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簡易スクロール

「確かに、何も知らない人にいたずらに広めるのではなく、欠片でも知っている人であれば、その人に情報を広める事によってこの魔法は更に発展する可能性があると……この形が広まってしまうとそれはそれで色々と不都合は生じそうですしね……分かりました」

 何も知らない人に「こういうのあるんだ」と適当に広めるのではなく、知ってそうな人に広める。これは大事な事だと思う。下手すると普通の魔法とちょっと違う可能性もある訳だし


「商売のチャンスかもしれないけど、これは変に広めちゃうとそれこそ制御が効かなくなる可能性もあるから……」

 1冊しかない魔法書に書かれている、とんでもない威力を誇る破壊の魔法みたいなのが既にあったとして、それは習得するのにも、そもそもその魔法書を得る事も大変だろうから習得している人自体も極僅か。だからこそ、使われた事が無いから世界も崩壊していない。そんな状態だった場合。この魔法式・那零でその魔法を再現出来てしまえば……その式さえ丸写しして発動するというのは、多分複雑な魔法陣の模写をするのに比べたらかなり楽な部類に入るだろう。それで世界の崩壊に繋がってしまう可能性を考慮すると、これは本当に分かっている人にだけ伝えた方がその危険性も下がるだろう


「勿論です。あっ!ハチ様の作られた魔法書ですが、2進数魔法の方は私が、那零魔法として確立させたそちらの魔法書はハチ様が持つというのは如何でしょう?」

「分かった。丁度2冊ある事だし、そうしよう」

 あっちもあっちで魔法書合成が出来たという証明をする凄い奴だけど、それよりはコッチを僕が持っていた方が良いだろう


「あ、じゃあちょっと追加で聞きたいんだけど、この魔法書ってこの紙とインクとペンの原材料的な物とかって決まってたりするの?」

 こういうのってどこどこで作られた紙じゃなきゃいけないだとか、このインクが無いとダメとか、このペンで書き込むから魔法として定着する……とかそういう縛りがあるのかも確認しよう


「魔法書を書く為に必要なのは魔力保持力ですね。込めた魔法が霧散しない様に、だからこそ、紙もインクもペンもそれぞれ魔力が籠っている物を使っています。本が持つ魔力が減ると魔力を周りから補給する為に場所を移すという説が出てますね」

 あぁ、魔法書から魔法を覚える時に本から多少魔力も持っていく的な発想かな?それで本が安全に魔力を貯める為にその場から逃げる的な発想の説なのかな?


「じゃあそれぞれ素材とかは魔力保持力があれば案外何でも良かったり?」

「乱暴な捉え方をすればある意味そうなりますね……」

 となると、一応武器に搭載する事も絶対に無理って訳でもなさそうだな


「他に聞きたい事は有りますか?」

「いや、ここから先は手探りで行くよ。今日はありがとう」

「いえいえ、こちらこそ今回はありがとうございました。ハチ様の今後の活躍が楽しみでございます」

「また今度何かあったら協力するよ」

「ははっ、よろしくお願いしますよ?」

 ニヒルに笑うハムスターは穴に戻っていき城から去って行った。魔法書の融合と作り出す事が出来た……これはつまりコードを知っていれば、魔導の深淵?的な所を覗ける可能性もある訳だ


「覗ける……あっ、そうだ」

 魔力を保持出来る物……とりあえず本ではなくミスリルのシートでも良いかな?インクは……僕自身の血とかで行けるのかな?ポリゴンになっちゃって無理か?とりあえず瓶とナイフを用意して……ペンは魔力を送り込む訳だし、これもミスリルのペンで良いか。これでとりあえずやってみよう!


「魔法陣はこれでオッケーっと、さて、陣だけを書いたら即席の魔法になるのかなっと!」

 今回は魔法書ではなく、扱いとしてはRPGゲームにおけるスクロール的な1回使用したら終わりみたいな物が出来るか試してみる。さて、これでどうなるかな?


「一応、想定の魔法陣は出来た。さて……魔力を込めてみてと……」

 魔力を送り込むと魔法陣が光り、魔法が発動した。それと同時に僕の血で書いた文字が消えた


『む?』

「おっ!繋がった!やっほーアビス様!」

『ハチか?何故にこちらを覗いているのだ?』

 アビス様が使っていた世界の覗き穴。穴を通って向こうに行くみたいな機能は僕が描いた物には入れてないけど、深淵に覗き穴を繋げる事が出来た。いやぁ、燃費滅茶苦茶悪い!


「ちょっと単発の魔法を作ってみようと思って!あー、やば、もう魔力切れそう……やっぱり深淵にまで影響を広げようとするとそうなっちゃうのか……ごめんなさい。そういう事なのでこれで……」

『まぁ待て』

 ん?あっ、今確実にアビス様に魔法の制御を取られた。さっきまでゴリッゴリに減っていたMPの減少がピタッと止まった


『面白い!その魔法を使えるとは!誰に教わった?」

「うおっ!?」

 覗き穴の向こうに居たプチッとじゃしんスタイルだったアビス様が顔をこちらに出して問いかけて来た。ビックリした……テレビの向こうから急にコッチに顔だけ出して来るとかそれもう貞子だよ?



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― 新着の感想 ―
試しに繋げる場所が深淵ってところがハチらしいよね……。 アビス様とニャラ様に遊ばれる未来も見えるなぁ
深淵を覗いたら深淵からこんにちは!
ミスリルを粉末になるまで砕いてインクを作ったら、高魔力保持能力をもったインクになりそう
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