第二十三話 会食とサロン
ふーやっと次でシルビアの話が書けそうです。
後、女性人の会話も次に入ります^^
10/15 再更新
き・・・気まずい!!!
修羅場から一転、今俺達は、ランドルフィ卿の館に出迎えられ、応接室にに居る。
あれから馬車の中でも、ランドルフィ卿邸宅に到着してからも、終始2人の静かなバトルが続いているのである。
「俊哉~あの絵、とても素敵よね~、一緒に居た時にこういった絵を飾ってても良かったわよね♪」
「ん・・うん、そ・・・そうだね・・・イシュタルさん・・・」
「本当~!俊哉もそう思う~?うふふふふ♪俊哉と私はやっぱり趣味も合うし、相性も良いのかしら♪」
俺の右側で、腕を組んでいるイシュタルさんは、満面の笑顔を向け、甘えたような上目使で見てくる。
組んだ腕は意識してか、彼女の胸の谷間を強調していて俺の目はどうしてもそこにいってしまう。
しかも俺の右肩に寄り添い業と胸を押し付けてくる。
あ・・・気持ちい・・・い・・・
柔らけ~~~夢見まで見た感触だな~~~
ゴホゴホ、イカンイカン照れてる場合じゃない。
イシュタルさんに鼻の下を伸ばしていると、今度は俺の左腕が引っ張られる。
左側に居るシルビアが、イシュタルさんに対抗して、俺の左肘を彼女の胸に包み込む。
俺の肘が、見知ったシルビアの胸に抱かれるとシルビアとの甘い夜を思い出し、下半身が非常に拙い状態になってくる。
グッハ!何時もながら柔らけ~~~
ああ、揉みて~~~~
「トシヤ様、緊張されてますか?もしそうであっても大丈夫です。私がトシヤ様をサポートいたしますから。」
「あ・・・え・・ありがとう・・シルビア・・・」
「いえ、トシヤ様は何も心配なさらないよう、全て私にお任せ下さればよいのです。何時ものように安心して下さい。お側でトシヤ様を支えますから♪」
「た・・・助かるよ・・・」
シルビア見て、ムズムズと照れていると、またもや右腕が引っ張られる。
イシュタルさんがちょっと拗ねた顔を見せる。
「も~トシヤったら私の顔を見て欲しいな~」
「う・・・うん。もちろん見るよ。」
「そう♪嬉しいわ。ところで俊哉?会食の作法はわかる?こっそり教えるから安心していればいいわよ♪」
「あ・・ああ、ありがとうイシュタルさん」
「それより俊哉!何時までも『さん』付けは嫌よ?『イシュタル』って呼び捨てでい・い・の・よ♪」
「い・・いや・・・それは・・なんというか・・・」
「ダメよ、呼び捨ててくれないと一緒に居ても他人行儀に感じるもの・・・だからお願い♪」
顔は笑っているのに、イシュタルさんの目が据わって来る・・・・コワイ。
それに・・・聞いてしまったんだ笑顔の口から漏れる小さな呟きに。
「あの子は言うのに、あの子は言うのに、あの子は言うのに、あの子は言うのに、あの子は言うのに。」
だから俺はブンブンと頷いてイシュタルさんに同意する。
俺が同意したことに機嫌がよくなったのか、目が元に戻ってキラキラモードになった。
「じゃあじゃあ、早速読んでみて♪」
「ウ・・・ン・・・イシュタル。」
「まあああ!!嬉しい!!これでトシヤとの間に障害はなくなったわ!!俊哉との心の繋がりは、私が一番だわよね~♪ふふふふふふふふふふ」
歓喜に満ちるイシュタル・・・
すると、またもや左腕が引っ張られてシルビアが俺を引き寄せる。
「トシヤ様、ご無理はいけませんよ?お辛いのでしたら何時ものように、夜は私がお慰めいたします。私の全てを・・・その・・・捧げつくしますから!どうか私でトシヤ様の全てを貰ってくださいませ。」
全てってナニ?どんなこと??
もしやアブノーマルな事までOKっとか??
シルビアの顔は真っ赤にに染まっている、どうやら本当に何でもしてくれそうな勢いだ。
「・・・ウン・・・アリガトウ・・・」
「はい♪トシヤ様は私を自由にして良い、唯一のお方ですから♪何でもご所望ください♪」
「ハハハハハ・・・・ハハハ」
俺の乾いた笑いが響く。
何でもっていうなら、本当に何でもしちゃうぞ?シルビア。
こうしてずっと、右に左に引っ張られながら、双方との会話が続いている。
ただし、2人は俺とだけと会話して直接は全く話さない。
というか無視しまくっている、この緊張感と恐怖は何故?
しかも、イシュタルとシルビアは、お互いに会話はしないのに、会話の内容に沿って対抗するんだもの・・・
女って怖~~~~い。
修羅場ってコエ~~~~~~。
男なら一度は夢見るシュチュエーションなのに、全く嬉しくない!!
