませんが使用人は必要かも。」


「・・・っぐ・・・解ってるわよ。宿と違って人任せに出来ないからね。」


「迷宮に篭った後、帰ってからの食事の準備や、風呂の用意なんかも、かなり大変かもね~シルビアは雇うならメイドで良いの?」


「執事も良いのですが、女性の多い我が家はメイドの方が何かと融通が利くと思うのですよイシュタル。」



 俺の意向は何処へやら、イシュタルトシルビアが主に決め始める。

 もういいや~まかせちゃうか・・・

 メイドとイチャコラしながら『ご主人様~~~♪』などと呼ばれて見たかったが諦めよう。

 2人が怖い。

 怖いんですよ!!怒らせたくないんだ・・・ッフ。



「じゃあ今から必要な物を買いに行くついでに、メイドの募集も商館でお願いするしかないわね。」


「ええ、面接は私達が行い、2名ほど雇いましょう。トシヤ様それで宜しいですか?」


「え?いんじゃね。」


「給金は相場より上にします。その代わりに優秀な人材を雇う方が私達には良いと思うのですが。」


「あ~お金の心配か、まあ稼ぎもあるし何とかなるんじゃないかな?」


「ではそう致します。私は商館で募集を、トシヤ様はイシュタルとリリィに付き添って買物をお願いしてもよろしいでしょうか?」


「いいよ、任せて。」



 シルビアはザルツに来てからしっかり物になってきたな~

 元々良家のお嬢様だったようだし、その辺が上手く作用し始めたのかな?

 頼れる片腕のようになってきて、俺は嬉しくなっていた。



「では、参りましょう。」



 王都に戻り、必要な物を買い、募集を済ませて屋敷に帰る。

 屋敷に戻ると、俺は必要な場所に必要な物を巾着から出して置いていく。

 初日は最低限度の備品が揃い、キッチンではイシュタルが料理を風呂はシルビアが入れてくれる。

 今日から此処が俺の城だ!

 何も気にせず、堂々と寛げる事に安堵して、夜を迎える。

 久々に3人で過ごすベットは、激しかった。

 イシュタルもシルビアも抑えていたのか、求める求める。

 素晴らしい夜だった。


 イシュタル達は、連日買い物と面接をこなしている。

 その間、俺は迷宮へ1人で行っている。

 何故かって?

 そりゃ屋敷の管理が出来ない今は、イシュタル達は新居の準備に余念が無いし~

 特にメイドの面接には、俺を混ぜてくれない。

 俺が決めてしまうと雇わざる終えないし、何より俺好みの女性を決めさせたくないのだろう。

 俺はそんなに色魔みたいだろうか?


 イシュタル達の牽制に苦笑しながら、目の前の敵を殲滅する。

 


「ギガブレス!」



 一発で全部蒸発~~~♪

 迷宮80層に来ても1人で十分だ。

 90層から奥は魔族も居るようなので、余り行きたくない。

 だってあいつらに関わりたくないんだもん。


 サクサクと倒してはドロップ品を詰め込み、また倒す。

 繰り返す作業に欠伸をしながら突き進む。


 随分と拾ったので迷宮を後にして商館で換金。

 屋敷に戻ると、シルビアが飛んで来て、報告をしてくれる。



「やっと決まりました♪」


「なにが?」


「っも~メイドですよ使用人。今から紹介しますからトシヤ様も主として毅然としてくださいね。」


「おお!決めたのか、じゃあ挨拶だね。」



 俺はシルビアから、雇ったと言うメイドと面通しする事となった。

 シルビアに応接室で待機する様言われ、ソファーに腰掛けて待つ。

 暫くすると、ドアがノックされシルビアに案内されて2名のメイドさんが入ってきた。



「こちらが雇ったメイドです。さ、自己紹介してくださいね。」


「始めまして、旦那様。私しアデーレと申します。どうかよろしくお願いいたします。」


「始めまして、旦那様。私しノーラと申します。以後よろしくお願いいたします。」


「・・・ご主人様じゃないの?・・・」


「「「!?」」」」


「トシヤ様!それは駄目です!!」


「なんで?!」


「なんでもです!トシヤ様には旦那様で通してもらいます!」



 ええええ~~~~~

 メイドの『ご主人様』は絶対じゃん!

