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師弟の絆

「さぁ、ハチ君。ここまでの情報から魔法書をどう考える?」

 おっと、いきなりの質問だ。魔法書をどう考えるかぁ……


「そうですね……僕が今思っているのは、魔法を使うのは魔法書ではなく、あくまでも発動者自身。発動者自身がどれだけその魔法に対して理解しているか。魔法の形や威力、能力のイメージを固める為の補助として魔法書があるのかなと思っています」

 魔法書はあくまでも知らない魔法を覚える為の手助け。それ自体を高尚に考え過ぎるのもちょっと違う気がする


「過去に読んだ文献でボール系の魔法を極めると世界取れるみたいな内容の本を読みまして……簡単な魔法でもしっかりと理解して工夫をすれば消費を抑えつつ威力を上げたり出来るとか書かれてたので、魔法書はただの取扱説明書。イメージの補強をする為にあり、大事なのは魔法を使う人側……かな?」

「おぉ!ブラボー!ブラボーですよハチ君~?」

 胡散臭さ凄いなぁ?


「君やっぱ凄いよぉ!さっきの聞き方をしたら大抵は魔法書は高尚で素晴らしい物って返答が多いけど、君はそうじゃない。ただの取扱説明書!ん~素晴らしい!そうだよ。魔法とは魔力を使い、消費した魔力で望んだ事象を発動する為に想像する事が一番大事なんだ!」

 ガチのプログラミングみたいにこう動けと完璧に書くのではなく、大体こういう動きをするとあくまでイメージしやすい程度で留めておくからこそ、発動速度を保ちつつ、一定のラインの威力を出せる。固定概念じゃないけど、【ファイアボール】という魔法を撃とうとしたら、多分ほぼ全員が火の玉が空中を飛んでいき、相手にぶつかる事でダメージを与えるという形を考えるだろう。でも、これを『火の玉が飛んでいき、相手を攻撃する』ではなく、『火の玉が相手を攻撃する』という程度に抑えておけば、火の玉が地面を転がり、火の道を残しながら敵にぶつかる攻撃とかでも、『火の玉が相手を攻撃する』という事象に間違いはないはずだ。ガチガチに固め過ぎず、情報不足にはならない程度が一番魔法の形として強いのかもしれないな


「あぁもう、この子素晴らしい!ちょいちょい。モルちゃん何でもっと早く言わないの!」

「だってだって、こうなると思ったから!」

 あのモルガ師匠が押されている。なんだろう。魔法の神が盛り上がったら何となくニャラ様にも似た雰囲気を感じるなぁ……もしかして神にも余所行き用の顔とかあるのかな?


「それで、君はどうするんだい?君が望むなら私の下で更に魔法について学ぶ事も出来るよ!」

 魔法の神の下で魔法を学ぶ……確かにそれをすれば更に強力な魔法を得る事は出来るだろう


「いえ、貴方の下では学びません」

「ほ?それはどうして……」

「神様直々に教えてくれる。それは大変光栄な事だと思いますが、それだと神様流のやり方になってしまうかなって。僕は僕なりのやり方で非効率でも、失敗しても良いから地道にやって行きたいなって思いまして……それに、魔法の師匠なら既に居ますから。その師匠を差し置いて別の方に師事するのはモルガ師匠に失礼です」

「えぇ!?もう。まったくまったく……困った一番弟子だなぁ?」

 困ったとか言いつつ、凄い嬉しそうだなぁ?


「あ、好き……神に対してもその態度!これはハチ君推さなきゃ……」

「お、えっ?何?」

「モルハチてぇてぇ……」

「えっ?何!?」

 なんかよく分からないけど、魔法の神様が涙を流しながら空に登って行った。一体何だったんだろう……


「ん?何か落ちてる……」

『魔法神の魔導書 を入手しました』

『魔法神の魔導書 レアリティ ユニーク 魔法の神が持つ魔導書。ただの魔法書と違い、様々な魔法が沢山載っている 君の力の足しにしてくれ』

 何だかとんでもない置き土産を置いて行ったな?


「あはは……うんうん、ハチ君も大分気に入られたみたいだね……」

 モルガ師匠が懐から僕の拾った本と同じ物を取り出した。これは……気に入られたからこの魔導書を貰えたって事で良いのかな?


「あの……さっきの魔法の神って本物だったって事で良いんですかね?」

「そうだねそうだね。私が現役の時にこの魔導書のお陰で世界を救えたって言っても良いけど……」

 元救世主がこれのお陰で世界を救えたって言う程凄い物をさっき落としていくって……神様のスケール感もよく分からなくなるなぁ……


「そ、それでそれで、本当に魔法の師匠は私で良かったのかな?魔法の神に学んだ方がもっと沢山色々学べると思うけど……」

「何を今更な事を言ってるんですか。モルガ師匠だからですよ。師匠らしくない所も多々ありますけど、しっかり教えてくれる所は教えてくれますから」

 モルガ師匠は魔法に関しては過干渉はしてこないから、魔法を学ぼうとしたら僕の魔法感?的な物が歪みにくいと思う。さっきの魔法の神は色々と良くしてくれそうだけど、色々と……やり過ぎになりそうな気がしたし……


「ふ、ふふーん!仕方ない仕方ない!これからもハチ君の魔法の師匠は私が勤めないとダメみたいだからね!」

「はい、よろしくお願いしますね」

(あっ!てぇてぇ~!)

 なんか聞こえた気がするけどスルーで良いよなぁ……



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― 新着の感想 ―
魔法という分野の1次創作者兼魔法オタクのオタク っていう肩書きが魔法神様にくっついた瞬間だった
俗世に染まった神だな……まぁ魔法神でもなんか言ってた通りニャラ様達邪神よりな神に近いような気もする。 いや死神さん達以外は割と愉快犯多いな
堕ちたw
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