第二十一話 再会と結末
世間様は夏休み・・・この時期は本業がめっちゃいそがしいのです><
3日か4日置きにはなりますが投稿頑張りますので、すみませぬ
10/10 再更新
俊哉を送り出してから、お父様の罰を受けたのが約2週間前。
天界の王宮に出向き、罰を受けるまでが4日かかった。
更に、天使の神力を魔力に変換し、容量を小さくしてもエルフでも納まらず。
仕方が無いので、エルフはエルフでもハイエルフに変更するまでに5日。
この時点で、俊哉に遅れる事23日。
無事ハイエルフになったものの、ハイエルフの里がリブリア大陸の南、森の奥深くにあり・・・俊哉を探し始めるにも近くの町までに相当かかる。
ハイエルフの里からエルフの里を経由して、あの日、俊哉を送り出した転送地点に到着した。
風の精霊魔法をフルに使って来たのに此処までで29日遅れ。
もっと早く進まないと、俊哉を見失っちゃう。
「早く会いたい・・・俊哉・・・♪」
「逢ったら何て言ってくれるんだろう?ふふふ」
逸る気持ちを抑える事無く、私の俊哉を追う足は速くなる。
そして、今も俊哉の軌跡を追いかけている。
俊哉の転送地点から、風の精霊魔法で索敵し、近くの村を発見する。
風の精霊に俊哉の寄りそうな村を探してと、お願いしちゃった♪
発見した村に立ち寄り、村長に黒髪、黒目の10代男性が尋ねてこなかったか聞く。
特徴にあった人物が、3日程滞在していたらしい。
俊哉の特徴はこの世界では目立つから、絶対に間違いない。
俊哉だと私は確信した。
俊哉は此処に居たんだ!
俊哉を思うと胸が高鳴り、自然と顔が赤くなってるのに気付く。
「ここまで私を惚れさせたんだから、絶対に捕まえてやるから!」
その後、尊重からは、俊哉が王都に向かって旅立った事も聞けた。
惜しい!もっと早く来ていたら・・・俊哉と王都までラブラブ道中が堪能出来たかもしれないのに!
俊哉との甘い旅路が一緒に遅れなかった事に腹を立てていたら、村長が『ヒィィィィ』っと怯えたのだけど・・・・なんでかな?
取り合えず、俊哉の話を聞けたので村長にお礼を言い、王都へ向かうことにする。
一刻でも早く俊哉に逢いたいから・・・
それにしても、お礼を言ってるのに、村長は震えてお辞儀をするのだから失礼しちゃうわ。
なんだか私が尊重を脅してるように見えるじゃない。フン!
震える尊重に、王都の方角を聞き、道程を考えだす。
そんな私に村長が『王都への旅は危険』とか、『商隊がまだ出ない』とか、何とか言っている。
私は『大丈夫ですから』と満面の笑顔で答えておいた。
それなのに、村長!なんで怯えるのよ!笑顔だったでしょ!!
乙女心がちょっと傷つく。
危険は承知の上だ、ハイエルフの精霊魔法があれば、道中も問題ないとおもう。
どんな事をしても早く俊哉に追いつきたいの。
でも流石に、今日は日も暮れて回りも暗い。
ここまで夜通し飛ばしてきたので、疲れもある。
一旦王都による前の準備もしたい。
焦る気持ちを抑え、今日は此処に泊めてもらう事にした。
これから準備をして、明日の朝早くに出発と決める。
村長のお宅にお邪魔して泊めて貰うのだが、俊哉の止まった部屋をお願いしたら、愛想満々であっさり了承してくれた。
どうしてかしら、もの凄く親切にしてくれる?
準備の為に村で買い物をして、俊哉の泊まった部屋に案内してもう。
部屋に入り、村長の気配が消えた途端、私は俊哉の寝たであろうベットに飛び込んで、布団に潜り込む。
ふふふ、俊哉ぁぁあ!!ッフフフ・・・
俊哉を想像してベットで身悶えする私は、異常なテンションになっていた。
興奮して、寝るのが遅くなったけど俊哉を思い出して幸せだった。
夜更かしをしたのに、スッキリと朝早くに目が覚めた。
やっぽりなだ興奮してるみたい・・・
だって・・・だって・・・♪
俊哉と出逢う夢を見てたんだから・・・素敵だったの♪
夢だけど、出逢った瞬間抱き締められて『愛してるよ・・・』って耳元で囁かれたの~~~キャアァ♪
俊哉の吐息に、私の体が反応してドキドキが凄かったのフフフッキャ♪
もう早く逢いたくてムズムズしちゃうw
興奮したまま、朝の身支度を終え、部屋を後にする。
起きていた村長に挨拶して、早々に村を出る。
俊哉を捕まえに、いざ王都へ出発よ!