多分、傍目にはメッチャ羨ましい光景なんだろうが、当事者はそうでもない。
修羅場の真実を体験し、居た堪れない雰囲気を学んだ俺だった。
この惨状を世間に晒さなくってよかったと思う。
馬車が2台用意されていて、ランドルフィ卿がこの修羅場を目撃しなかった事も救いだった。
ランドルフィ卿は先頭の馬車に乗り込んだので、同席しなかった為だ。
多分、この修羅場から逃げたんだとは思うのだが・・・
気を利かせただけかもしれないけどね。
さて、控え室で延々このやり取りをしながら待っていると、館のメイドさんが入ってきた。
シンプルなデザインが印象的なメイド服で、俺としてはもっと、こーーーエキサイティング且つ、ゴージャスな感じが良いのだが、人の家なので言わないことにした。
「会食の準備が整いました、此方へおいで下さいまし。」
メイドさんが、会食への招待を言い終えると、左右の2人が俺の腕を掴んだまま立ち上がる。
もちろん2人に引っ張られる形で、立ち上がるのだからお粗末な姿勢だ。
ソファーから離れ、メイドさんの後について食堂に向かうのだが・・・
俺は、どこぞの墜落したUFOから連行されるグレイの写真ような姿で、女性2人に引っ張られていく。
背は俺の方が2人より高いはずなのに、何故か子供のように小さく錯覚する俺だった。
食堂に案内され、俺達は席にそれぞれ案内される。
シルビアが席に着くことを躊躇ったが、どうやら此処では貴賓扱いのようで、館のメイドさんに諭され席に着いた。
毎度の事ながら、シルビアの真面目な性格は好ましいが、もう少し大らかでも良いんじゃないかと思う。
俺達が座ると、暫くしてランドルフィ卿家族が食堂に入って来た。
席を立ち、ランドルフィ卿家族に向かって礼をする。
ランドルフィ卿は手を差し、座るよう促してくれたので、席に着き皆が座るのを待つ。
入ってきた家族がそれぞれ席に着く。
最後にランドルフィ卿が席に着き、傍に控えるメイド達に目配せをしたところで会食が始まる。
会食はいたって普通だった。
流石にイシュタルとシルビアの2人も、此処では険悪な雰囲気は出さず、終始上手く対応してくれた事もある。
ただ・・・事あるごとに俺を世話する為にチャチャを入れていた。
その姿を見たランドルフィ卿家族は、微笑ましそうに見ていてくれたけど。
会食の席に着いたランドルフィ卿家族の構成はこうだった。
まずランドルフィ卿と、その奥方のミアリル夫人。
そして息子夫婦のアーノルド男爵と奥方のエアリル夫人が同席していた。
伯爵の子息なので、子爵かなっと思っていると、シルビアが貴族の子供だからと言って、子爵と言う事は無く、単に貴族の階級は爵位の譲渡にある為、息子の場合男爵を拝命しているだけだと教えてくれた。
もちろん、無位の子息も居るようで、この辺は貴族ならではの諸事情と言うのがあるらしい。
そんなランドルフィ卿家族の印象はと言うと。
ランドルフィ卿は52歳で、初老を感じさせるが精悍な強面の軍人さんだ。
ミアリル夫人は、48歳で、こちらはとても40代に見えない美しい大人の女性であり、とても気品に満ちてはいるが、残念なことにちょっと無いのだ・・・蜜柑位かな~・・・非常に残念だった・・・。
まあ、人の趣味だからそこは何も言わない。
いや、オッパイ星人の俺には言えないか。
息子夫婦は28歳のアーノルド男爵に、エアリル夫人は21歳と若い。
男爵はとても優しそうな好青年で、大人しそうな印象だ。
エアリル夫人は、これもまた美しいのだが線が細く男爵にはお似合いかもしれない。
夫人もまた無かった・・・この家族は無い好き家系なのかもしれない。
ロリではないようだが。
後、このアーノルド男爵の上には娘さんが居るらしいのだが、体調不良を理由に会食には欠席と告げられている。
何処が悪いのかと、一応聞いては見たが『お構いなく』の一言で終了。
関るなと言う事らしい。
いや、社交辞令だし、関らないから安心してください。
このメンバーで静かではあるが、穏やかな?食事が行われたのである。
食事はコース料理のようだが、普通より良い物だと言う位での料理で、とても食べやすく、親しい人を招いて食べるような配慮が感じられた。
つまりは、『仲良しになりましょうね~』っと言いたいのだろうか?
