2022/07/17
3338.
「シャンプー、シャンプー、っと。・・・あぁ~~ん?」
「どったのミミりん?」
「どうしたもこうしたもねーよ。シャンプー変えようと思ってんのに、詰め替えの中身ばっか並んでて容器の方が売ってねーんだよ」
「あぁーー。あるあるだねー」
3339.
「いやいや、ひどいだろこれ。」
「袋のまま使えばいいじゃん? 中身は一緒なんだし」
「バカ言ってんじゃねーよ。お前シャンプーボトルの凄さを知らないだろ。押すだけで出るのはもちろんのこと、中身は常に密閉されてるから水滴とかが入らないんだよ。わかる? これが。空気中のチリとか、目に見えない水しぶきとかが入るだけでどんだけクオリティ下がると思ってるの? 異物だよ? 異物。せっかくメーカーが細かぁ~い成分まで考えて作り上げたものに、異物を混ぜるんだよ? 冒涜だよ冒涜」
「そんなこと言ってたら詰め替えもできないじゃん・・・」
3340.
「はぁ~~~っ・・・これだから素人は。いいか? 詰め替えは湿度の低い空間でもできるし、その1回だけ。でもボトル使わずに袋のままやってたら、毎日のように水蒸気ムンムンの風呂場で開封されるワケ。これでせっかくのシャンプーの質がどんだけ下がると思ってんだよ」
「絶対ミミりんが気にする程には下がんないよ」
「なんだ? 私の髪の質が大したことないって言ってんのか? あぁ~~ん??」
「そう言ったんだよ。てか実際そうでしょ?」
3341.
「そういう純はヘアケアにちゃんと気を使ってんだろうなァ?」
「ミミりんの100倍はね」
「100倍だぁ? そんじゃあお前シャンプーに5万円かけてんのか? あぁ~~ん??」
「やっぱミミりんも素人だね。お金が全てじゃないよ。むしろお金以外の部分が大きいよ。自分がどれだけ髪を大事にしてるのかってのは、もうその人の髪を見るだけで分かるの。 分かる? これが。 髪を愛し、髪をいたわり、髪の全てに情熱を注いだ先に辿り着ける領域を、見たことがある人はヘアケアをお金で語らないんだよ」
3342.
「おいおい、純のクセに大したクチきくようになったじゃねぇか。じゃあこの店の惨状をどう語るよ? 詰め替え、詰め替え、詰め替えばかり。んで、それを入れるための純正ボトルなし。かと言ってオリジナルボトルを売ってるワケでもなく、隣の100均で買えと言わんばかりだ」
「それが全てなんじゃないの。お店に並べないってことは買う人が少ないんだよ。だったらさ、誰も買わないボトル入りなんてやめちゃって、たくさん種類並べた方がよくない? ミミりんみたいにその場で良さそうなのを探す人ばっかりじゃないんだからさ、お目当てのものが無かったら帰っちゃう人もいるワケ。そしたらシャンプーと一緒に買うはずのものまで他店で買われちゃうんだよ? 文句言うならさ、理由ってやつを考えようよ」
「それは純の憶測に過ぎない。それに見ろよ。あっこの1500円とかするやつはちゃんとボトル入りまで売ってる。買い替えを考えてる客にあっちを買わせようって魂胆なんだよ。だが私はそんな手には乗らない。一番安いやつにした上でボトルは100均で買わせてもらう!」
「それでよくシャンプーの質がどうとか言えるよね・・・」