ところが・・・道中は、思ったより困難だった。
以外に魔物の出没が多く、戦闘で時間を費やしてしまう。
余りにも多く遭遇するので、イライラしてしまって、つい腹いせに神級精霊魔法を使って殲滅したけど・・・
失敗だった・・・地面に凄いクレーターが出来てしまい、そこを避けて通るのに手間取ってしまった。
無駄に時間が過ぎる事は自重しようと思う。
そこからは慎重且つスピーディーに移動を行い、何とか王都まで11日掛かって到着した。
もっと早く到着できると思ったのに・・・
王都へは、ハイエルフの里長に臨時身柄保証書を書いて貰った証明書で無事入ることが出来た。
ただ、検閲や身体検査が非常に厳しく時間を掛けていた事が気になる。
おかしい!?何か不安が心を満たす。
思わず、独り言を呟いた。
「俊哉・・・なにかあったの・・・?」
自然と口に出た言葉に、私は唖然とした。
無意識に出た言葉が虫の知らせに思えた。
俊哉の身に何か起こっているのかもしれない。
早く探さなきゃ!苛立ちが募って行く。
王都に入り目にしたのは、所々荒れた公共区画。
城壁や噴水など、至る所で修復作業が行われている。
どうも襲撃に近い惨状に見える。
辺りを注意深く観察しながら、まずは商館を目指した。
何が起こったか、確かめなければならない。
俊哉を探すにしても、当たりを付ける為にも商館で事情を聞かないと。
商館に向かう道中でも注意を怠らない。
周りの会話や雰囲気もチェックしている。
それと精霊にお願いして、住人の会話なども拾っていく。
町の惨状と住人の会話を総合すると、どうやら獣人が騒ぎを起こしたようだ。
でも・・・獣人が騒ぎを起こす理由が解らない。
しかも獣人がたった1人で暴れたようだ、1人でこんな惨状を引き起こせるのだろうか?
商館へ到着し、纏めた考えと情報の整合性を確認する。
私の考えは当たっていた、そうなると俊哉が被害にあったのかが心配になる。
職員に1番の懸案である俊哉のことを聞く。
すると、黒髪黒目の男が近衛兵団に拘束されて居ると聞けた。
この騒ぎの重要参考人として、連行されたという。
俊哉が捕まってる!
どうしよう・・・
折角此処まで来て、俊哉に逢えないなんて・・・
居ても立ってもいられない!
対策を考える事無く、私は捕まっているだろう中門へと向かう。
本当に急いでいた私は、何も考えずに突っ走っていた・・・
行った所で会えるとも限らないのに。
中門が見え、俊哉の捕まっている砦が見える。
櫓といったほうが言いのかもしれない。
兎に角、中門に向かって、更に私は歩を早める。
近付けば俊哉に会えるかもしれないと思って・・・
中門に近付き、衛兵が見えるくらいの距離まで来た。
門の前には、数人の人族と、獣人が1人居る、獣人はどうやら女性のようだ。
獣人の女性を見ると、非常に美しい娘で、しかも私と同じくらいの胸・・・がある!
んん?何故だろう??住人の女性を見ていると無性に腹が立ってきた。
見た事が無い女性なのに、何故だか敵に見える!
獣人の女性を睨んでいると、突然門が開き誰かが出てきた。
出てくる人影をよ~~~く見たら!
私の愛する人だとわかる。
俊哉だ!俊哉が居た!!
あああ・・・俊哉!逢いたかった!
私は俊哉に向かって走り出そうとした。
すると、門の前に居た獣人の女性が俊哉に向かって抱きついていった!?
私は一瞬『え?・・・』となってその場で固まり、成り行きを見てる。
俊哉は抱きついてきた獣人の女性を愛しそうに抱きしめ、更に優しく撫で廻している。
嘘!嘘?
