魔法陣について
「そうねそうね。基本的には魔法陣の線の一番目立つラインはその魔法の属性を表す事が多くて、そこから分かれたちっちゃい線でその魔法の具体的な効力が形付けられていくかな」
「ふむふむ。となると【ファイアボール】的な魔法を撃とうとしたら、まずは魔力に火属性を与えて、そこから丸くする、放つみたいなプロセスを魔法陣に書き込めば、【ファイアボール】が撃てるって認識で大丈夫ですか?」
「そうそう。魔法陣の基礎はそれで大丈夫。自分の魔力を撃ちたい魔法に変換するのが魔法陣だからね」
その魔力を変換する魔法陣に干渉されたら放てる魔法が歪むから魔法使い同士でのバトルで魔法陣の内容を悟らせない様にダミーの線とかが掛かれる様になった訳か
「ん?でも、そういえば今ってその魔法陣の歪みとかって……」
「そうそう。魔法陣を歪ませる戦いって結構もう昔の技術になっちゃってて、多分今の人達には理解出来ない事もあるかも」
昔からの生き残りだからこその意見というか、昔はその魔法を発動する瞬間に魔法陣を歪ませて失敗させたら勝ちみたいな荒野のガンマンみたいな魔法使い同士の一瞬の決闘みたいなのがあったのかもしれない。でも、時代が進んでこの魔法陣を使えばこの魔法が出ます。魔法を放って敵を倒しましょうと簡易化されていって、魔法陣の歪みみたいな概念自体が消えかけていたのかな?
「そもそもの魔法の有り方が変わってるんですね……」
「そうねそうね。昔は魔法の発動を潰されて当然。今は撃たれて当然って感じかな」
昔の方が殺伐としてたんだなぁ……
「昔の時代に比べれば今は魔力の巡りも良いからのう……そもそも魔法陣を潰す時間すらないというのが時代の移り変わりの象徴的な事象かもしれんのう……」
アトラさんが補足する様に言って来た。昔は神様が普通に地上を闊歩してたんだっけ。そんなこんなで色々と荒れまくってたから魔法陣自体構築するのに時間が掛かってたのか。それが色々と整備されたお陰で戦闘用の魔法陣構築とかも一瞬で終わって潰せなくなったのか
「うんうん。魔法陣を潰すのなら雷みたいな速度で動かないと相手の魔法陣を潰すとか出来ないから、それなら撃たせて防御したり回避した方が良くなっちゃったんだよね」
「環境によって魔法戦闘の形自体が変わっちゃうんですね……」
でも、これってつまり場合によっては魔法発動の時間を遅らせるデバフみたいなのが存在する可能性もあるよな?
「ふむふむ……という事は潰される事を全く考慮しない魔法陣って実は滅茶苦茶簡素な作りをしてたり?」
「そうだねそうだね。まぁ、でも、ここが魔法陣の面白い所でもあって、陣が複雑な程魔法の威力を上がったりするから、単純なダミーのラインってだけじゃなく、魔法の威力や発射速度を上げる為にもより線を書くみたいな事もあるんだよ」
「はぇ~……そういう事が……って事は魔法陣の線って魔力を貯める為の線みたいな感じで、線の長さの総数が多い程、魔力も貯められて威力とかを上げられる。その逆で線が短いと素早く描けるけど、威力が下がる……そう考えると今の魔法陣は威力を最低限保った状態で発動速度をある程度確保する程度に留められているって事ですかね?」
時代が移り変わった事で、魔法の有り方も変わった。その中で魔法を使う時に重要視されるのは発動速度になって行った為、最低限の威力を確保出来る量の書き込みの魔法陣になって行った……のが今の魔法陣なのかな?
「うんうん。その認識で大体合ってるよ!まぁ今の時代に残っている魔法の殆どがそういう魔法の使い方をしていて生き残った人が残していった物だからね」
魔法の歴史的に超威力の発動時間がかなり掛かっちゃう魔法は淘汰されて消えていき、発動速度の速い実用的な魔法が残ったのか。なるほどなぁ……
「あぁ、だからなんか凄い魔法とか覚えたかったらそういう学ぶクエストとかある訳か……」
「むむ?何か言ったかな?」
「いえ、何でもないです」
凄まじい威力の魔法とかを覚えたかったらそれこそ、そういう魔法が載ってる魔法書から覚えるか、そういう魔法を知っている人から学ぶ必要があるってなりそうだ。究極魔法的なノリの魔法を覚えるクエストラインにもしやすい。魔法書なら高難易度のダンジョン報酬とかにも出来る。ゲーム的にもこれは筋が通ってるとも言えるなぁ……
「そうなると、僕がやろうとしてる那零魔法は評価としてはどうなんです?」
「そうだねそうだね。文字や数字にする事で線の長さは確保出来る。パッと見ただけじゃ理解も出来ない。だけど、内容さえ知っていれば拡張もしやすい……あれこれ結構凄いんじゃないかな?って言うのが感想だね」
割と好感触って感じで良いのかな?
「うんうん。だからその魔法についてはしっかりハチ君から学ばせてもらうよ」
「魔法陣についてはモルガ師匠から学んで、那零魔法はモルガ師匠が学ぶと……分かりました。それじゃあもう少しダミー線についてお願いします!」
相互に教え合える事があるというのは良いな。これは学び甲斐がある!




