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2023/07/15

4673.


「みんな、準備はいいよね?」


「ええ」


「もちろんですわ」


「えっと・・・またやるの?」



4674.


「またやるの。それじゃいくよ! 第2回! ドッキドキ! 女だらけのガールズトーク大会!」


「“ドキッ”、改め“ドッキドキ”ね。今度こそ、やり遂げなければならないわ」


「大丈夫でしょう。わたくしたちに出来ないことなどありませんわ」


「第1回がほとんどガールズトークにならなかったのが記憶に新しいんだけど・・・」



4675.


「そこだよモウりん! 前は確かに失敗だった・・・でも今日は違うよ! なんてったってミミりんがいないからね!」


「前回の反省点、それはズバリ美々香がいたこと。それを踏まえ、美々香がバイトの日を選んだのは英断ね」


「全くですわよ。美々香さん1人いるだけで華も品もなくなるのですから」


「確かにそれは大きいかも知れないわね」



4676.


「よーしじゃあ何から話し始めよっか!」


「それはもちろん、いかにして美々香のお兄さんを籠絡するかでしょう。今日は雷太君がいなくて毛利さんが来たことで正真正銘ガールだけになったことだし、改めて」


「えっと、確か明星さんが満月さんの義理の姉になりたいとかだっけ。先週3人で話してたそうだけど・・・佐藤さんの弟がいたとは言え2歳だし、ガールズトークになったんじゃないの?」


「「「・・・・・・」」」



4677.


「このお話はやめにしませんこと? どうしても美々香さんが頭をよぎってしまいますし、碌な話になりませんからね」


「それもそうね・・・せっかく美々香がいないんだもの。あんなやつのことなんか忘れてガールズトークに花を咲かせたいわね」


「そうだよそうだよ! 先週の惨状が全てだよ! ちょっとでもミミりんが絡むとガールズトークにならないんだよ!」


「仕切り直しも出端からこれで大丈夫なのかしら・・・」



4678.


「ネガティブ思考はダメだよモウりん! ガールズトークやるよ! 気になる男子とかいないの!? 工藤君とか!」


「えぇ? ダメよあんなやつ。推理小説とサッカーの動画にのめり込んでるのはいいとしても、ネットで批判してばっかりなんだから、やんなっちゃう」


「そこをなんとか!」


「私は何を頼まれてるの?」



4679.


「ですが確かに、匿名なのをいいことに他者を批判してばかりの人とは、男女問わずあまり一緒にいたくはないですわね」


「そんなことをしてる人に限って自分じゃ何もできないこと多いからね。美々香みたいに」


「ミミりんの話は禁止!」


「しまった! 私としたことが・・・!」



4680.


「制限が付いてしまうのもやりづらいですわね・・・共通の友人のはずなのですが」


「その“共通の友人”が私たちの頭を悩ませてるからこうなってるんだけど」


「みんなの苦労、お察しするわ。私は最悪は実力行使で黙らせることができるから」


「モウりん強いの羨ましい!」



4681.


「その話をしてもガールズトークからは遠ざかるわね・・・佐藤さんの好きな人、は5組の鈴木君にフラれたんだっけ。サバさんは誰かいないの?」


「アタシも気になる! お嬢様と庶民の禁断の恋!」


「期待してるようなことはありませんわよ。サバへの愛か当家の利益、両方を兼ね備えた方でないと」


「サバさんのもガールズトークにならないわね・・・」



4682.


「結局残るは佐藤さんになったわね。失恋したからってまた新しい恋はできるはずだし、何かないの?」


「まだ無理だよ! まだ失恋引きずってるもん!」


「そもそもどうして失恋してしまったのでしたか?」


「ありきたりな苗字の人とは付き合えないって! ホントサイテー! あっちだって鈴木のクセに!」



4683.


「えっと、佐藤さん・・・失礼を承知なんだけど、もう少しガールズトークに適した理由でフラれることはできなかったの?」


「ミズりんヒドい!」


「まぁまぁ、落ち着いてくださいまし佐藤さん。実はその鈴木さんも、本心では別の理由だったのかも知れませんわよ? そう、例えば・・・そもそも佐藤さんに興味がなかったとか」


「サバりんもヒドい!!」



4684.