何で抱き合ってるの??
俊哉から離れなさい、このメス犬が!!
俊哉ったら、送り出して1月経ってないのに、浮気!?浮気なの!?
私が逢いに行くといってたのに!!!
嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!
ふふ・・・俊哉ったら・・・ふふ・・・ふふふふふふふふ
いけない子ね・・・お仕置きしなくっちゃ♪アハ♪
私の中で何かが弾ける音がした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
イシュタルさんが俺を発見して、見詰めていた時から少し遡る。
俺は中門にある、デリオス王国の近衛兵が駐屯する砦に居た。
砦といっても、日本の櫓よりは大きく、中門を守るように建っている。
その一角砦の地下牢に、俺は幽閉されているのだ。
町を襲った化け物の起こした惨劇の後、公共区画に居た警備兵は、応援要請を近衛兵団にも伝えていたらしい。
騒ぎの中、駆けつけた近衛兵団が見たものは、惨憺たる町並みと、血飛沫を浴びて、大きな獣を見下ろしている俺の姿だった。
近衛兵団には俺が騒ぎの張本人に見えたのだろう。
有無を言わさず、俺を拘束しようとする近衛兵団。
ジーアスさん達は、俺の為に近衛兵団に事情を説明するも要領を得ず、結局、俺は捕縛された。
シルビアは、ずっと呆けていたが、俺が拘束されると我に返った。
必死に『連れて行かないで下さい!!』と近衛兵団に嘆願していたが、聞き入れてもらえないようだ。
やはり獣人の女性という事が、ネックになっているみたいだ。
俺は、暴れても仕方が無いと思い大人しく縄につく。
兎に角必死に弁明すれば解って貰えると思ったからだ。
暴れない理由にはもう一つあって、シルビア迷惑を掛けたくなかった事もある。
俺だけなら良いよ?俺だけなら。
近衛兵団をぶっ飛ばして、逃亡とか脅迫も出来るし、悪名だって 最悪、気にし無ければ被っても良いんだ~
だけど・・・罪人の奴隷としてシルビアが見られる事が1番嫌だった。
それに・・・罪人になると、世界を見て廻りたいと思った俺の目的が果たせない気もしたし・・・
色々考えて、抵抗せず大人しく近衛兵団に従っている。
俺から引き剥がされたシルビアを、ジーアスさん達が庇ってくれたので、暫くシルビアをお願いしておいた。
俺が大人しく拘束されいても、警備兵達は、悪魔でも見るような目を俺に向けて怯えている。
流石に、やりすぎだったかな・・・怖がられても当然だろう。
そんな警備兵の怯えっぷりに近衛兵団は呆れ返りながら、俺をしょっ引いて行った。
まーねー、現場を見ていない近衛兵団は俺の事が怖いなど、微塵も感じてないだろうしね。
しょっ引かれながら、心配そうに俺を見るシルビアに『大丈夫、心配しないで』と声を掛ける。
だが、声は掛けては見たものの・・・シルビアの傍に居てあげれない事が辛かった。
化け物は、確かラスティと言ったかな?
