↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
246/336

2022/07/23

3343.


「らら~~♪」


「ららら~~♪」


「ら~ら~ら~~~♪」


「「わたしはざ~っそ~~~う♪」」



3344.


「あの、急に何なんですの? 自分たちが雑草だなんて歌い始めて」


「フッ分かってないなサバ令嬢よ。私たちは雑草の魂を理解する運命共同体なんだぜ?」


「そうだよサバりん。雑草の気持ちが分からないなんてそれでも大企業のご令嬢なの?」


「それが分かる令嬢なんてどこにもおりませんわよ」



3345.


「うわ本気かよこいつ。もはや生命体としてどうなんだってレベルだぞ」


「いや、お2人の方が正気ですか? 雑草は雑草。人は人。自然のことにも気を配らねばならないのは確かですが、彼らの心を理解とまではいかないでしょう」


「ダメだよサバりん、そんな理由で諦めてちゃ。アタシたちは何千、何万という雑草の上に生きてるんだよ? 雑草がなければ今の人類はないんだよ? アタシたちは雑草なんだよ?」


「すみません最後のが飛躍し過ぎてて全く分かりません」



3346.


「いいか、サバ令嬢。お前は雑草を否定するが、見ろ、今もこうして数多くの著名人が雑草を思いやり、雑草の心を理解しようとしてるんだ」


【私が世界一売れるスマートフォンを作れたのは他でもない、雑草が私に勇気をくれたからだ】


【こうしてハリウッドのレッドカーペットを歩けることを嬉しく思います。ここまで来れたのも、私が雑草と共にあったからでしょう】


「どちらも翻訳が実際の発言と合っておりませんが?」



3347.


「何・・・!? いや、そんなことはない。多分お前が知ってる英語の方が偽物なんだろう」


「どんな状態ですか。わたくしは然るべき機関から教育を受けております。それにほら、動画のコメント欄にも翻訳がデタラメという指摘がありますでしょう」


「あー言えばこー言うねサバりん。それじゃあ、これならどう? 翻訳なんていらない日本人の発言」


【人は、雑草です。雑草は、世界です。つまり私たちは、世界なのです】



3348.


「いや何なんですか、この危ない発言をしている人は」


「危ないのはお前の方だ。雑草を何だと思っている。そんなことでは雑草協会を敵に回すぞ。さすがの世界サバ・フィル・ハーモニーと言えどそれはお勧めできない」


「意味が分かりません。わたくしこれでも見聞は広く持っておりますが、雑草協会というものは初めて聞きましたわよ」


「サバりん黙って? アタシたちは雑草なの。雑草じゃなきゃいけないの。もしサバりんが雑草協会を知らなくても、雑草は確かにそこにあるの」



3349.


「う・・・なんだか、頭がクラクラしてきましたわ・・・」


「言わんこっちゃない。さっさと自分が雑草であることを認めないからだ」


「ほら、サバりん、前を向いて? そこには、雑草があるから。雑草は、どんな時でもサバりんの味方だから」


「あ、あぁ・・・ざっ、そう・・・」



3350.


「あぁ・・・なんだか、雑草が愛おしく思えてきましたわ・・・」


「そう、それでいいんだ。私たちは雑草なんだから、同族を慈しむのは当然のことさ」


「さあ、サバりん、解放して? サバりんの中に眠る、雑草の心を」


「さっ、そう・・・。そう・・・わたくしは、ざっそう・・・・・・」



3351.


「フーーーーーーッ!!」


「イェーーーーーーーーーッ!!」


「ついに言わせたぞ! サバ令嬢の口から、“わたくしは雑草”!! これは大事件だ! 世界サバ・フィル・ハーモニー社長令嬢が自らを雑草と発言! このスクープ映像を七つの海に向けて発信だぁ!!」


「この想い届けーーーー!!」



3352.


「はっ、わたくしは何を・・・?」


「フッもう遅いぜサバ令嬢。お前がサバではなく陸に生きるという事実が光の速さで全世界に広められた」


「何ですって・・・!? あっ、あわあわわわわわわぅわぅわぁ~~~~ん!」


「慌ててるサバりんもカワイィ~~ッ!」



3353.


「なぁ~んちゃって」


「なに・・・貴様、その余裕はどこから出る!」


ザッ。


「!? ・・・その足音は、ジョン! ベンジャミン!!」



3354.


「わたくしとしたことが、もう少しであなた方の策略にハマるところでしたわ。ですがこんなこともあろうかと、わたくしにレンズが向けられるとその端末は瞬時にネットワークから切り離されるようになっているのです」


「なん、だって・・・!? くっマジだ! バカな! いくら世界サバ・フィル・ハーモニーでもこんな大規模な仕組みをどうやって・・・!?」


「ジョンによる遠隔操作です」


「いやその場でやってんのかよ」



3355.


「惜しかったですわね。今の映像もこの場で消させて頂きますわ。ベンジャミン、おゆきなさい!」


サッ。


「くっ、速い! うっ、わっ、このっ、返せっ! おい純・・・ってお前なに面白がってこの光景撮ってんだよ!」


「だって面白いから」



3356.


「ふん。美々香さんがSPに取り押さえられている姿は残しておくとしましょう。佐藤さん、その端末をこちらへ」


「あいあいさー!」


「おい純! 裏切りやがったな!」


「え? だってさっきの動画消された時点で負けじゃん。そりゃ強い方の味方に付くよね」



3357.


「全く。油断も隙も有りはしない。よくもまぁ人を催眠術みたいな真似で洗脳しようとしてくれましたわね」


「いやサバハーモニーも似たようなことやってんかんな・・・てかジョンとベンジャミンもさっきの見てただろ? どうだったか? 自分の主が雑草を自称した姿は」


「・・・・・・ぷっ、くくく・・・」


「 ベ ン ジ ャ ミ ン !!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。