「もう! 2人ともちゃんとアタシを慰めて!?」


「なんで慰めなくちゃいけないのよ・・・」


「慰めきれないなら失恋を味わって!」


「なんて無茶を言うんですのよ・・・」



4685.


「というかミズりんはもう失恋してるよ! だってミミにぃ絶対ミズりんとは結婚しないもん!」


「え、何? もしかして、自分が失恋したからって人の不幸を願ってる? それは人としてどうなの?」


「違うよ! 現実を見た方がいいってアドバイスだよ!」


「あの・・・お2人とも?」



4686.


「ゴメン! ちょっとヒートアップしちゃった。夏だから」


「私も、つい・・・アツだから」


「ふぅ、助かりました。あと少しで、毛利さんに力づくでも仲介に入って頂くところでしたわ」


「私ってそのために呼ばれたんじゃないよね・・・」



4687.


「もちろんですわよ。さあ、ガールズトークの続きをいたしましょう」


「恋愛関係はもう無理ね。盛り上がるような話のネタを誰も持ってないわ」


「その時点でガールズトークとしてどうなの・・・」


「まだ大丈夫だよモウりん! 私たちには、女子だけでしか話せないような何かがある!」



4688.


「女子だけでしか話せないようなものねえ・・・普段のトレーニングの話は?」


「「「却下」」」


「それじゃあ・・・体中の闘気の巡り、とか・・・」


「「「却下」」」



4689.


「ごめん、私には話題を提供できそうにないわ・・・明星さんは?」


「えぇ?? でも私、美々香の義姉になることしか考えてないから・・・佐藤さんは? この中で一番ガールズトークできそうだし」


「ちょっと待ってくださいまし。このわたくしという淑女を差し置いて佐藤さんが一番とはどういうことですの?」


「正直、サバ令嬢さんとはあんまりガールズトークができる気がしない・・・」



4690.


「ひ、ひどいですわみずきさん! これでもわたくし、業界の淑女たちとの会話がよく弾みますのよ?」


「でもそれって、なんか、こう・・・ビジネスの要素が強そうなんだケド。多分周りの人もサバりんとの交友関係をステータスとしか思ってないヨ」


「まぁ! 何てことを言うんですの!? まぁ? 庶民には淑女の淑女たる高尚な交流は理解できないことでしょうけれど?」


「えっと・・・サバさん?」



4691.


「し、失礼しましたわ! わたくしったら、つい悪い癖が。止めてくださってありがとうございます、毛利さん」


「お礼を言われるほどではないけど・・・」


「サバりんがあんまりガールズトークに向かないことが分かったネ」


「考えてみればわたくしも、お仕事関係の話題しか持っておりませんわね。佐藤さん、お願いいたしますわ」



4692.


「んーー、じゃあどうしよっか? 好きな俳優とか?」


「俳優って、誰がいるんだっけ?」


「わたくしは時々お顔を拝見することもありますけれど、皆さん同じに見えてしまいますわね・・・」


「私も、武闘の選手以外は覚えらんないのよね」



4693.


「もう~。みんなもっと芸能人に興味持ってよ~。俳優がダメなら、よく見る動画とか!」


「最近のマイブームは、撮り鉄同士の醜い争いね」


「サバの研究に終わりはありませんわ。今でも新しい発見がありますのよ♪」


「他の選手の対戦の様子も、見てて面白いものがあるわね」



4694.


「もう! みんなマニアックすぎるよ! それじゃあコレ! 最近食べたスイーツ!」


「あーそういえば美々香にプリン食べられたんだった。思い出しただけで腹が立ってきたわ・・・!」


「先日、サバを使ったシャーベットを試食しましたわね。製品化には向けてはまだまだ課題が山積みといったところです」


「果物はよくそのまんま食べるけど、スイーツ、と呼べるようなものは食べてないわね。なんだか、体づくりに向かないような気がして」



4695.


「ねえ、みんな・・・」


「気付いて、しまいましたわね・・・」


「私たちじゃ、私たちじゃあ・・・!」


「「「「ガールズトークにならない・・・!!」」」」

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