会話の流れも普通だし、至る所で気遣いも感じる。
まー貴族だし、社交辞令なのかもしれないけどね。
会食中、俺は何を聞かれるか警戒していたが何のことは無い。
何も聞かれなかった。
俺の力とか、何処から来たかと言う質問は覚悟していたのに・・・だ。
会話で、唯一困ったのは、俺達の馴れ初めを聞かれた時だった位だ。
イシュタルは目を輝かせて、俺と出会った時の事を話し、俺の何処が良いかを延々と語る。
シルビアも負けじと、俺に買われて幸せな事とか、どんな幸せをくれるとか延々と話し出した。
この話が非常に長く熱烈だったので、ランドルフィ卿家族の引かないか冷や冷やしたのだが、皆嫌な顔せず相槌を打って、2人の会話を聞いてくれた。
余りに聞き入ってくれているランドルフィ卿家族に、ちょっと申し訳なかった俺だった。
会食が終わり、お開きかと思うと、メイドがドアを開け、男と女それぞれ別々に案内を開始した。
不思議に思っていると『大丈夫だ、貴族の嗜みにお付き合いくだされ』とランドルフィ卿に促されたので従って行く。
イシュタルとシルビアも一瞬怪訝な顔をしたが、シルビアが直ぐにミアリル夫人に礼を取って付いて行くので、イシュタルも同様に着いて行った。
どうやらシルビアは何事か理解したようだ。
俺も素直にメイドの案内に従い、男だけで別室に移動する。
案内されたのは、書斎を大きくしたような部屋で『サロン』と呼ばれる部屋だそうだ。
そう言えば、何か思い出した、この感じ、映画で見たような記憶がある。
確か食事の後、男女別に交流を深める為に、酒やタバコなどで興を楽しみながら会話する流れがあったように思う。
映画では此処での会話こそ本筋で、会食は顔合わせと印象の検察の場だったような?
推測に気を引き締め、サロンの高級そうな椅子に腰掛け、相手の出方を伺う事にした。
「勇者殿、葉巻は吸われるかな?好きな銘柄を選んでくだされ。」
「いや、葉巻は・・・嗜みませんので何か軽い、酒では無い飲み物があれば頂きたいのですが。」
煙草は20歳からです!
俺は未成年だから無難にソフトドリンクをお願いする。
すると、アーノルド男爵がすかさず、趣向に合いそうな飲み物を促してくれる。
「左様ですか、では紅茶など如何ですか?勇者殿。」
「では、それで。」
こうして、男の密談が始まった。
「さて勇者殿、こちらへの御用向は何かおありだったのかな?」
「いえ、ただ旅の途中で立ち寄ったまでの事、別段用向は無かったですよ。」
「ふふ、それにしても王都に来るや否や、2人の女性に口説かれているとは、勇者どのも隅に置けませんね。」
「あ・・・いやそれは・・その・・・ハハハハハ」
「その件ですが、家の奥達にお任せくだされ、多少はお力になっているかと。」
「っへ?何とかなるんですか?」
「ふふふ、私の奥もお力添えに参加しておりますので、ご心配召されますな」
何か別室では、女性のみの密談により、事態の改善が謀られてるのか!!
何この貴族のサロンって!
超さいこうじゃん。
うん、頼っちゃおうw
ちょっと丸投げ状態の俺であった。
こうしてサロンでは、会食時に無かった色々な事を遠まわしに聞かれる。
『出身地は?』とか。
『どうやって魔法を勉強した?』とか。
『力はどうやって鍛えた?』とか。
『大きな胸の女性が好みか?』とか。
いや、最後は趣向だが・・・ねw
俺は質問に対して、出来うる限り上手い嘘を並べ誤魔化したつもりだが・・・通じてなさそうだ。
それでもランドルフィ卿達は深くは詮索せず、会話を続ける。
会話の運びが上手いもので、前の質問を、別の方向から再度質問されたりと、腹の探り合いのような会話があり、非常に神経を使う内容だったんだけどね~~~。
ある程度時間が経ち、メイドが入ってきてランドルフィ卿に耳打ちする。
ランドルフィ卿は頷く。
「そろそろ夜も遅くなり申した、寝室へご案内いたす。」
その言葉をもって密談は終了し、サロンを後にした。
疲れ切った俺は、これ幸いとランドルフィ卿とアーノルド男爵に礼をし部屋を出る。
2人の心象とか考える余裕も無く、メイドに従って寝室へと向かった。
寝室に入り、俺は倒れるようにベットに突っ伏す。
「疲れた~~~~~」
独り言を吐き、異世界に来て初めての柔らかいマットの感触に頬擦りをしていると、俺を労わる手が背中に伸びてきた。
優しく癒すような手は、何故か両側から伸びて来るのである?
慌てて起き上がり、事態を確認する。
何時入って来たのか?はたまた最初から居たのか?
両側にはイシュタルとシルビアがベットに腰掛、俺を見詰めている。
「っぐうぇ?」
「俊哉、さっきまで御免ね・・・」
「トシヤ様、浅慮な私をお許し下さい・・・」
会食時までの険悪な雰囲気は何処へやら?
2人は妙に神妙として、俺に声を掛けてくれる。
何があった?!
2人とも催眠術か変な魔法でも掛けられたか?
唖然としている俺に向かって、2人は女性側のサロンでの出来事を話してくれた。
そして、この会話の後、シルビアの意外な過去を聞く事になるのである。
毎度、誤字脱字のご指摘ありがとう御座います。
なかなか書いていると気付かないもので・・・呼んでくださる方々に感謝を。




