魔法コード
「えーっと、あ、結構この魔法陣とか似てる所が多いな……これを一旦書き写して……同じサイズにして……重ねると」
3冊にあった魔法陣の絵を同じサイズに描き直して重ねて見て見る。なるほどなるほど、こうしてみると結構被っている部分があるな?
「ボンドさん。なんか光の攻撃魔法の魔法書とか持ってたりしない?ちょっと書かれている魔法陣を見て見たいんだけど」
「勿論です。こちら光属性の初級攻撃魔法【レイ】の魔法書になります」
「ありがとう。ふむふむ……攻撃魔法だとまたやっぱりちょっと違うな……あ、でもこの辺って回転させれば普通にピタッと合う部分も多いな。となると、魔法での光の要素がこの線の部分なのか?」
魔法書に乗っている魔法陣を見比べると、細部が違うけど、似通っている部分が結構多い。これはちょっと気になって来たぞ?
「ボンドさん。その場を照らす光魔法の書ってある?」
「【ライト】ですね。こちらです」
ペラペラの魔法書を渡された。今までは光線と呼べるだろう代物の魔法書を見て来たけど、今度は光その物の魔法書。これを見比べれば、光から光線に変える為の部分が分かるかもしれない
「おぉ……やっぱり共通してる部分が多い……となると、この両方と共通してる部分が光を意味していて、この最初に渡された3冊だけで共通している部分が光を光線に変換する部分なのかも……」
正直この解釈で合っているかは分からない。でも魔法書を合成すると考えた時に、僕の中での魔法の理論がこの魔法陣の形の組み合わせで出せる物だとすれば、イメージもしっかりする。僕が作りたい拘束光線はこういう理論で、こういう魔法陣で、こういう経緯で生まれたと書に書き込める。魔法書を合成するというよりは作ると言った方が適切な気がするし、その内容もしっかりしてないと魔法としての効力を発揮しないと思う。だからこそ、今はこうして中身をしっかり書ける様にその詳細をもっと詰め込んで行かないと
「くっ付く光と締め付ける光……どちらも光が当たった部分に作用する効果だけど、操る光は当たった部分じゃなくて光その物を曲げたり出来る……あれ、これ自体レーザー系の魔法とか避けられるんじゃないか?おとと、今はそうじゃなくて……」
だから今回は当たった部分にのみ作用するという事で、この2冊のみで被っている部分を探して、効果が光が当たる部分に作用するという発動条件的な部分を探してみる。3つの魔法陣はシアン、マゼンタ、イエローの3色で書いてるから、重ねた時に色が変わって被った所と被っていない所が分かりやすい。なるほど、ここが発動条件の部分になりそうだな
「いやぁ、これもし魔法陣に流派とかあったら大変だったなぁ……」
「と言いますと?」
「別流派で生まれた同じ系統の魔法書で重ね合わせてもアプローチが違えば全部が違うでしょう?」
求める結果が同じだとしても、そこに辿り着くまでの過程が違えば、魔法陣自体全く違うデザインになっていたかもしれない。だからこそ、流派みたいなのが無くて助かった……
「一応、流派的な物……と言いますか、系統の違う魔法書はございます」
有るんだ……魔法書にも流派みたいなの
「基本は皆様内容は見ずに魔法を覚えたら終了という形ですので、違いに気が付かない方も多数居られます……」
そっかぁ……確かに魔法を覚えますか?はいいいえに答えれば魔法を覚えられるんだから、中まで確認しないで魔法書が次の場所に行ってしまう事もある訳か
「そちらが一般的な魔法陣が掛かれている魔法書のタイプ。そしてこちらが異質な方とされているタイプの魔法書にございます」
「これは……」
ボンドさんに渡された魔法書を開いて魔法陣らしき物がどれか見て見ようと確認したら……
「0と1……」
0と1のみで構成された数字の羅列。なるほど、これは異質だな
「マジか……これは……」
「ハチ様。これが何か分かるのですか?」
「一応、多分これがどういう物かは知ってるけど、どうしてこれが発動するのかまでは分からないが正解かな」
0と1の2進数表記で魔法の発動が出来るとなると、これはちょっと解析出来れば新しい魔法を作るのも楽になる可能性があるぞ……
「ほう?いったいどんな物なんです?」
こっちの本の内容が滅茶苦茶気になるけど、一応ボンドさんに聞かれたからには答えた方が良いよな
「0と1だけで色々表せる物なんだけど、例えば、この手。ボンドさんならこの手で幾つ数えられる?」
「え?指が5本なら5まで……いや、折り返せば沢山数えられる?」
「でもそれって折り返し途中で見ても幾つ数えてるかは分からないよね。でも2進数で数えるならこの手で指を曲げると立てるの2つだけで片手で0から31まで数えられるし、両手を使えば1023まで数えられるんだよ。更に両手の掌を表裏とか肘を曲げたり腕を上げたりなんか条件を加えると6万を超える量でも数えられるっていうね……だからその数字を文字に当てはめて魔法の詠唱みたいに出来るのであれば、この魔法陣?というか魔法のコードを紐解いて、もっと簡単に魔法を作れるかも……」
「何と素晴らしい!少々お待ちください!」
ボンドさんが懐を探り、本がバサバサ出て来る。これ全部2進数魔法の魔法書なのか……これは紐解くのに時間掛かるぜぇ?




