第三十話 冒険と仲間
もうそろそろ全話見直して、章?をつけたいな。
でも章できなくて・・・仕方がわからず今に至っております。
10/15 再更新
睨み付けながら、俺は必死に思考を巡らせる。
リリィと将棋をしていて思いついた事だったが、本当に、行動ではなく思考が倍増するスキルを望むべきだったと思い知る。
くっそーいい加減自分の頭の回転の弱さに腹が立つ。
っち、こういった時はルビさん何て言ってたのかな?
『トシ坊、戦いの中では、常に闘志を燃やしながらも冷静に頭を働かすんじゃぞ』
そうだ、思い出した・・・冷静になるんだった・・・な。
黒竜という外見の怖さからは信じられない、自愛に満ちたアノ目を思い出す。
思い出せばまだ少し胸が痛む。
いかんいかん、冷静になれるよう思考を働かせろ!
俺は、出来るだけ自分を落ち着けるようにゆっくり息を吐いて、考えだす。
しかし、この状況でどうやって冷静になれるよう考えるか・・・
と、っとにかく何か考えよう。
ルビさんの言葉を思い出し、目の前に居るダーラム達を見る。
そういや、こいつらどっかで見たような~~~~
ん~~~
ん~~~~~
あ、思い出したわ、この世界に来る前に、興味があって見たアニメのキャラがこんなんだった。
確か~リメイクされたタ○ボカンなるものに、居たなこんなの
ダーラムを女性にすれば完璧だなこれ。
さっきのダーラムの台詞も『やっておしまい!』って聞こえなくも無い。
ギリアムは細身だからボヤッ○ーとして・・・
後ろの化け物がト○ズラーか?
ブ・・・ブフッフ・・・い・・いかん・・
ブ。
プッププププ・・・ブッフ
冷静になろうと思考した挙句、見知ったアニメのキャラに置き換えてみたら、冷静になる所か笑いがこみ上げてきた。
俺の変化に怪訝そうにするダーラム達。
そんな姿も、主人公の機転に戸惑う3人組と重なり、更に俺はおかしくなる。
で、こいつらは主人公に追い返されて、確か~髑髏?の首魁に目から光線を浴びてビビッてたような??
・・・・
・・・・・
・・・・・・
!?目から光線!!
そうだ、そうだよ!!
目から光線だ!!
だが・・・効くのか男に・・・
いや、効かずとも試す価値はある。
もし効かなくても俺の目が変化するだけだから、気付いても直ぐには向こうも行動はしないだろう。
効けば少なくとも、俺の方に興味を削がれるし、上手くいけば言う事を聞く可能性もある。
ま~・・・イシュタルのように聞く耳持たずに突っ込んでくるかもしれないが・・・
う・・・ちょっと嫌だな・・・
後ろの気配を探ると、シルビアの呻き声が切羽詰っている。
「・・・トシ・・ヤ様!死んで・・死なないで!!」
幻覚に支配されているシルビアは、完全に俺が死んだと思い込みそうだ。
このままでは拙い、時間が無さそうだ。
迷っていても埒は開かない!今は試すときだ!
俺は自分的には封印していた?と思う魅惑の魔眼を発動させる。
だって封印できないんだから使用しないと決めてただけだし。
そして意思を込めると、発する右目が金色に輝く。
「ほほー何かしでか・・・・・・・・・・・」
「なっなにを・・・・・・・・・・・・・・」
「ゴフ・・・ゴフ・・・・・・・・・・・・」
発動した魔眼を見た瞬間に俺を見詰めたまま、言葉を無くす3人。
ただ口を開け、ボーっとしているのだが、まだ何の反応も見せない。
でも、動きは止まった、効果はあるのだろう。
更に威力を増す為に右目に力を込める。
久しぶりの発動でか、少し右目が痛くて瞬きしそうになるが、それを堪えながら3人をそれぞれ見つめる。
すると、ダーラムから変化が現れたっと思った矢先。
「・・・・わ・・わが愛しき人よ!!!!!!おおおおお!!今まさに我至福の時!!さあさあさささああああああ!!我が愛を受け入れ、いざ倒錯の世界へ!!!」
ちょ、っちょおおおおお!!
効き過ぎたのか、男だからこうなのか?!
いやいや、それよりも倒錯の世界ってぇえ!!
嫌だよ嫌だ!!そんな世界知りたく無い!!
