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詰んでる令嬢と色を知らない王子  作者: モモノ空
第一部 エルナード領編

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13/31

13話 新作のお菓子作りとザワつくティーパーティー

「やった〜!やっとできた!」

「おお、すごい!こんなに可愛い菓子は初めて見ました!」


今日、私は前世で大好きだったマカロンを料理長と作っている。

前世で好きすぎて何回か作ったことがあったけど、記憶が曖昧で、

料理長に協力してもらい試行錯誤の結果、やっと完成した!


味はバニラ、ラズベリー、チョコミントの3つ。

色も白、ピンク、淡いグリーンで、お茶会でも人気が出ること間違い無し!


「美味しそうですね」

急に知らない声がして慌てて振り向いたら、エリアス殿下のシェリルド様がいた。


「え?シェリルド様?なんでこんなところに……」

「あ、ロウェルと呼んでください。皆もそう呼ぶので」

「はい、ロウェル様。で、厨房に何か用事でしょうか?」

「いえ、セレナティア様に用事があり探していたらここだと聞いたもので」

「あ、私もセレナと呼んでください。で、私に何か用事で?」


エリアス殿下が来てから、1週間ほど経った。

殿下は基本部屋にいるか、図書室にいるようで、

私はほぼ会っていない。


夕食もひとりがいいそうで。

つまり、一週間顔を見てもいない。


「はい、ちょっとお願いがありまして……」

「なんでしょう?」

「エリアス殿下なのですが、知っての通りずっと引きこもっておりまして」

「そうですね、来た日以来お見かけしてないですね」


私は思い出すように言った。

もはやいることすら忘れそうになってたくらいだ。


「そうなのです。でも、これだとこちらに来た意味がないと思うのです。健康にも悪いです!」

「庭に散歩とかにも出てないのですか?」

「まったく出てないですね。元々色白なのに、これじゃあ、本当に紙のように白くなってしまいますよ!」


紙のように……。なんかすごいこといってるな、この侍従。


「で、私に何を?」

「そうですね……本日は暖かいですし庭でティーパーティーなんていかがでしょうか?」

ロウェル様はマカロンを見ながら言った。


なるほど庭でやれば、必然的に外に出せるしってことか。

まあ、少しはおもてなしをしないとダメかな。

貴族の娘として。


「わかりました。ただ今日は母も姉も用事がありいないので、私と二人になっちゃいますが大丈夫でしょうか?」

「はい、大丈夫です!殿下は大人数が苦手なのでちょうどいいです」


4人で大人数とは……?

どれだけ、人見知りなんだろう。


「では、準備しますので、ロウェル様は殿下を庭に連れてきてください」

「はい、ありがとうございます!お手数おかけします!」


ロウェル様、深々とお辞儀をして厨房から出ていった。

けっこう苦労してそうだなー……。

さて、せっかくなんでマカロンに合わせた紅茶も用意して、

マカロンもタワーにして可愛く盛ってみよーっと。


私は出来立てのマカロンを食べれることにウキウキしながら準備をした。

それがまさか、あんな事態になるとは……。



♢♢♢


準備して待っていると、エリアス殿下がやって来た。


「すまない、ロウェルがなにか余計なことを言ったようで」

エリアス殿下は、前に会った時と同じようなグレーの装いで来た。

そんなにグレーが好きなのかな?たまたま?

王族でそんなミスないだろうしな。


「いえ、ちょうど新作のお菓子ができたところで誰かに食べてほしかったので、むしろ提案いただいてよかったです」

私はニコッと笑って、殿下に向かい側の席を進めた。


「この目の前にあるものが新作の菓子か?見たことない形状だな」

「はい、マカロンと言いまして、私と料理長で試行錯誤して完成させました!」

「セレナティア嬢が作ったのか?」


あ、やばい、貴族って自分で料理しないんだっけ……?


「そ、そうなんです。貴族にしては珍しいと思うのですが、お菓子作りが趣味でして不快だったら申し訳ございません」

「いや、びっくりしただけだ、そういうこともあるだろう」


よかったー、人付き合いが少ない王子で!


「3種類作ったので、説明しますね」

メイドがマカロンタワーから3種類取って、エリアス殿下の前に置いた。


「まず白いのがバニラ味で、ピンクのがラズベリー、淡い緑色のがちょっと変わり種で、周りがミント味で中にチョコが入っています」


私がハキハキ答えると、なにやら不穏な空気が流れた。

え?なんか変なこと言った?

周りがなんかザワザワしてる?なんで?


「殿下、右からバニラ、ラズベリー、ミントだそうです」

ロウェル様がフォローするように殿下に伝えた。


ん?さっき私説明したよね?

聞こえづらかったかな?


「さっそくいただいてもいいだろうか?」

「あ、はい、ぜひ召し上がってみてください」


そういうと、殿下はバニラを手に取った。


「ん、これは食べたことない食感だな!すごく軽い」

エリアス殿下が目を見開いた。


「お口にあいませんでしたか?」

「いや、新食感でとてもおいしい。他も食べてもいいだろうか」

「はい、ぜひ!」


よかった、気に入ってくれたみたいだ。


「私もいただきますね」

口の中に入れた途端、サクッとした食感の後に間に挟まれたジャムがとろっと出てきて美味しすぎる!

これだよこれ!


「美味しそうに食べるな」

「あ、すみません!ようやく完成させたお菓子でつい夢中に」

「いや、こんなお菓子を作れるなんてすごいと思う」

殿下は手に持っているマカロンを見ながら言った。


「どの味がお好みですか?」

「そうだな、ミントといったか?あれが好みだった。チョコの味が口の中に広がった後にスーッと爽やかさを感じる。不思議なかんじがしたが、なんだか癖になる」


まさかのチョコミント!

これはうれしい!

前世から私はチョコミントが大好きで、いろいろ買い漁って食べていたのだ。


「ミントいいですよね!ミントとチョコを合わせて、私はチョコミントと呼んでいるのですが、私も大好きです!夏になったらアイスも作るので、ぜひ一緒に食べましょう」

「ああ、それは楽しみにしてる」

「チョコミントは、綺麗な緑と茶色のコントラストも可愛くてとても好きなんです、私」

「そ、そうか……」


ついテンションが上がって、ペラペラ喋っちゃったけど、

またこの変な空気。なんなんだろ?


さっきと今と共通することってなんだろう……。

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