表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
256/336

2022/09/03

3743.


「ようこそ、9月へ」


「別に待ってはいなかったけどね」


「返せよ、返せよ夏休みを。なぁ・・・!」


「11ヶ月待てば戻って来るわよ」



3744.


「そういえば普通に最新話が更新されたわね。作者さんは大丈夫なの? 大変な時期なんでしょ?」


「奴だって9月を待っちゃいなかった。だが、それでも9月はやって来る」


「それで、大丈夫なの?」


「興味深いお話をしておりますわね、お2人とも」



3745.


「よく来たなサバ令嬢」


「ふふふ、会社を経営する身としては気になりますからね」


「そういえば作者って、会社経営したこともないのに経営者を登場人物に据えてんのか」


「さすがにそれを要求するのは無茶でしょう・・・」



3746.


「それで、作者さんのお仕事はどうなったんですの?」


「そのために更新された最新話だからな。それじゃあいくぜ? 満月美々香劇場、作者の仕事物語」


「なんか始まったわね・・・」


「せっかくですから聞いて差し上げましょう」



3747.


「それは、半年前のことだった。作者は必死に、測り続けた。チームメイトが作るサンプルを、何も考えずに」


「せめて何かは考えてて欲しかったわね」


「考える余裕などなかった。そう、改善策でさえも。とにかく色んなパターンを作りまくって当たりが出るのを信じるしかなかった」


「それ上手くいかないパターンですわよ?」



3748.


「でもそうするしかなかった。不良の原因を調べるには分析に出すしかない。しかし年度末、色んな人が予算消化のために金を使うから分析業者もかき入れ時。納期は1週間や2週間では済まない。待っていると、詰む」


「その状況がもう詰んでるんじゃないの?」


「だが、作るしかなかった。成果報告の期日はまだ来ていないからである」


「もういっそトドメを刺してくれ、とか思ってそうですわね・・・」



3749.


「そんなある時、仲間から連絡が入った。装置が壊れたと」


「トドメ刺されちゃったじゃないの・・・」


「この時、作者は肩が軽くなったという」


「賢者モードに突入しましたわね」



3750.


「本当の賢者なら乗り切れたんだろうがな。結局は確実に壊れない出来合いのもので妥協。なんとその性能は目標値の1000分の1にとどまった」


「今何て言ったの?」


「1000分の1だった。凄ぇよな。スマホのバッテリー容量で言ったら、目標10時間のところが36秒だぞ。話にならん」


「わたくしはいま美々香さんの計算スピードに驚いているところです」



3751.


「心配すんなよ、私はセリフを読み上げてるだけだからな。テストで出たらどっかでミスって間違えてるぜ?」


「余計に心配になってしまったじゃないの」


「今は作者の心配をしようぜ? 半年前の話は終わりで、現代に切り替えよう」


「半年前のことを終わった時代みたいに言わないでくださいまし」



3752.


「さて前年度成果は詰んだ訳だが、開発の継続は決まっていたために許された。報告書もまあ、基礎検討で改善したパーツがあったからそのこと書いて形だけは成果が出たことになった」


「シビアなのかぬるま湯なのかよく分からない会社ね・・・」


「いつジュワッと人間ごと蒸発するか分からないぬるま湯に浸かってると思えばいい」


「経営幹部としては点火してるつもりはないのですけれどね。どちらかというと底を抜いて丸ごと落ちてもらってます」



3753.


「そして、あれから半年。なんとか動くようになったのである。目標性能の70分の1ぐらいで」


「全然届いてないじゃないの!」


「馬鹿野郎。半年前と比べてみろ、15倍だぞ15倍」


「まあ、この手のものは目標が異様に高いことがありますからね」



3754.


「そのことについては作者も疑問に思っている。なぜ達成できないと分かってて有り得ない目標を立てるのか。状況がヤバいことすら知ってて体裁さえ取り繕えばOKになるのか」


「幹部も誤魔化されたフリしてるってのが凄いわよね」


「まぁ気付いちゃったら終わるしな」


「懐に余裕があると、まぁもう少し続けさせてみようと思うことはありますわね」



3755.


「そんなこんなで作者は今、平日に会社で測定をして休日にそれを整理する日々を送っている」


「色々とおかしいんだけど・・・」


「おかしくなんかないさ、会社にいる間しか測定は進まないだろ?」


「結果の整理も仕事なのに測定フルスロットルって間違ってますわよ・・・」



3756.


「別にヤツだって平日にデスクワークをしない訳じゃないさ。測定にだって待ち時間はあるからな。だが、平日は仕事が増えるからそれに潰れる」


「なんだか借金して利子だけを払い続けてる感じね・・・」


「ちなみに作者本人はこの作品を書いてる時がそんな気分らしい」


「ふざけてますわね。ちょっと喝入れた方がいいんじゃないですの?」



3757.


「そして報告書の提出日が次の平日中に迫っているから明日でそれを完成させる予定だ」


「でもこんなの書いてる暇があるってことは、目途が着いたってことよね」


「そして考えるべきは、残る半年をどう乗り切るかということさ。トゥービー、コンテッド・・・」


「え、続くんですの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