俺が引きながら、ダーラムの言葉に困惑していると、ギリアムまで叫び出した。
「ダーラム様!抜け駆けは許しませぬ!!ぅうううう!トシヤ様には私と一緒に紅茶風呂にて、共に身体を清めながらイチャイチャするのが一番良いのですから、此処はお下がりくだされ!!!!」
ってお前もか!!
つか紅茶風呂って臭うわ!砂糖でベトベトだろう!!
何処から来るんだそんな趣味わ!!
ダーラムとギブリオは、俺の方へ厭らしい目をしてにじり寄ってくる。
その目は俺の体を嘗め回すようにして、最後に下半身に集中してくる。
横に居る化け物は、奇妙な事に体を震わせながら硬直していた。
それだけでもマシだった・・・が・・・男の視線が気持ち悪い!
いや・・・これが女性が感じる視線と同じなのか??
ってかそんなことよりも男から貞操の危機を感じるとは・・・っく。
あああ、早まったか魔眼は!!
あああ・・・寄るな~~~寄ってくるなよおぅぅうう!!
想像していた事態とのギャップ。
更に貞操の危機に怯んだ俺は、助けを求めて後ろを振り返る。
もちろん、左目だけで後ろを見るようにして、だ。
そうしないと、女性陣までもがこの訳の解らない空間に参戦してきてしまうだろうから。
シルビアを介抱していたイシュタルは、俺の方を見て、微笑んでいた。
うん・・・微笑んではいるが目は三白眼で口は真一文字。
なのに、ちゃーーんと笑い声が聞こえてましたよ。
「ホホホホーッホホホホホホホホホホホホ3ホホホホホホホホホホホホホホホホホ」
こえ~よマジこえー・・・
そんな背筋も凍る笑い声の横で、リリィは事態の急変に戸惑いながらも、隣の般若に脅えていた。
俺を見て汚物を見る目線になり、イシュタルを見て恐れおののきを繰り返している。
振り返っても、そこには般若しか居ない、前門の虎後門の狼とはまさに今でしょ!
助けを求めても無駄と言うか、事態が悪化しそうな状況に眩暈を覚えていたが、前門の虎は勢いが増していた。
「さあ!さ!我が愛を受け入れ共に地獄までシッポリと・・・ジュルリジュルリ。」
「そんな変態にかまわれず、私と日がな一日抱き合いましょうぞ!!」
「・・・・・・グギ・・・ガ・・・」
あああ、あああああ!!!
い、嫌だ!!
でもここで嫌悪に任せて、こいつらを倒しては意味が無い。
と・・・とにかく魔眼は効いたんだ、言う事を聞くか、た・・・試さないと。
あ!それしたら更に後ろは魔境になるんじゃね?
・・・・・ああああ!とにかく事態を進めないと!!
俺は怯む気持ちを抑え、鷹揚にしてダーラム達に命令して見た。
なぜ命令かって?そりゃあこれ以上近寄って欲しくないからだよ。
「と・・止まれ!それ以上近付いたら俺は・・お・・俺は!お前達の愛を認めないぞ!さあ止まれ!」
気色悪い・・・男に愛だなんて泣きそうだ・・・
しかし、それなりに愛という言葉が効いたのか、近寄る歩みは止まったようだ。
この隙に、更に命令を実行して見よう。
まずはシルビアの幻覚を解術しないと。
「ギリアム!シルビアの術を解け!」
「解けば、私の元へ来て頂けますか?」
「・・・え?・・・あ・・いやそれは・・・」
嫌に決まってるだろう!!
何言ってくれちゃってるのコイツは!
とにかく何とか誤魔化さないと。
「行くも何も、術を解かなければ話にならん!まずは術を解け!それからだ!」
「は!!愛しきトシヤ様!直ちに術を解き、そのお心に私の誠意を刻みましょう!!!」
言うや否や術を解くギブリオ。
めっちゃやる気満々じゃん・・・
解術が出来たかシルビアを見れば、何とか持ち直しているようだ。
「・・・ック・・・私はいったい・・・?ん?トシヤ様!!生きて生きて!!!・・・ってこの状況は??」
気を戻し、俺の心配をするシルビア。
本当に俺のこと大切にしてくれてるんだなっとしみじみ思う。
そんな俺の感傷を消すが如く、ギブリオは誇ったように喋り出す。
「さあ!解きましたよ!!私の元へ!!!一緒に紅茶風呂へ!!!う・・ウッホホ!!」
お前は猿か!ゴリラか!