 それが無いのはメイドじゃないお~~~~

 俺が落胆していると、シルビアが側に来て耳元で囁く。



「ご主人様って呼ばれると、トシヤ様は絶対メイドに手を出すから駄目だって、イシュタルが言ってました。」



 犯人はお前か!!!!

 いや・・・その通りかもしれないんですけどね・・・

 イシュタルの慧眼にはホトホト恐れ入る。

 諦めて旦那様を了承して、メイドを改めて見る。


 アデーレは背が高くきつめの印象だ。

 キャリアウーマンって言えばいいかな?出来る女って感じだ。

 顔は、綺麗なのかな?たぶん整っている。

 だが、俺の美的感覚はイシュタル達に毒されているのか、彼女達には及ばないと思ってしまう。

 そして・・・胸が無い・・・あるけど無い・・・


 ノーラは眼鏡!

 眼鏡キタコレ!!!

 そうすれば必ず爆乳は必修条件~~~~・・・・・

 無いのかよ!!

 ノーラも胸は控えめだ。

 雰囲気は眼鏡っ子の定番でホンワカした優しい感じだ。

 背は160cm位でふっくらしている。

 だが、無い・・・無いんだ・・・


 両名ともメイドとしては優秀なんだろうが、俺の欲しいものがそこには無かった。

 上手い事雇ったな・・・

 俺が胸の無い事、ご主人様と呼ばれない事をしょげていると、耳元に甘い声が囁かれる。



「トシヤ様、そうしょげないで。私がメイド服着てご奉仕しますから・・・っね♪」


 

 振り向くと少し照れ臭そうに笑顔を向けるシルビアは可愛かった。

 くっそーーー

 シルビアあざとい!!

 マジ君なら俺の欲望を満たしてくれるわ!

 

 俺は気を持ち直し、アデーレとノーラに挨拶をする。

 それぞれ今から屋敷の用事をするそうだ。

 暫くはここで俺達が居る状態で仕事をこなし、必要な物を揃えるという。

 主の居る屋敷を自分達でどうするかをまずは見たいそうだ。


 この日から俺は暇人になってしまった。

 朝、アデーレのノックで目を覚まし、身支度を整える。

 もちろん部屋にはイシュタルトシルビアが居るので、ノックと共に各自部屋に戻っていく。

 身支度後、朝食の為ダイニングに行く。


 食事はノーラが担当して、イシュタルも一緒にする。

 俺の舌に合う様、イシュタルが指導しているようだ。


 朝食後は屋敷の掃除や衣服の洗濯など、様々な雑務をアデーレが主になって行っているようで、その間俺はリリィと将棋に勤しむ。


 イシュタル達はアデーレ達と色々相談して忙しそうだ。

 昼食が始まり、また暇になり夕食をして・・・

 ヒモ生活と言うかニート万歳と言うか。

 ここまで暇だと結構キツイものがあった。


 何日かすると、もうある程度仕事のめどが付いたのか、シルビアが『明日からはお好きに出来ますよ』っと言ってくれた。

 

 という訳で、暇人生活も今日が最後、昼食後のんびりと自室で本を読んでいる。

 此処数日の暇さ加減に飽きて、王都で本を買っておいたのだ。

 大した物ではないが、暇を潰すには十分だ。


 ゆっくりとした時間を過ごしていると、ノックが聞こえる。



「旦那様アデーレです。今よろしいでしょうか?」


「ん、いいよ。何?」


「旦那様をお尋ねする方が起こしなのですが・・・」


「え?俺に。」



 誰だろう?俺を知っている人物など居無いはずだが。



「あと、イシュタル様とシルビア様が・・・その・・・来ていただけますでしょうか。」



 何やら困った状況なのかもしれない。

 本を閉じ、アデーレに案内されて応接室に行く。

 今日まで平穏だったのに、また厄介事なのだろうか。


 応接室に入ると、そこは険悪な雰囲気が漂うえもいわれぬ空間。

 何処よ此処!俺の家じゃないの!?

 俺に向けられる一同の目。



「ト~~~シ~~~ヤ!誰よコイツ!]


「・・・まさかこんな女性が来るとは・・・私も以外です。」


「・・・トシヤ・・・H・・・」



 3者の言葉は寝耳に水。

 俺が驚いていると、尋ねて来たであろう人物が悲しみと落胆の顔をして立ち上がった。



「まさか・・・そんな・・・本当だったのか・・・」



 立ち竦む人物は、ダークエルフ。

 俺は、ダークエルフと向き合って彼女の言葉を聞いていた。

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