2022/08/27
3465.
「そんな訳で親父が復活した。母さんもな」
「あら良かったじゃない。ようやく一家せいぞろいね」
「どこに良いことがあるかよ。このロクでもない満月家が全員そろったんだぞ」
「自覚あるんなら日々の行動を改めてくれないかしら・・・」
3466.
「それにしても凄いわね美々香のお母さん、お父さんが働けなくなったのに実家に帰るなんて」
「まぁ私の親だからな。ただ一応フォローしておくなら、母さんが見たのは貢いだ女からの別れメールを見て灰になった親父だ。まさかあのまま鬱で休職するなんて思ってなかっただろうさ」
「でも知らされた後も2ヶ月戻って来なかったのよね・・・」
「そうだが恨みはしないさ。私だってあの立場なら同じことするからな。金を稼げなくなった男に価値なんてないだろう?」
3467.
「さらりと問題発言をしないでよ。美々香みたいなのがいるから家事は女の仕事だとか言われるのよ」
「知るか、お互い様だろ。それはそれとして、この2ヶ月で分かったことがある・・・私らの家、別に母さん要らなかった」
「問題発言を重ねないで?」
「それは両親が健康で子供放置して実家に帰ったりもしないから言えることだ。エゴを押し付けるのはやめたまえ」
3468.
「だがまぁバイトを始める良いキッカケになったよ。母さんの家事手伝って300円よりよっぽど良いね。なぜわざわざ薄給の親父からの小遣いをアテにせねばならない?」
「娘にこんなこと言われたらお父さんもショックしかないわね・・・」
「それは稼いでから言えって話だ。親父が大手本社に就職した時の同期、全員クビになったのか? そんな訳ないだろう」
「美々香には家族が辛い時みんなで頑張ろうって感情がないの?」
3469.
「ない。あるのは金を欲する本能だけだ」
「それは本能と呼べるの?」
「金がなきゃ死ぬんだから本能さ。私をこうしたのは他でもない資本主義社会。こんな世の中にしておいて“辛い時は頑張ろう”なんて美談を求めるなんざ、自作自演もいいところだぜ」
「社会のはぐれものって、こうして生まれていくのね・・・」
3470.
「けっ、不貞腐れたらはぐれもの扱いだぜ。まぁいいさ。私は金を稼ぐことだけにこだわる。金だけはあることが取り柄の女になる!」
「ほんと、そこだけは何とかしてよね? ただでさえその性格なのに税金で生活してますなんてどうしようもないからね?」
「それだけで“どうしようもない”って言うのはまだ早いぜ? 犯罪に手を染めるまではセーフだ」
「下には下がいるのね・・・」
3471.
「あーさっさと卒業して本格的に働きてー」
「とても女子高生のセリフとは思えないわね。というか考えが甘すぎない? バイトしかやってないからそんなこと言えるだけで、実際の仕事って絶対もっと大変よ?」
「よく分かってるじゃないか。作者も期末へ向けての仕事があるから明日はこの作品をサボるぞ」
「ちょっと! それとこれとは別問題よ。仕事の方をサボりなさいよ!」
3472.
「そう無茶言ってやんなよ。半年前に詰んだ前年度の約束成果が今、果たされようとしているところなんだぞ!」
「それは大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないから必死こいてやってんだろ。今度は死ななきゃいいな、作者」
「今のうちにお墓の準備でもしておく?」




