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2022/06/12

3192.


ガラララッ。


「ふぅ。やっと委員会の仕事が終わったわ。って、佐藤さん? どうしたの? サバ部に入るの?」


「入らないよ! こんな使われてない部屋を遊び場にしてるような部活には!」


「お前それサバ令嬢の前で行ってみろ? 1年は陸に上がれないからな?」



3193.


「相変わらず怖いねサバりん・・・てかさ、ずっと気になってたんだけど、サバりんの本名って何なの?」


美々香「!?」


みずき「!!?」


みずき兄「!!!!!!!!!!????????????」



3194.


「おい・・・マジかよ・・・ハァ・・・・・・。みずき兄、頼む」


「それしか、ないようだな・・・」


「信じられないわ・・・でも、これが現実よね・・・兄さん、本当に頼んだわよ・・・」


「え、待って!? アタシ何したの!??」



3195.


「オイオイ自覚なしかよ・・・重症ってレベルじゃねぇぞこれ」


「さすがの私も夢なんじゃないのかと期待し始めたわよ。お願い・・・早く覚めて・・・」


「残念ながら現実だ。とにかくここは俺に任せろ。佐藤純、来い」


「えぇっ!? ちょぉっ!? ホントに何!? 引っ張んないで! どこに連れてくの!? ミミりん! ミズりん! 見てないで助けて!!?」



3196.


「・・・ここでいいだろう。使われてない教室だ」


「ねぇ、ホントに何なの・・・? 女子と縁がないからってこんなコトしたらダメだよ・・・?」


「まだそんなことを言ってるのか。いいか、よく聞け佐藤純」


「真顔で佐藤純って呼ぶのやめて!? ちょっと怖いんだケド!?」



3197.


「ほ、ほら、いつものようにガトウ・ショコラとかマドウ・レイヌとか呼んでよ、ねぇ・・・!?」


「そんな軽口を叩くことができれば、どんなに良かったことか」


「だから何なの!? さっきからみんなオカシイよ!?」


「今に教えてやる」



3198.


「お前さっき何て言った」


「え、だから、さっきからみんなオカシイって」


「もっと前だ。みずきたちもいた時なんて言った」


「え? えっと・・・サバりんの本名わかんないよねって・・・え、これダメだった・・・!?」



3199.


「今頃気付いたか。お前は考えたことがなかったのか? なぜ、誰もあいつの名前を呼ばず、更には話題にさえしないのか。本人も、俺たちも、教師さえも」


「え、それは、そのぅ・・・変だなって思ってたよ? 不自然なほど誰もそこに触れないから」


「なら考えれば分かるだろう。いいか、全てのものに理由はあるんだ。誰も喋らないってことは、喋っちゃいけないことなんだよ。高校生にもなって何でそんなことも分からない」


「だって・・・だってぇ~・・・・・・」



3200.


「この際だから教えてやる。サバ令嬢の本名を知る者はこの学校にはいない。校長さえも知らん」


「えぇ!? そうなの!!?」


「市役所の人間でさえ担当レベルなら確実に知らん。ほんのひと握りの特別な職位にある者しか把握していない最重要機密事項だぞ」


「そんなになのぉ!!??」



3201.


「自分がどれほどの禁忌に触れたか理解したか?」


「でっ、でもっ、誰も教えてくれなかっ…」


「高校生がそんな言い訳をするんじゃない!!」


「ひぃぃっ!! ゴメンナサイ!!!」



3202.


キーン、コーン、カーン、コーン。


「よぉ純。昨日はどうだったか?」


「昨日・・・? 何言ってるのミミりん。お説教は今日まで続いたよ・・・見てよ、この目の下のクマを・・・」


「おやおや。まぁ、あのやらかしっぷりからすれば当然だがな」



3203.


「当然!? 何が当然なのぉ!? 2年の男子が1年女子を一晩中拘束したんだよ!? 保護者の許可なく! 普通に刑事事件だよ!?」


「お前自分がそんなこと言える立場にあると思ってるのか? お前の親なら昨日私らさえ帰る前に学校に平謝りに来たんだぞ?」


「嘘でしょぉ!!???」


「だから気付けよ事の重大さに」



3204.


「そ、んな・・・アタシが何したって言うの・・・!?」


「あら美々香さんに佐藤さん。おはようございます。本日もよいお天気ですわね」


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「え、どうなさいましたの佐藤さん・・・!?」



3205.


「すまない。ちょっと席を外しててもらえるかサバ令嬢」


「は、はぁ・・・どのみちホームルームのタイミングでリモート会議があるので構いませんけれど」


「よし、純。その10分の間に心を落ち着かせておけ」


「ていうかアタシ1回帰りたいんだケド・・・」



3206.


「何を甘えたことを言ってるんですか、佐藤さん」


「せ、先生! き、聞いてくださいよ! 昨日2年の先輩に空き部屋に閉じ込められて、それで、それで今日の朝までずっと・・・!」


「ひと晩で済んだことを喜ぶべきでしょう。その2年生に感謝なさい。でなければあなた、1年は日本列島の地を踏めなくなってたわよ?」


「だから何でそんなになの!??」

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