2022/06/19
3227.
「あ、ミミりん。えっと、おはよ~~」
「何だよ純。妙な気を使うなんてよしてくれよ」
「あはは、さすがにこっちも心穏やかでいられないっていうか」
「まあ、その気持ちは分かるがな」
3228.
「えっと・・・大丈夫?」
「心配するな。とりあえず親父の休職手続きは私と兄で済ませた。当面の生活費もバイトで何とかするさ」
「え゛、そこはサバりんが助けてくれるんじゃないんだ」
「いやアイツんちに借り作るの怖いだろ」
3229.
「そもそもアイツは個人への寄付はしないからな。だがまあバイトの日は部活休む許可はもらったぜ」
「てか元から何してるかわからない部活だったっぴよね」
「さーて何のバイトにすっかなー」
「あ、これから探すんだ」
3230.
「あのさ、ミミりん・・・バイト、アタシも手伝っていい?」
「はあ? 何でだよ。ウチに来た2回でどっちも不吉なことが起こったからって責任感じることは無いぞ?」
「あるんだよ! 感じざるを得ない理由が! アタシには!」
「ワケわかんねーこと言うなよ」
3231.
「ミミりん! お願いだから何も言わずに手伝わせて! ていうかアタシを殴って!!」
「何でだよ」
「佐藤家の誇りためだよ!!!」
「お前は“佐藤”って苗字にどんな誇りを持ってるんだよ」
3232.
「ミニミニミニスカート!」
「どうした純いきなり」
「ミニスカカフェやったらどう? ミミりん絶対似合うよ!」
「お前それ客として来て私を笑うつもりだろ?」
3233.
「違うよ! アタシも一緒にミニスカウェイトレスやるよ!」
「お前その服着たいだけだろ。バイトするんなら勝手にしろ」
「コンビニとかファミレスより稼げるよ! ホラ! 高校生は大学生より時給高いの!」
「なんだよその怪しすぎる店。乗ったぜ」
3234.
「フッまさか殴り込んだその日に即採用とはな。益々怪しいぜ」
「でもお店のフンイキ割と普通だったね! 男の人は多いけど! てか制服カワイーじゃん!」
「パンツはこれか。敢えて見せにいくスタイルなんだな」
「スカートの方が短いとかウケる!」
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「それじゃあ美々香ちゃんに純ちゃ~~ん。お店の方によろしくぅ~。2時間で6000円ずつだよぉ~ん? 赤いリボンが、女子高生の証だからしっかり見えるようにねぇ?」
「お任せください、マスター」
「てんちょーよろぴく!」
「ふふふ、元気があっていいねぇ~~。ふふふ・・・」
3236.
「いらっしゃいませ~」
「ちょいちょい、そこの君、こっち」
「はいは~い」
「うわ・・・ミミりんのあんな姿、初めて見た」
3237.
「ご注文は以上ですか?」
「それと、これあげるから、この場で1回高速ターン、お願いね?」
(チッ100円か)「もう2枚つけてくれたら、おしりフリフリもしちゃいますよ?」
「おぉっ? いいねえキミ~~」
3238.
(ミミりん、お客さんから直接お金もらってる・・・! こんなのありなのてんちょ・・・グッドサイン帰ってきたー・・・!)
「おーい、そっちのお姉ちゃ~~ん」
「はーい、今行きま~す!」
(よーし、ここは必殺!)「あちゃっ!」
3239.
びしゃーーん。
「わ~~っ! ごめんなさ~~い!」
「いいよいいよ、ただのお水なんだから。えーっと、ハンカチハンカチ・・・」
「あ、ダイジョブです! アタシが拭きます!」
3240.
「おっ、おぉ~~。すまないね、お姉ちゃん」
(うわーこんなんで喜ぶんだー。パパりんもそうっぽいし、こういう人っているんだな~~)
「あの、お客さん・・・アタシが自分の胸元に水こぼすって言ったら、いくらくれます・・・?」
「へぇ・・・これでどうかな?」
3241.
(やった! 1000円だ!)
びしゃーん。
「うわ~~~ん! やっちゃったぁ~~~!」
「ちょっと君、大丈夫?」(女子高生の濡れ透け! なんていい景色だ!)
3242.
(おいおい、純のヤツも中々やるじゃねぇかよ)
カララン、カララン。
「いらっしゃいま・・・って、な・・・!」
「ご機嫌麗しゅう、美々香さん?」
3243.
「えーっと・・・当店のご利用でしょうかあ?」
「もちろんですわ。わたくし含め、4名です。さあさあ、案内してくださいまし」
「あ、は、はい~・・・」
(くっそが、服部はともかくみずきとみずき兄まで・・・!)
3244.
「おい、何しに来たんだよお前ら」
「あら、いくら小声だからって、そのお仕事でそんな口調で喋っていいんですの?」
「ゴチャゴチャうるさい。冷やかしに来たんなら帰れ」
「美々香さんがお金のために働く姿、見逃すなんて有り得ませんわ?」
3245.
