2025/05/08
4548.
「んっ、はよー、さ~~ん」
「あら美々香。昨日はお疲れだったわね」
「別に私は疲れちゃいないが・・・クレセントの奴は大丈夫なんかね。サバ令嬢の姿もないが」
「お呼びになりまして?」
4549.
「お、来たか。てっきりあのまま3日ぐらい塞ぎ込んじまうかとも思ったが、立ち直ったのかよ。つまんねえな」
「ふんっ。そう何日も無様を晒すものですか。わたくしは誇り高き世界サバ・フィル・ハーモニーの・・・」
「はいはい、わかってんよ。クレセントは無事なのか?」
「ええ。昨日のうちに意識は戻りましたわ。まだあちこち痛むようで立ち上がることすらできませんが」
4550.
「良かったわ。目が覚めたのね」
「ったく、あいつもタフだねえ。まあ、昨日の今日で平然と学校来てる毛利はもっとヤベェが。ピンピンしてやがるぞあいつ・・・」
「これでは負けるのも当然ですわね。彼女との差はクレセントちゃん自身も分かっているようで、落ち込むというよりは改めて毛利さんの強さを再確認したという感じでしたわ」
「ふふ、すぐに元気を取り戻せそうね」
4551.
「という訳ですから毛利さん!」
「ん?」
「今回のところはこちらの負けを認めざるを得ませんが、次はこうは行きませんからね。覚えておいてくださいまし」
「小物なライバルキャラみたいな捨てゼリフ吐くなよ・・・」
4552.
「昨日は私も危なかったわ。社交辞令ではなく本心よ。だけど、次も、そのまた次も、何度機会があっても譲るつもりはないわ。そちらこそ、覚えておいてね」
「く、くぅぅ~~っ。悔しいですわぁぁぁっ。ですがそんなことを言ってられるのも今のうちです。次にリベンジを乞うことになるのはそちらの方ですからね!」
「フッ、今後が楽しみだな」
「どうでもいいけどサバ令嬢さんのセリフの小物感は何とかならないのかしら・・・」