2023/01/01
4274.
「お~~しょうが~つ~が~こ~と~し~も~」
「やめて?」
「やめない! という訳で謹賀新年!」
「初めから歌わずにやりなさいよ」
4275.
「美々香さんもみずきさんも、明けましておめでとうございます」
「あけおめだ」
「ことよろね」
「あけおめことよろワンダフル、ですわね」
4276.
「ワンダフルって何だよ。てか今年の干支何だっけ」
「癸卯ですわね」
「みずのとって何だ?」
「十干の1つたいね」
4277.
「ん? その声は・・・ばあちゃん!」
「まあ、美々香さんの・・・」
「へえ。お孫さんとは違ってすごく優しそうな・・・」
「文句あんのかみずき?」
4278.
「文句なんかないわよ。ただ、この優しい人からどうやって美々香みたいな孫になるのかなって」
「そりゃおめえ、親父はばあちゃんの血を引いてるが母さんは・・・あ」
「それって・・・」
「もうこのお話はやめにしませんこと?」
4279.
「美々香ちゃんのお友だち? 2人ともべっぴんさんたいね~。どっちが涼太君のお嫁さんになるとね」
「どっちもなんねーよ何言ってんだよ」
「何言ってるのよ私がなるのよ」
「このお話もやめにしませんこと?」
4280.
「ばあちゃんも友だちとティータイムか? 相変わらず正月にウチに来ないな。じいちゃんは来てんのか?」
「もう着いとるっちゃなかかねえ。おじいちゃんも美々香ちゃんに会いたがっとったよ。世界征服計画がどうなっとるか聞きたかって」
「あーそれな。この1年は0.5歩前進ってとこかな。後でじいちゃんに言っといてくれ」
「いきなり壮大なお話になったのですけれど」
4281.
「それじゃあ、おばあちゃんは行くけんね。お友だちも、美々香ちゃんみたいな子と仲良くしてくれてありがとうね」
「さらりと毒吐くじゃねぇかばあちゃん」
「涼太君との曾孫も期待しとるけんね」
「ものすごくいいおばあちゃんじゃないの」
4282.
「中々につかみどころのないお祖母さんでしたわね」
「ああいうのに限ってやり手だったりするんだけどな。ところで何の話してたっけ?」
「干支の十干・・・」
「もういいか」