「美々香さんがアルバイトをすると聞いた時は、おかしさのあまりお腹がよじれそうでしたわ? しかも、こんな、はしたない・・・ククク・・・笑わずにいられませんわぁぁ~~~っ」
「おいテメーまじぶん殴るぞ」
「でも良かったじゃない美々香。あなたいつか将来似たようなことして金持ちとくっつくつもりなんだから、練習になって」
「くっそが・・・死ぬほどお前らにもさせたくなってきたぞこれ」
3246.
「まぁ店の売上げには貢献するから許せ。俺はアイスコーヒーで」
「わたくしはカフェ・オゥ・レィトでお願いしますわ」
「僕もそれと、あと、100円出せば踊ってくれるって本当ですか?」
「お前マジ明日シバくぞ服部」
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「いいじゃないですか美々香さん。誇ってもいいことですわよ? お金のためとは言えそんな格好をするなんて、誰にでもできることではありません。恥知らずというのも1つの特技ですわよ」
「大丈夫だぜサバ令嬢? 誰にだってできるさ。お前もそのスカートの内側の綺麗な薄黄色のおショーツをこの場にいる殿方に見せて差し上げたらどうだ?」
「なんで知ってますのよ!!」
「ふふふ、企業秘密さ」
3248.
「へぇ・・・あの子は薄黄色か」
「うんうん、イメージ通りだ」
「ちょっ、ちょぉっ・・・!?」
「おっとすまない、声がデカくなってしまったみたいだ」
3249.
「お嬢さんイイこと教えてくれてありがとー! 受け取ってーい!」
「ちょぉっ!? 人の個人情報をさらして稼ぐんじゃありませんわよ・・・!」
「いいか? 私はここの従業員だ。客を楽しませたんだからチップを受け取れる。この店のルールなんだよ」
「わたくしも客として来ていますが!?」
3250.
「何言ってんだよサバ令嬢。ここに注意書きにあるだろう? “従業員がお客様のお体に触れたり、下着を覗き見たり、色や柄を他のお客様に教えることもございますが、パフォーマンスの一環です。このことに対してお客様からの苦情は一切受け付けれらません”ってな」
「ちょぉっ・・・こんな小さく・・・! なっ、なんのつもりですのよ・・・!」
「書いてあるんだもぉん。読まない方が悪いに決まってるだろぉ?」
「くっ、くぅぅぅ~~~っ」
3251.
「てかお前いつもガードゆるいんだよ。ジョンとベンジャミンがいなきゃ学校でも結構男子に見られてんぞ。こういう店に来るってぇのにアイツらはどうしたんだよ」
「あの窓の向こうでしゃがんでますわよ」
「いんのかよ・・・」
「次、同じようなことをしたらお仕事中でも強制連行しますわよ」
3252.
「えぇっと、みずきは抹茶オーレとバニラアイスだな。他に何かあるか?」
「あの、満月さん・・・遅ればせながら、お嬢様の下着の色を聞いてしまった身として、これを出さずには・・・」
「まいどありぃ~」
「服部君!!!」
3253.
「お客様、こちらどうぞ~♪」
「ありがとう! もっかい回って欲しいけど、お友達がいたらキツいかな・・・?」
「ですね~・・・」(くそ、あいつら邪魔しやがって)
「まぁまぁ、また明日来るから」
3254.
「全員止まれ!!」
ドタドタドタドタドタドタドタドタ・・・!!
「な、なんだ・・・!?」
「この店で女子高校生を雇い過剰なサービスをさせていることは分かっている! 従業員も客も全員動くな!!」
3255.
「君、近くの高校の子だね? 身元の確認は取れている」
「なっ、なっ・・・!」
「初日から済まないね。しばらく高校生がいなかったようだから今日になった。まぁ、大学生でもダメなのだが、せっかくだから高校生が来るまで張らせてもらった」
「くっ、なんてこった・・・!」
3256.
「おい店長! これはどういう・・・!」
「まさか、こんな・・・お前は、松本・・・!?」
「そうさ。真面目にメイドカフェやってたのにお前らがこんな商売してるせいで潰れた・・・だから、取り締まる立場になって潰してやろうと思ったのさ! 5年も掛かったがな!」
「くっ、くっそがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
3257.
「おい待て! “くそ”と言いたいのはこっちの方だ! このバイトが今日で終わりなのはまだいい。だがまさか今日働いた分までもらえないなんてことはないだろうな!」
「ある!! 悪いが認められない! お客さんから個人的にもらった分もだ!! 大人しく引き下がるなら学校には黙っておいてやろう!」
「フッ、くく・・・ふっざっけやがってぇぇ~~~!!」
「ミミりん! 抑えて! ガッコに言われたらヤバいよ!」
3258.
「・・・それで、私たちはどうすればいいの?」
「どうするも何も、“客も全員動くな”と言われたんだ。解放されるまで待つしかないだろう。というか部長、なんとかなるか?」
「なりますわよ。こういうお店に高校生が来てたのもマズいですけれど、当家の力でもみ消しますわ」
「さすがはお嬢様です。それにしても満月さん、警察が張ってたから必然とは言え、初日からこれとはツキがなかったですね。名前は満月なのに」