悦に入ったギブリオは、してやったりとダーラムを見る。
ダーラムは悔しそうにギブリオを睨みつけている。
今度はダーラムだ、化け物の中に付いている人々を切り離せるか聞かなくては。
「ダーラム!化け物の中の人々を解放せよ!」
「っは!!・・・は・・・はぁ・・・」
ん??
俺が名指しにした時は気色ばみ喜んでいたのに、最後はは俯いてしまっている。
ギブリオは益々増長した顔で、ダーラムを見下していた。
もしかした、切り離せないのか?
「ダーラム!切り離せ!出来ないのか!!」
「・・・切り離せぬのですよ我が愛しき人よ・・・ですがご安心ください!!貴方のその激情を私めに向けて発散なさってください!!ってかして欲しいい!!さああ!!怒りのままに我を陵辱し迸る精気・・・・ぶほぉおぉおああああ・・・ウッホホホ~イ。」
あ、壊れたかも知れね・・・
どうやらリリィの母親は助けられないようだ。
嘘は言ってなさそうだし、ギブリオの勝ち誇る顔が物語っている、真実なのだろう。
シルビアは助けられたが、リリィは・・・
どうしたものかと後ろを振り返る。
「男に愛を囁く??ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ありえない、ホッホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ」
あ・・・・デジャブーが・・・
イシュタルの鬼気は迷宮の天井にまで届きそうに見える。
「・・・ハ・・・え?ぇ・?・・・トシヤ様に男色の範囲が増えた??え??・・・トシヤ様が陵辱される??私のトシヤ様が???・・・え?え?え?え?・・・あり?ありなの??・・・え?そんな???え?・・・何この胸のトキメキ??」
ちょおおお!!何処に行こうというのシルビアさん・・・
何勝手に属性付けちゃってるの・・・腐っちゃうよ??
「・・・切り・・・はなせ・・・ない・・・そん・・・な・・・」
あ、あああ。
おかしくなっている2人は他所に、リリィはやっぱショック受けてるよな。
どうするか、何か方法はないかもう一度聞いてみるか。
興奮で変に体をくねらせ地面で転がるダーラムを見ながら聞いて見る。
「ダーラム、本当に方法はないのか?」
「・・・フホ!ファァアオゥ・・!?・・コホン・・・無いのですよい愛しの君、試行錯誤の末細胞レベルで融合させ、外見的には人の肉を纏ってはおりますが、あれはもはや獣の肉です。唯一頭部は人のままですが、それも取り込まれた者が持つ怨嗟を、獣の強化に繋げる為の処置。おそらく獣の侵食に犯され、生前の記憶は無いでしょう。切り離したところで頭すらも元通りではなく、全て獣の一部にしかなりえません。」
どうやら、融合させられた時点で手遅れだったようだ。
リリィは絶望に打ちひしがれている。
イシュタルは笑い声を発しなくなり、シルビアも無言で俺を見つめている。
リリィには悪いが、2人が戻って来てちょっと安心・・・
俺は、前を向きなおし、悦に入っているダーラムを一閃する。
「・・・な!・・・が・・・しょんな~~・・・グフ」
最後まで三下だったが途中苦労させられたダーラムの最後を看取る。
俺の行動に、リリィは非難の視線を向けていた。
でも、俺は気にする素振りも見せず、ギリアムにせまる。
「流石はトシヤ様!!私目をお選びにな・・・・グギャ・・・」
返す刀でギリアムの首を撥ねる。
勢い良く飛び出す血飛沫に押され、遠くの壁まで首は飛んでいった。
ビクビクと動いていた残された体も、頭がなくなったことで力なく地面に付す。
最後は化け物だけだ。
相変わらずピクピクと痙攣するだけで動かない。
「・・・コロス・・・アイシテ・・・コロ・・・アイ・・・シテ。」
どうやら化け物の方は、殺害衝動と魅了されて浮かんだ俺への感情に戸惑い動けなかったようだ。
だが、何時また動き出すかわからない。
距離を詰め化け物の前に立ち、刀を振り上げる。
途端、リリィが俺を止めるように腰にしがみ付く。
「・・・ダメ・・・殺さない・・・で・・・かあさま・・」
俺は無言でリリィの頭を撫で、側まで来てくれたいたシルビアに声をかける。
「シルビア、ラスティの事はもういいよね。」
「はい、彼女を救ってくださいトシヤ様。」
シルビアの意思を確認して、今度はリリィに向かって屈み、目線を合わせる。
「・・・ごめんリリィ、俺なんもできなくて。」
そう言って、同じく側に来てくれていたイシュタルにリリィを突き放して抑えてもらう。
リリィはイシュタルの腕の中でもがいている。
イシュタルはリリィを抑えながら俺を心配そうに見ている。
「トシヤ、それでいいの?」
「うん、これしかないだろ?俺は大丈夫だよ。」
「でも・・・それじゃあトシヤが・・・」
尚も心配そうにするイシュタルに無理やり笑顔を向けて化け物に向かう。
化け物を見据え、再度刀を振り上げる。
イシュタルは、リリィの気持ちも解っているだろう、そして俺の苦痛も察しているのだろう・・・
だからこそ!
