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6話 森の異変

数ヶ月後、王都で開かれた第一王子主催のガーデンパーティーは無事終わり、

カタリーナ叔母様の狙い通り?みんなのドレスは注目の的になったようだ。


叔母様が経営してるブティック:ローゼリアは予約でいっぱいなようで、

叔母様から嬉しい悲鳴と共に感謝の手紙がきた。

ついでに私用に普段着られる可愛いドレスも入っていた。


それから私は叔母様と度々手紙のやり取りをしていて、

叔母様から課題という名のデザイン依頼が来てはがんばってデザインをしている。

採用されれば、ちゃんとデザイン料もくれるので頑張り甲斐がある。


♢♢♢


夏になり、魔獣の出没頻度も減り近くの湖なら私ひとりでも外出ができる季節になった。

昔はお姉様と一緒じゃないと出れなかったけど、

私も鍛えて、ある程度の魔獣なら一人で倒せるようになり一人での外出が許可されたのだ!


今日も叔母様から依頼がきたドレスのデザインを考えるがてら、

湖までやってきた。

この世界の夏も暑いけど、森の中は涼しくてとても過ごしやすい。


ガサッ


嫌な気配がする。魔獣かな?

草むらの方を見て短剣を構えた。


「え、ヴォルガベア?今は活動時期じゃないはずなのに」

なにか焦ってるような雰囲気だ。


熊系の魔獣の中でも、そこまで強くない種類で、

前にお姉様に倒し方を教わってひとりで倒したことがあるし、

慎重にいけば大丈夫なはずだ。

まずは足を狙おうと脚に力を入れた。

その時、


ズバッ


ヴォルガベアの首が飛んだ。


「お嬢ちゃん、大丈夫か?」

「助かりました。ありがとうございます」


剣はまだ手には持ったままだ。

ただの親切なおじさんなのか、なにか目的があるのかわからないので油断は禁物。

年齢は50〜60歳くらいかな。

この辺で見かけたことがないな。


「ひとりか?森の入口に近いからといってあぶないぞ」

本当に心配そうにこちらを見てる。

んー、悪い人には見えないかな。


ガサッ


小型だけどまた魔獣が出てきた。

私はふいに横を見て、短剣を投げる。

ちょうど眉間に刺さった。


「夏場の湖は滅多に魔獣は来ませんし大丈夫です。」

仕留めた魔獣を見て「ほう」と感心したような声を漏らした。


「なるほどな」

「ただ、変ですね。こんなに大型の魔獣が出るなんて。森の奥でなんかあったのかな」

「そうだな……ん、ちょっと待て、また何か来たな……」


森の奥に意識を向けると、

何かがこちらに向かってる気配がする。


私も短剣を構える。

茂みの中から、金色の目をした大きくて真っ白な狼の魔獣が出てきた。


「アッシュウルフか?それにしてはデカすぎるし、色も白いな」

狼は睨んではいるが、襲ってくる気配がない。

ひどい怪我をしているようだ。


フラフラと私たちのそばまで来ると倒れてしまった。

「このウルフ?なんか変ですよね?」

「ああ、怪我もひどいが何かに苦しんでいるようだった」


とりあえず怪我がひどいようなので、

治せるか見てみようと近づく私を男性は腕を掴んで止めた。


「まて、襲われるかもしれないぞ」

「大丈夫ですよ、このウルフ、理性的な目をしていました」


ウルフは一瞬目を開けるがジッと見て、また閉じた。

「ごめんね、ちょっと傷を見るだけだから」


この傷、切り傷だけど毒があるわ。

毒が塗られた剣で切られたのかしら。

あと、足首に何か刺青のような模様が……。


「これは従属の魔道具の跡だな」

「従属の魔道具?」

「ああ、犯罪者や奴隷などが逃げないようにこの魔道具を使うんだ。一度跡をつけると、付けた者から逃げることはできないようになっている」

「魔獣にも使えるんですか?」


男性はじっと足首の跡を見ながら言った。

「いや、魔獣を従えさせる術はなかった気がするが改造したのかもしれん」

「でも、この子、逃げてきたっぽいですよね?」

「たぶん、魔力が強かったから完全にかかる前に逃げてきたのかもしれん。しかし、術が定着するともう逃げるのは無理だ」

「そんな……」

とりあえず傷は治せるとして、

解毒は以前、騎士団と魔獣狩りに行った時に毒持ちにやられた人がいて、

その人の傷を治すときに毒を排出するイメージで治癒魔法を使ったらうまくいったので大丈夫なはず。


問題は呪いだな……。

んー、術を解く……鍵を解除するイメージでどうだろう?

やってみるか。


さて、集中集中。


まずは、ウルフの腹部にある傷に手を置いて、

傷を治し毒を排出するイメージをする。


そして、足首のほうに手を置くのは怖いので、

足首を囲うように光を纏わせ、術を解除する。


カチャン、


音がして見てみると、

刺青のような術の跡がボロボロと崩れ落ちて消えた。


「よし、うまくいったかも!」

私は汗を拭いながらウルフを見た。


「お嬢ちゃん、今何をしたんだ……」

「あ、ええーっとー……」

やば、ウルフのことに集中しすぎてこの人の存在忘れてた。

なんて言おう……。

考えてると、ウルフの目が開き起き上がった。


私と男性は少し離れた位置に移動した。


ウルフが自分の体を見て不思議そうにしている。

そして、私のほうをじっと見た。


「もう痛くないと思うけどどう?」


コクンと頷き、こちらに近づいてきて、

私の服を引っ張る。

「え、なになに?」


私の服を離して、

森を見る。

また、私の服を引っ張る。


「これはついてきてほしいと言っとるのではないか?」

「たぶん?でも、森の奥は……」


ジッとみつめるウルフ。

「わしがついていけば大丈夫だろう。こう見えてもけっこう強いぞ」

「それは見ればわかりますけど……」


つい、脚を見てしまう。

この人、左足を少し引きずっているのだ。


「ああ、これはちょっと古傷がな。魔獣を倒すくらいなら大丈夫だ」

「……わかりました。出会ったばかりでお願いするのも何なんですがついて来てもらえますか?」

「ああ、わしも気になるしな」

今日から5/10までは毎日投稿しようと思います!

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