少し立ち止まって
「なるほどなぁ……突っ込む程度ならセーフ。そして動きは全部一緒か。増やした分その先で攻撃を受けたりすると、戻した時に攻撃を受けた分、僕本体の腕に来る訳か。ポータルで腕を増やし過ぎたら攻撃を受けまくってそれこそひっこめた時に腕がボロボロになる可能性もあるな……」
流石にポータル分身した腕に攻撃を受けてもノーダメージなんて都合の良い話は無かった。ポータルで増やした腕それぞれに攻撃判定があるから、下手に無策で分身ポータルに腕を突っ込むとバラバラにされても不思議ではない。でもラッシュを仕掛けたい時とかにパンチを大量に浴びせたいとかならアリだな
「攻撃性能は高そうだが……」
「まぁ、これは武器は使えないので、遠距離攻撃とかはね……」
どうやら武器と素手という2つが通過しようとしたら、その時点でそれ以上突っ込めなくなる。腕ならまだしも、武器だとそのポータルの中に落としたら武器が大量に増えてしまう訳だし、そう考えるとその事象が起きない様に完全にポータルを通るって事が出来ないのかも……
「分身ポータルはあくまでもポータル先に干渉出来るに留まり、その先に行く事は出来ないって感じだな」
干渉で止まるのは仕方ない。じゃなきゃ。例えばだけど、爆弾1つを手に持ち、このポータルを使って分身した爆弾を落とすだけでとんでもない絨毯爆撃が爆弾1つという低コストで出来る事になる。それは流石に不味いだろう
「よし、大体分かった。ここから先は流石に実際に作らないと試す事が出来ないし、そろそろ作ってみるか」
まだ試したい事はあったけど、ここから先は実際に僕の作りたい武器を作ってからじゃないとお試し出来ないし、作ってみますかぁ
「遂にあの武器を作るのだな。頼まれてたパーツも既に揃っているぞ」
ヘックスさんもオートマトンさん達と連絡を取り合っているのか、僕が頼んでいたパーツとかは既に出来ているという情報を教えてくれた
「確認します。ふむふむ……注文してたパーツは一通り揃ってるな。よし」
ポータルで送られて来たパーツを確認したけど、キチンと設計図通りのパーツ達だ。さぁ、立派な枠組みは有っても、ここからキチンとした武器になるかは僕次第だ。【リ・メイカー】の練習自体はしてないけど、実質【違法改造】と同じ感じで使えるのなら問題は無い。こっちは一発本番で行って……
「やっぱちょっと怖いから何か試しに【リ・メイカー】を一回使ってから本番に挑もう……」
「あぁ、そうか。流石にそっちを試さずにやるのは良くなかったな」
ヘックスさんも理解してくれているので、早速、ミスリルのインゴットを使って武器を作る事にする
「この段階から行けるのか……凄いな【リ・メイカー】」
正にトーマ君の錬金術の様に金属のインゴットから武器に直接変換出来るっぽい。これはかなり便利だ。いざって時に配る武器をその場で作りやすい
「とりあえず剣を作ろう。形を頭の中で思い浮かべて能力は……おぉ……ぉお?」
今までのパラメータ選択式に更に何か増えてる
「これもしかして備考欄的な感じで追加能力的なのを選択とか出来るのか?」
自由記入も出来そうな雰囲気だけど……じゃあ、例えば追加攻撃付与……あぁ!振り分けられる能力値がガクンと減った。なるほど、そういう事が出来る様になったのか!じゃあじゃあ、攻撃時に自身の体力を消費……おぉ、今度は割り振り出来る能力値が上がった!デメリットを提示したらポイントが増えて、メリットを提示したらポイントが減る。これバランスよくやればそれこそとんでもない事が出来そうだぞ……
「耐久値系は自動回復で対応するか、Nマターの力で破壊不可に出来るか?いや、【リ・メイカー】の能力で経験値を耐久回復に使うとかにすれば、壊れない様にする事も出来るか……」
色々考えられるけど……【リ・メイカー】強ぇぞこれ……
「よし、練習も出来たし、これなら行ける気がする。早速取り掛かりますかね」
「いや、待てハチ。これは製作するなら皆の力を借りた方が良いと思うぞ」
「皆の力……」
アストレイ・オブ・アームズ(紋章)を僕に定着させた時みたいな感じって事かな?
「今のハチならあの時よりも更に色んな者に力を借りられるんじゃないか?」
「確かに……」
正直、僕もこの装備は有る意味僕にとっての節目とも言える物だと思う。今まで素手だけで戦ってきたけど、これからは武器も使える。そうなると、また戦い方も変わる訳だし、ある意味新生ハチのスタートとも言える訳だ。なら皆から力を借りてそのスタートダッシュに相応しい武装を作る為に協力してもらうのはアリじゃないか?
「それなら、村に呼べる存在は呼んでも良いのかな……?」
「そこはアトラに相談してからの方が良いだろうな」
「流石にね?」
それはそうだ。アトラさんの所に人とか人ならざる者を集めて力を貸して欲しいって事なんだし、そこはしっかり相談しないとね
「となると、流石に日程を改めた方が良いね」
皆の力を借りるのなら、日程は合わせた方が良い。逸る気持ちを抑えて、今日はここまでにしておこう




