28話 カタリーナの思惑
今回はちょっと短いです。
明日も更新しますので、よろしくお願いします!
ーカタリーナ視点
まったく、セレナは相変わらず貴族だということを忘れているわね。
セレナが慌てて出て行くところを見送っていると、
第二王子殿下から声がかかった。
「レステリオ婦人、ひとつ追加でお願いしてもいいだろうか?」
「はい、なんでしょうか、第二王子殿下」
殿下は侍従から小さな箱を受け取って、私の目の前に出した。
「この髪飾りに合うドレスも一着作ってもらえないだろうか?」
その髪飾りは紺色と水色の花で出来ていた。
私はチラッと王子の目を見た。
完全に殿下の目の色に合わせた髪飾りね。
「これは先日セレナと街に出た時に、セレナが見ていた髪飾りなのだが、結局姉とお揃いの別の髪飾りを選んでいて、似合っていたのでこっそり一緒に買ったのだが、渡すタイミングがなく、せっかくだからこれに合わせたドレスと一緒に渡したいと思ってな」
え、セレナが見ていたの?
もしやセレナ、殿下のことが……?
いや、そんな雰囲気はなかったわよね。
殿下のほうは好意がダダ漏れしているけど。
「素敵な髪飾りですわね。きっとセレナに似合うと思います。セレナが好んで着ているドレスは把握しておりますので、お任せください」
「よかった!よろしく頼む」
私はにこやかに依頼を受けた。
殿下はホッとしたような顔をしている。
第二王子殿下のことは、王都でも噂になっていて、色がわからないとか……。
私も一度王宮のパーティーで見かけたことがあるのだけど、こんなに明るくハツラツとした方だったかしら?
もっと色白で線の細い暗い印象だったのだけれど。
ここに来て、セレナから良い影響を受けたのかもしれないわね。
自分より小さい子でしかも女の子が毎朝訓練をしてひとりで魔物を倒せるくらいの技術を持っていたら、
自分もこのままではまずいと思うだろうし、もし好きな子だったら、自分が守りたいと思うものよね。
まあ、セレナに追いつくのは大変だろうけど。
この年でもう単独で魔獣は倒すし、グランフェルの血はすごいわね。
しかも、デザインのセンスまで持ち合わせていて、
5歳のときにリヴィアーナのドレスのデザインを提案してきたときのことは鮮明に覚えているわ。
小さい子のお絵描きだと思って見てみると、絵は拙いけどしっかりとしたドレスのデザインだった。
しかも、それが今まで見たことのないような斬新なものだった。
子供ならではの発想かと思いきや、リヴィアーナの好みや体型をちゃんと理解した上で描いているようだった。
私はデザイナーの原石を見つけたと思った。
この才能は何がなんでも伸ばさなくてはと思い、たまにデザインを依頼している。
デザイン画もどんどん上達していて、今ではうちにかかせないデザイナーとなっている。
セレナには、将来は私の跡を継がせてローゼリアの運営を任せるつもり。
だから、ぽっと出の王子なんかにうちのセレナは渡さないわ!