気を入れなおし、刀を振り切る!
「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!」
断末魔を上げて真っ二つになる化け物。
それでも片方ずつになってもそれぞれが今だ動いている。。
俺は追撃を決め、3人に下がるよう伝える。
リリィは既に諦めたかのようにイシュタルの腕の中で成すがままになっている。
うねうねとのた打ち回る2つに分かれた化け物の体を蹴り飛ばして纏める。
纏めた先に向かって、メガフレアを放つ。
放たれたメガフレアに、一瞬にして炭化し更に灰となってその場に崩れ落ちていく。
こうして俺は、全てに決着をつけた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あれから1週間が過ぎた。
あの後、迷宮を出てランドルフィ卿に事情を説明。
事情を聞き、暫くは迷宮内の確認探索を行うと共に、首都の再復興をする為、ランドルフィ卿は動き出した。
その時、ランドルフィ卿はリリィに一切何も触れなかった。
ランドルフィ卿と別れ、首都に戻り、リリィをミアリル夫人に託した。
一緒に居るのは辛いだろう、元居たところに送るのが一番マシだと思ったのだ。
邸宅にて、リリを預けて暇乞いをすると、夫人は血相を変えて引き止めてきたが、丁寧に断り出て行く。
引き止める夫人の制止を振り切った後、俺はまた、宿屋ル・ボルドに宿泊した。
ル・ボルドは一部被害があったものの、宿泊はさせてくれた、しかも4人部屋で・・・
ケチルさん相変わらずお節介がグッジョブです!
迷宮での出来事を忘れるように、その日は2人に溺れきった。
2人は俺の我侭を聞き入れてくれて、何時までも優しく付き合ってくれた。
そして今日、俺達はリリィに会いに来ている。
といっても、俺は部屋に入らずドア越しに待機している。
中では、イシュタルとシルビアが居て、リリィに俺達が来た目的を告げているだろう。
中で3人が話しこんで数刻が過ぎ、ドアが開いてイシュタルが顔を出す。
「トシヤ、中へ。」
どうやら、俺に会ってくれるようだ。
イシュタルに促され、中に入りリリィと向き合う。
リリィは窓際に立ち、俺に手でソファーに座るようジェスチャーした。
言われるままにソファーに腰掛けると、イシュタルとシルビアは静かに外に出て行く。
2人で話したいんだろうか?
俺は、複雑な表情で佇むリリィを見詰めていた。
「・・・月・・・きれいだった・・・ね・・・」
「ん・・・そうだったな。」
会話を始めると、リリィは俺の側に座ってきた。
そうして、何やら言いにくそうにモジモジしながらもこう言ってくれた。
「・・・冒険・・・いけるかな・・・」
その言葉はあの月夜の続きなのだろうか・・・・
イシュタル達が何をリリィと話したかは知らされてない。
後で教えてくれるんだろうか?
でも、今はリリィの言葉に素直に答えておこうと思う。
「冒険はいいぞ~苦労もあるけど、楽しいことも多い、特に仲間が居るとね。」
「・・・仲間・・・」
「そう、仲間。だから一緒に行こうかリリィ。」
俺は立ち上がり、リリィの手を差し伸べる。
差し伸べられた手に、リリィは手を重ねてくれた。
俺は、リリィの重ねられた手を握り、部屋を出る。
後は、リリィの為にすることを済ませよう、そして明日はこの国から出よう。
俺は外で待っていた2人を伴って、ある場所を目指す。
さあ、男の見せ所かな?
リリィを振り返ると、ちょっとだけ微笑んでくれている。
でも、まだあのゲームの時のような笑顔にはなっていない、だから何時かあの時のような笑顔にしてあげようと決意した。
書きたい事を優先して後ほど修正や見直しします。
気長に付き合ってやってください。




