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詰んでる令嬢と色を知らない王子  作者: モモノ空
第一部 エルナード領編

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27話 カタリーナ再襲来②

「すまない、待たせたな」

エリアスは急いで来たようで、少し髪が乱れていた。


「大丈夫ですよ、こちらが私の叔母であるカタリーナ・レステリオです」

「お初にお目にかかります。王都でブティック ローゼリアを経営しております、カタリーナ・レステリオと申します」


叔母様は立ち上がり、淑女の礼を取った。


「噂は聞いている。エリアス・ルシアン・カランドールだ。今日はよろしく頼む」

「こちらこそ、第二王子殿下の御衣装を仕立てさせていただくなんて、名誉なことでございます」


エリアスは目のことをどこまで教えるのだろうか。

あれ、そういえば、叔母様に光魔法のこと言っていなかったような……。

しかも、今日は針子のみなさんもいるし、言うに言えない!

私はエリアスのほうを慌てて見たら、軽く頷いてくれた。

これは伝わったのかな……?


「では、どのようなデザインの服が希望でしょうか?」


叔母様がデザイン画を開いて説明をし始めた。

「こちらの色とかは……」と言いかけたところで叔母様は口に手を当てた。

やっぱり、エリアスの目って有名な話だったんだな。

私、世間知らず過ぎかも。


「デザインはセレナに任せたいのだが大丈夫だろうか?」

「まあ、いいですね!セレナ、できるわよね?」

「はい、任せてください!」


エリアスは叔母様が口籠もっていたのを無視して話を進めた。

これは色が見えるようになったことは言わない方向で進めるかんじかな?


「色もセレナに一任するのでよろしく頼む」

「殿下に似合う色を考えますね!」

「では、殿下、採寸をしてもよろしいでしょうか?」


エリアスは隣の部屋で採寸することになった。


「さて、セレナ、どんなデザインがいいかしら?」

「実はちょっとだけ考えたものがありまして」


私は叔母様にデザイン画を見せた。


「形は中にベストを着るタイプのスーツでいいと思うのですが、色はエリアスの目の色に合わせて紺色で、襟部分に銀色の刺繍を入れるのはどうでしょう?」

「エリアス……?」

「あ、ごめんなさい。殿下がそう呼ぶように言われていたのでつい……」

「ふーん、なるほどね〜」


さっきはちゃんと殿下って言ったのに、慣れって怖い。

叔母様が何やらニヤニヤしている。


「仲良くやっているようならよかったわ。公式の場では気をつけるのよ」

「はい、それはもちろん!この領地にいる間だけですから」

「わかっているならいいわ。さてデザインね、素敵だと思うわ。この銀の刺繍もいいわね」


それから私と叔母様はエリアスの採寸が終わるまで、

パーティー用から私服まで何着かのデザインを詰めていった。


「採寸終わりました」


針子さんが戻ってきた。


「エリアス、お疲れ様」

「ああ、王都にいた時より一回りくらい縦も横も伸びていた。どおりで最近服が少しきついわけだ」

「最近は訓練をしているし食事量も増えてきたからね、どんどん大きくなるのでは?」

「そうなってくれるとうれしい」


エリアスは嬉しそうに話しながら、私の横に座った。


「デザインですが、このようなかんじでいかがでしょうか?」

「今、描いたのか?」

「実は前に言われたときからちょっと描いていたんだよね」

「デザインはセレナに任せたので、それでお願いする」

「見なくて大丈夫でしょうか?」

「ああ、問題ない」


見ちゃうと、色が見えることもばれちゃうかもしれないしね。

デザインはあとで見せよう。


「そういえば、セレナもしばらく採寸していないわよね?一応測っておいたほうがいいのではなくて?」

「着ているものはそこまでキツくなっていないけど?」

「スカートの丈が少し短くなっているわ、測ってきなさい」

「わかりました。エリアス、ちょっと席を外すね」

「ああ、わかった」


叔母様に言われて気づいたけど、たしかにちょっと丈が短くなっているかも。

正直このくらいのほうが歩きやすいしいいんだけど。

けど、貴族的にはダメなのよね。

訓練の時のパンツ姿のほうが楽でいいなー。

貴族ってめんどくさいな。


それから隣の部屋で採寸してもらったけど、

身長がけっこう伸びてた!さらに胸周りもちょっとだけど成長してた!