シルビアは、知り合いが化け物で、それを俺が倒して、倒した俺が捕縛されて、色々落ち込んでいると思う。
シルビアが潤んだ瞳で、ずっと俺を見ている。
連行されながら、悲しむシルビアの姿をみると余計に心がキツイ・・・
そんな訳で俺は、色々事情聴取の上、聞き込みとの照らし合わせが済むまで、此処の地下牢に只今絶賛幽閉中である。
早く結論が出て、釈放されシルビアに逢いたいものだ。
結果は直ぐに出そうなのに、なかなか動きが無い。
疑う事などないと楽観的に考えていた。
実際は後で知る事になるが、俺の処遇について、かなり揉めていたらしいのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
近衛兵団長の報告を聞き、王国重鎮たちの空気は重い。
今回の件は、獣人の暴挙により、公共区画において殺戮が行われたというものだ。
そして、捕まえた男が獣人を鎮圧し、どうやら街への被害をも防いだという事らしい。
街への被害は、誰とも知れない者が、街を破壊しようと魔法を発動したと確認した。
しかし、その肝心の発動者が見つけられないのだ。
捕まえた男は、魔族が居たというのだが痕跡が無い。
色々と街において目撃者の証言も取ったが、見世物をしていた男怪しいとは解ったが、その男が、魔族かどうかの証言が取れなかった。
「しかし、あの少年が化け物を倒した力量は無視できませんな。」
1人の重鎮が呻く。
「そうじゃな、聞いていても信じられぬ強さを秘めておるようじゃ。じゃが、どうにも解せぬ、この騒ぎ自演という事もありえないかの?」
「うーっむ、かといってあれだけの力、今回の件の真意がどうであれ、かの男に不況を買っても、此方が危うくなりませんか?」
喧々諤々と議論を尽くすも、結論は出ない。
皆、解ってはいるのだ・・・
トシヤを解放し、功績に報い、拘束を謝罪しなければならない事を。
だが、どうしても俊哉の戦闘力が信じられない事と、魔族がこの件に関っている事が立証されない為、虚言では無いかと、疑惑が晴れないのである。
「確かに疑惑はある、しかし例えどうあれ、獣を鎮圧し街を救った事実だけは変りは無い。フィリッポス卿はいかがお考えで。」
「うーっむ、街を救った勇者に、褒美を取れせねば格好が付かぬ。浅慮になっては恥というもの・・・ランドルフィ卿、貴殿に任せても良いか?」
「御意。」
こうして、王佐フィリポスの鶴の一声により、結論が下された。
王佐フィリポスはランドルフィ卿と褒美の件や謝罪の方法を決めていく。
トシヤがどのような対応をしてきたとしても、対処できるようにする為だ。
王佐フィリポスとの打ち合わせも済み、ランドルフィ卿は会議室を後にする。
トシヤの処遇が決まった上は、直ぐにでも釈放し謝罪を述べなければならない。
あの力を持つ男に、不況を買うわけには行かないのだ。
ランドルフィ卿は中門に向かい、トシヤの幽閉されている部屋へと足速く向かう。
近衛兵に案内され、部屋に入ると、そこには黒髪黒目の若い男が居た。
余りにも珍しい特徴に目を惹く。
そして、男を見て思った事は、これが本当にあの報告の男なのか?という疑問であった。
見た目は10代後半だが、威厳も無く優しげな顔立ちは脅威を感じない。
背も高く、多少ガッチリとはしているが、獣を素手で切り裂くような傑物には見えない。
ランドルフィ卿は男の雰囲気を訝しんだが、相手がどう見えようと、するべき事に専念する事にした。
「この度は大変失礼をした、私はアルブレヒト・フォン・ランドルフィ伯爵と申す。我王国の近衛の不始末、このアルブレヒト、深くお詫びいたす。我の顔を立て、平にお許し願いたい。」
深々と頭を下げ、謝罪を示す。
「謝罪もさることながら、この度の貴殿が成し得た功績に対し、何らかの褒章をご用意したい、貴殿の望みを伺いたいが、何かおありか?」
ランドルフィ伯爵は、注意深く男を見て言う。
すると、男は少し考えてから口を開いた。
「別にいいですよ、釈放して下されば。後、出来たら俺の事はあんまり苛めないで下さい。」
と笑って言い放ったのだ。
ランドルフィ伯爵は、あっさりと笑う男に疑問を持ったが、男が謝罪を受け入れたと判断し一応の安堵を持つ。
だが、ランドルフィ伯爵としては、このまま釈放という訳には行かない。
「そうはいかぬ、勇者に対する非礼・・・何かお詫びをいたさぬと王国の威厳に関るというもの、何か要望はござらぬか?」
「うーん、特に無いだけど・・・あ、出来たら地図とか、そう本!本が見れればいいです。」
男の要求が出たので、アルブレヒトはほくそ笑む。
ここから王佐フィリッポスと相談した内容を実行していく事にする。
「了解いたした。では、望まれる本を好きなだけお見せできるように手配する。ただ、勇者に対するお礼も致したい、是非当家へ逗留していただきたい。」
「いや・・・本が見れればいいだけなので・・・」
「そうはいかぬ、どうか当家に来て頂き歓待の上、要望を叶えられたし。」
こうして、ランドルフィ伯爵は男の逗留に漕ぎ着ける。
逗留という名の監視に成功したのである。
誤字脱字等、落ち着きましたら改変していきます。




