ラスト系スキル
「あっ、覚えました!」
「こちらも来たな」
「私の方も来たぞ。ハチ君は?」
「僕は来てないですね。まぁ、そんな気はしてましたが、そこは仕方ないです」
3人はラスト系スキルを習得したらしい。とりあえずどんなスキルなのか詳細を知りたい
「そのラスト系スキルってどんなスキルなんです?一旦詳細なデータを見せて貰っても良いですか?」
「勿論だ。ほら」
ハスバさんがウィンドウをこちらに見せてくれた
『【ウェポンズラストアタック】 アクティブスキル 消費MP 現在の残りMPの半分 このスキルは現在使用中の武器の耐久値が残り1桁の時しか使用出来ない。武器に応じて圧倒的な威力の攻撃を出せる代わりに残りの耐久値を全て消費する。耐久値の無い武器では使用出来ない』
「ふむふむ。条件的にはレアリティの高い武器ではなく、お店で買った武器とかの最期の輝きとかに使う技かなぁ……武器の耐久値が残り1桁の時点でまぁ戦闘にはならないだろうし……」
覚える条件としても武器を何個も壊す必要がありそうだし、まぁこれを持っていない人の方が多いだろうな
「さて、それじゃあやってみますか!」
「ハチ君の作った武器でこれを試すのか……」
「前にハスバさんの大金貨を使った時に比べたら、壊れないかもしれないってだけで充分ですよ」
ハスバさんと初めて一緒にダンジョンに入った時のアレはなぁ……一歩間違えば借金地獄だった訳だし、それに比べたら全然問題無い
「普通に比べ物にならないんだけどねぇ……まぁハチ君がそう言うのならやろうか」
という訳で、ハスバさんにデザイアで形作った剣を渡す。まぁシンプルな剣が一番良いだろう
「それじゃあ敵が来たら一思いにやっちゃって下さい」
「了解した」
「は、ハチ君。本当に良いのかい?」
「壊れちゃうかもしれないんですよ!?」
まぁ、2人の心配する気持ちも分かる。僕が、僕達が作ったデザイアを他人に委ねて破壊されるかもしれない。自分達が作った物だとしても、それは中々出来ない事だろう。でも、僕はこれは絶対に行けると確信している。僕らが作り上げたデザイアはこんな所で簡単に壊れたりはしない
「はぁ!」
ハスバさんの前にゴーレムが出てきて、そのレーザーブレードを横薙ぎに切り払う。ラストアタックの効果なのか、刀身がかなり伸びて、ゴーレムがバッサリと溶断され、一撃で倒されていた
「威力はまずまず。武器の方は?」
「壊れては……いないみたいだ」
よし!耐久値が1%以下にならない不壊の志の効果でしっかりと耐えたみたいだ
「流石デザイア。偉いぞ~」
ハスバさんの所から戻って来たデザイアを褒める様に撫でる。いやぁ、素晴らしい武器になった物だ
「という事は、ハチ君のその武器を使うと本来なら武器の最期の一撃に等しい攻撃を連発する事も可能になるのか……」
「僕自身はその攻撃は使えませんが、連携する仲間がラスト系スキルを習得していればその攻撃も出せますね。単純に威力が上がって攻撃範囲も増えてましたから、ラスト系スキルは対多数の戦闘でも普通に使えそうですね」
面制圧攻撃として、横薙ぎの一撃は前方扇状の攻撃範囲としていい範囲攻撃だし、これが大剣とかだったら振り下ろしとかでスキルで出る刀身が伸びたりして縦に大きい攻撃範囲とか、出来るかも?
「周りへの強化がエグいですね……」
「スキルさえ覚えていれば、ハチ君のあのデザイアを使う事で、実質ウェポンズラストアタックを出し放題……本来なら武器を失ってMPも半分使うのに、武器は残り、MPも回復する……これが自身への強化の制約した力なのか……」
確かにそう言われるとそうかも。出来るだけ自分への効果を減らして、仲間との連携の為にと思って作ったデザイアだけど、僕自身がデザイアを武器として使うよりも圧倒的に仲間が使った方が強くなる元のコンセプトに凄く近い武器になったと思う。僕の知らなかったラスト系スキルの要素も加わり、デザイアが武器として更に強くなったかな
「それじゃあ一旦帰りま……ん?」
「何か来てます。ただ凄く見辛いので、生物では無いかもしれません」
僕は何か地面の振動というか音で何かが来ている事に気が付いたけど、アイリスさんは生命探知系の目のスキルで敵が迫っている事に気付いた様だ。オーラでも地中から何かが迫ってきているのを感じる
「これは、地面から攻撃が来そうだな。よし、ちょっとバランスを取るのが難しいかもしれませんが、一旦飛びましょう」
「「「うわっ!?」」」
全員の足裏部分と背中の肩甲骨付近にデザイアを飛ばし、空中に浮かぶ
「うーん、4人全員を浮かせる事には成功したが、デザイアも全部使っちゃったな」
4人に4つずつデザイアを飛ばしているから16個のパーツ全てを飛ぶ用に使っている。あ、でもこの位の方が逆にマイルドで飛びやすいかも。前に使った飛ぼうとした時の奴は出力が強すぎて制御が利かなかったもんなぁ……
「うーん、地面が全部沼っぽくなってますね。これは普通に戦闘になってたら苦戦必至だったかも……」
足場を支配されるというのは非常に恐ろしい物。だからこそ、空に逃げた。急に地面が沼っぽくなったのもどう考えても敵の仕業だろう。さぁ、この状態で新しい敵との勝負と行こうじゃないか