ただ、これが胸なのか筋肉なのか判断がまだできない……。

小さい頃から鍛えすぎたら胸って大きくならなかったりするのかな。

お姉様もまだ11歳だしスレンダーのままだけど。

お母様も叔母様もナイスバディだからその血は引き継いでいるはず!


「採寸終わりました。ちょっと身長伸びていました!」

「やっぱりね。それならセレナもドレスと普段着を新調したほうがいいわね」

「そうですよね、一通りお願いします。訓練用のパンツとシャツもお願いできますか?」

「わかったわ、いつものやつね」


今では、訓練着、普段着、ドレスなどすべて叔母様にお任せである。

デザインや開発にも関わらせてもらっているから話が早くて助かる!


「いつものやつ?普通の訓練着と違うのか?」

「私の訓練着はちょっと変えてもらっていて、通気性がよく伸縮性のいいものにしているの」


リーナに私の訓練着を持ってきてもらい説明した。


私が本格的に訓練を始めたとき、シャツもパンツも伸縮性がなくて体術はしづらいし、

夏は通気性がないから蒸れるしでイライラしているときに、

森でハングスネアという丈夫な糸を出す蜘蛛型の魔獣を倒したんだけど、

その糸が思いのほか強いし伸び縮みもしていて、これは使えるのでは?と思い、

カイエルお兄様と魔導士のサイナス先生に相談してみたんだよね。


サイナス先生はここに移住してから、魔獣についても研究していて、

ハングスネアの糸はやっぱり伸縮性があることがわかった。


これを叔母様に相談して、他の糸と合わせて、

通気性がよくて伸縮性のある糸が出来たんだよね。


そして、この生地がかなり優秀で、

女性ものの下着とかなり相性がよく、今ではローゼリアの看板商品になっている。

ちなみにマージンはちゃんといただいています。

お兄様と先生には研究費用を渡したみたい。


「そっちのほうがいいのか?」

「んー、蒸れないし体術をやっても破けづらいかな」

「それはいいな、騎士団も皆同じものを使っているのか?」

「いや、騎士団は従来のものを使っているよ」

「話を聞いていると、セレナが着ているもののほうがよさそうだが?」

「訓練なら大丈夫なんだけど、実戦となると耐久性がちょっと弱いんだよねー」

「なるほどな」


お姉様に訓練の時に着てもらったんだけど、その時はかなり好評で、

でも、その後に魔獣の討伐に行った時、

いつもの騎士服を着てかなり動きづらくて大変だったらしく、

結局、訓練から窮屈なのに慣れていたほうがいいということになっちゃったのよね。


お父様にこのことを話したら、研究費を出してくれるということで、

今はサイナス先生がメインでもっと生地を強くする方法を研究してくれている。


「エリアスはどうする?」

「そうだなー、しばらくは訓練しか出ないから、セレナと同じ訓練着を何着か作ってほしい」

「承知いたしました。他のものと合わせて作らせていただきます」


これでやっと話し合いは終わりかな。

なんやかんや決めることが多くて疲れたな。


「さて、私たちは王都に戻ろうかと思いますので、先に失礼いたします」

「え、叔母様、またトンボ帰りするつもりなの??」

「ええ、たくさんご依頼いただいたし大忙しだわ!」

「ちょ、ちょっと待って、お母様呼んでくるから、話くらいしていってよ」


私はリーナにお母様のお茶の用意をするように伝えて、

急いでお母様を呼びに行った。

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