改造の方向性
「そう考えるとなんか魔法陣もちょっと分かる気がする」
今までは只々複雑な図形って感じだったけど、今なら魔法陣自体に有る模様の密度の濃さとかで何となく分かるかも
「それじゃあそれじゃあ、この魔法は何の魔法かな?」
モルガ師匠が魔法陣を構築する。この感じは多分源流……元々ある形の魔法陣で、さっき習った属性の形に対応するのは風かな?それで自身に対する……補助の魔法かな?
「風の移動速度上昇魔法ですかね?」
「せいかいせいかーい!それじゃあこれは?」
次は別流派の……強化が優先されてる物となると威力が高いか。属性は水、でこの形だと相手に対して攻撃……かな?
「水の攻撃魔法?でもどういう撃たれ方をするかまでは分かんないですね……」
「うんうん、それでも何の属性で、誰に対して、攻撃や補助を使用するかが分かる位理解は進んでるね!」
確かに。流派のせいでややこしさがとんでもないと思っていたけど、単純に威力や安定性の為のダミー線を無視して考えたら魔法陣って結構分かりやすいかもしれない。まぁ、完璧にとは言えないけど……誰に対して放つどんな属性の攻撃なのか補助なのかって所までは見分けがつく気がしてきた
「だから……これってこの魔法陣の形式として、情報が中心に書かれている物が反映されやすいみたいに考えれば、那零魔法も真ん中に最も効力を増したい文言を持って来る様にしたらコストと能力の調整が出来るかも……」
威力だったり、コストだったり、優先したい物はその時々によって変わる。だからこそ、この自由に組み替えしやすいこの魔法はやりたい事をそのまま文字にしつつ、魔法陣としての文量も確保して、その時々に最適な魔法に出来る。しかも並び替えるだけで相手に同じ魔法が来るかどうかの認識を遅らせる事も出来る……これ実は考えれば考える程戦闘面ではえげつない強さを出したりしないか?
「良いね良いね。やっぱりその柔軟性だよ。自分が生み出した物って奴に囚われないのは大事だよ」
「そりゃあ良い物は良い物。全部が全部自身が創り出した物が一番優れているなんて考えをしてたら、自分の発想に無い物とか絶対に使えないですから……今装備しているアクセサリーとかだって、自分で色々作ったらそれこそ効果の高い物こそ作れても、この思い出の詰まったアクセサリーとかに勝てるとは思いませんし……」
純粋に能力とかもアストライト・オブ・メモリーに敵う物を作れるとは思ってもないし、そもそもの話一番優れている物ってなんだって話だ。道具だってプロ仕様の物が色々と調整が効いて良いって人も居れば、初心者用の物が機能が少ないけど使いやすいとかあるんだから一概にどれが一番優れているとは言い切れない。得意な分野ではプロ仕様、苦手な分野は初心者仕様。そういう組み合わせがその人にとっての「最適」になるんだから、一番優れているとか、そういう順位を付けようとするのがこの魔法陣問題にとってはナンセンスだと思う
「どんな人や存在が作った物でも、自分にとって使いやすいなら使いますし、使えないなら万人が使ってる物も使いません。何処まで行っても最終的な判断を下すのは僕自身です。技術は使う者によって良くも悪くもなる。悪人が使ってたからダメな物とかじゃなく、上手い使い方をすればしっかり自分の助けになってくれるんですよ」
「良いね良いね!流石一番弟子!スケールが違うね!さて、それじゃこれももう読めるんじゃないかな?」
そう言って僕に【リペル】の魔法書を渡してくるモルガ師匠
「確かに、この形式は源流で……属性は特に無し。この線の対象は……自分でも相手でもない?」
「うんうん。それについては教えてあげよう。それは魔法陣自体が対象の線だよ」
「なるほど……魔法陣が対象で、物……あぁ、飛来物。矢とかか……それがここを通った時に、魔法陣の向いてる方向に飛ばす……?あ、反射魔法的な物と思ってたけど、なんか違う!」
魔法陣を読み解くと、何となく単なる反射魔法と違う事に気が付いた
「つまりこの魔法は、発動した時に通っている物を魔法陣が向いている方向に飛ばすって魔法だから、銃弾とか返すのは滅茶苦茶難しそう……だけど」
もしかしてだけど、空中に【リペル】の魔法陣を展開して、その魔法陣を発動する瞬間と矢とか弾丸が通る瞬間を合わせると、魔法陣の向いている方向に矢と弾丸が飛ぶとなると、これって発動する瞬間に僕自身も【リペル】の魔法陣に飛び込めば、僕も一気に飛ぶ事が出来るのかな?
「想像すれば想像する程面白そうな魔法だな……だから、僕向けにするなら、魔法陣の小さくしたり、失敗した時のデメリットを上げて、同時発動だったり、発動出来る距離を伸ばしたりかなぁ?」
「うんうん、もう魔法を改造する気満々だねぇ?いやぁ良いよ。魔法に敬意が無い訳じゃなくて、ドンドン新しい姿を作り出そうとしてるし、何より自分自身が使いやすい物を作ろうとしてるのは師匠として鼻が高い!」
その魔法の持つ最大のパワーを引き出そうとしたら自分向けにカスタムするのが一番なんだよなぁ……




