2022/06/26
3269.
「あ、ミミりんおかえりー」
「何で当然のようにうちにいるんだよ」
「ふっふっふ・・・バイト落とされたから代わりに家事で貢献しようと思って♪」
「お前・・・私ですら通ったのに落とされたってどんだけ無能なんだよ」
3270.
「ほらよ、まかないの牛丼だ」
「え゛、ご飯作っちゃったんだけど」
「バカか。私の性格的に飲食でメシもらって来るに決まってるだろうが」
「だってだって~~~」
3271.
「てかミミりん、あれだけイタリアンに行きたがってたのに牛丼にしたんだね」
「そりゃもちろん行きたかったさ! だが落ちた!」
「なんだアタシと一緒じゃん。さっき人のことバカにしたの返して?」
「一回落ちたことで諦めて次に挑戦しなかった純と一緒にしないでくれるかな?」
3272.
「あ、ミミりんちテレビあるんだー、意外~」
「親が2人とも見るからな。純のとこはテレビ売ったのか?」
「モチだっぴよ。だってテレビ持ってたらアレあるっしょ? あれ」
「あぁ、あるぜ。アレが」
3273.
「まさか、見もしないのにお金取られるのをミミりんが甘んじるとはね」
「まぁ金払ってるのは親だしな。てか母さんが朝ドラ見るから普通に文句言えない状態なんだわ」
「そっか~。まぁぶっちゃけほぼ朝ドラ視聴料金だよね~」
「昔は私と兄も教育番組見てたぜ?」
3274.
「そっちは朝ドラも卒業したんだな」
「うん。だって、月500円で見放題やってるトコいくつもあるのに、番組選べないのに1200円ってサブスクとして終わってるでしょ」
「“公共放送”が聞いて呆れるよな。営利組織たる民間企業よりもサービス弱くて値段も高いとか」
「ぴよ」
3275.
「ミミりんたちも早く卒業しちゃいなよ」
「ところがどっこい。テレビを売り捨てずとも私らに支払い義務はなくなった」
「えぇ!? どうやったの!? 犯罪だよ!?」
「犯罪って決めつけんなよ。今ウチがどんな状態だと思ってるんだ。親父は女に騙されて鬱で休職し、母さんは実家に帰った。ガキ2人じゃ無理だと訴え続けたら免除されたぜ」
3276.
「やったねミミりん!」
「全くだ。そもそも私も兄も自発的にはテレビ見ないんだ。余計なもん払わされてたまっかよ」
「じゃあせっかくだからアレのチャンネル見てみようよ!」
「いいなそれ。受信料免除されたせいか無性に見たくなってきたぜ。タダって最高だよな」