道筋を示す
「魔法は積み木みたいな感じ……かなぁ?」
「ほう?積み木とな?」
「ふむふむ?」
なんか恥ずかしいなぁ……
「お城や家、乗り物や生き物を全部同じ魔力って物から作る事が出来る。しかも、場合によっては欲しいパーツが無ければ自分で作れば良い。こんな面白そうな物で遊ばないのは勿体無いって感じかなぁ……」
本来ならブロック遊び的な物と言いたい所だったけど、それはこの世界には無いだろうから、積み木にした。元々は形が決まってたけど、今の僕にとっては全部がパーツを構成して組み立てる事が出来る面白い環境になった訳だし
「「ほほぉ~」」
なんか感心?してくれた……のかな?何とも微妙な反応だ
「あ、そうだ。あの、魔法の神様ならこの魔法に関して質問があるんですけど……」
「君が新しく生み出そうとしてる魔法形態の事かな?」
「そうです。ちょっと気になっちゃって……」
せっかく魔法の事に関してはとんでもなく色々知ってるだろう方が居るんだからこれは聞いておきたい
「この、魔法の発動の表現についてちょっと聞きたいなって思ってまして……」
跳ねるの魔法の時も疑問に思わなかった訳ではない。何というか、こういうのってプログラム的だったらもっと細かい指示とか必要なんじゃないのかな?と思いつつも、しっかり活用してたけど、結構曖昧な指示でも何とかなってたのは何故なんだろう?
「なるほど、その事か」
「あのあの、思考読み取りで言われちゃうと、私がハチ君の事理解出来ないんですけど~!」
魔法の神様は思考読み取りで僕の思考を読んで来るから言葉にせずとも伝わるけど、モルガ師匠はそうじゃないからなぁ……
「えっと、この魔法。訳すと滅茶苦茶簡単な指示なんですよ。でもこれは……やりたい事が既に分かっているからこそ、こんな曖昧な指示でも伝わるのであって、本当の0から作るとなるともっと……歩く為にはまずは片足に力を入れて……みたいなそんな事分かりきってると言いたい所から指示しないとその通りに動かないと思うんですよね」
「なるほどなるほど……」
プログラミングだったら、しっかりと動く為にはキッチリした指示が必要だ。例外みたいな状態が来たら機能がどうして良いか分からずに止まってしまうのもザラだろう。でも、この那零魔法は物凄くザックリした指示でもキチンと動く。明らかに現実のプログラマーとかが見たら怒っても不思議じゃないと思う
「なるほどな。ではハチよ。一般的に魔法とはなんだ?」
一般的に……一般的に?一般的だと魔法ってどういう物なんだ?
「えと、便利な物?」
「はっはっは、これはこちらの質問の仕方が悪かったな。魔法を発動する時……そうだな。例えば【ヒール】を味方に使用するとした時、どのような工程を挟む?」
「味方に対しての【ヒール】への工程……えっと【ヒール】をしたい人を選ぶ。狙う。【ヒール】を使用して回復する……で良いでしょうか?」
「そうだな。出来る限り簡略化した説明ありがとう」
一応、この反応的には合ってたで良いのかな?
「ただ、ここに何の意思も何も入らなければ、その回復する相手を選ぶ段階で、『体力が減っている』者を対象にするのならその戦っている相手だって対象になるだろうし、狙うのだって急に横から別の仲間が入って来てもその人に確実に回復を届ける為にその条件付けをしたのだろう?だがそれも、同じ量体力が減っている仲間なら条件的にも2人が合致してしまって【ヒール】自体をどちらに使用するかもまた迷ってしまうだろう?」
この辺マジでしっかりしないと全然動かないのがプログラミングだよなぁ……
「でも、普通にさっきのハチの指示でも魔法はしっかりと動き、狙った者に回復を届ける事が出来る」
「確かに……」
明らかに普通の魔法を使う時でも、そういう『補正』が入っていないと説明出来ない事象は多々ある
「魔法とは、つまるところ想像力の具現化だ。自身がその魔法を発動する為に必要な要素が理解出来ていれば魔法自体を生み出す事が出来る。魔法書はあくまでもその魔法の説明書の様な物。使用する事で新しい魔法を簡単に使えるのは頭の中にその魔法のイメージを直接見せる様な物だからすぐに使えるのだ」
あぁ、こういう魔法だよってプレビュー的な物のお陰で魔法のイメージを一瞬で脳に理解させてるからすぐに使えると……なるほどなぁ
「つまり、先程の質問だが、何故あれで魔法が発動するのか、だったな?それはハチ。君の想像力で足りない部分をカバーしているからだ」
「想像力でカバー……」
発動させる事はマジカルなのにやってる事フィジカルだったのか……
「火で攻撃と、火球を発射して攻撃。どちらが想像しやすい?」
「それなら後者の方が想像しやすいですかね」
単なる火で攻撃と言っても、火炎放射的な攻撃なのか、火球的な攻撃なのか色々と形が想像出来るけど、これなら後者の方が情報として必要な物もしっかりあって、分かりやすい
「では火球で攻撃と、全てを熔かす獄炎の集合体を風よりも速く討つべき相手に叩きつけるでは……」
「あぁ、前者の方が想像しやすいかな……」
いやぁ、まぁ後者も想像は出来るけど、いざ戦闘で使用すると思ったら、前者の方が圧倒的に情報がスッキリしていて分かりやすい
「だが、後者も想像自体は出来るだろう?」
「えぇ、まぁ……」
「アレを1から考えるのは大変だが、一度図や絵として覚えていたら、その姿をすぐに想像出来る。違うか?」
「出来ますね。あ、だから魔法陣はあくまでその発動したい魔法の到達点までの道筋を示すワードを単語として記録する形で保存してるのかな?」
「うむうむ、これは色んな奴が取り合いになるのも分かるなぁ」
なんか不穏な言葉だなぁ……




