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逆転への一手

「う、動けるのかその状態で……」

「この蟹ちゃん達は僕の邪魔はしないですからね」

 蟹アーマーも僕の挙動は邪魔しない。だからこそ、常時バリアを張ったまま相手の懐まで攻撃を防ぎながら突っ込む事が出来る。一旦強硬突破の姿勢を見せつつ、ロザリーさんに接近する


「シールドではなく、アーマーという形の防御か……ならば!」

 スキルゾーンの中で後ろに下がり、僕と距離を取ろうとするロザリーさん。まぁ、それは許さないけどね?


「逃がしませんよ?」

「ぐっ!?」

 時間制限があるだろうから一旦切れるまで待つみたいな事を考えていたんだろうけど、それをさせない為にロザリーさんの足を真淵で絡め取る。こういう単純だけど、動きの阻害は一瞬の判断が大事な戦闘で恐ろしい程の効力を発揮する


「そこだ!」

 体勢を崩したロザリーさんの足から頭に流れる様にハスバさんのラピッドが放たれる


「よいしょ!」

 防御される可能性も考慮してステップを踏んでロザリーさんの右に回り込む。分かっていても僕から視線を逸らす事がどれだけ危険なのか。ロザリーさんが分かっていない訳が無い。視線を僕から外さずにハスバさんからの攻撃にも注意しなければならない。単純だけど脅威度は明らかに高くて近場の僕と脅威度はそこまで無いけど、遠距離攻撃をしてくるハスバさん。その場から動けないロザリーさんにこの一瞬でどう判断するかを迫る


「っ!」

 わぁお、ここで光るメロにゃんさんの圧。撃つ撃たないは別として、ハスバさんから少し離れた位置からレンジを構える。後から増えた脅威によってロザリーさんに更に判断を迫れる。これはキツイぞ?


「ふっ……」

 笑った?ロザリーさんが笑った……あっやべっ!


「アハッ!」

「おはよう……もうちょい寝てても良かったんだけどな?」

 どうやら【レスト】の効果時間が終わって皆起きて来ちゃったかぁ……


「さぁ、ハチはこの状況どうするかしら?教えてもらおうじゃない」

「ここからは自分達の番です!」

 しっかり寝たからか、万全ですねぇ!


「ハチさん!今度こそ塗ります!」

「この状況からハチさんが勝てるプランがあるのか見せて貰いましょうか!」

 うーん、ロザリーさんは攻撃を避けるのは諦めてペイント塗れになったけど、これは確かに諦めても問題無い状態ではあるか


「え、えぇ……マジぃ?」

 ロザリーさんが武器を操るけど、皆の手元に武器が戻る。これって普通にアイリスさんが抜刀した後にロザリーさんの意思次第でそのソードを急に飛ばしてくる可能性とかもあるって事だよな……


「さぁて、ハチ。敵に塩を送る事の恐ろしさを味わわせてやるわ!」

 もう今完全に武器がランダムに割り振りされてるとは思うが、どっちの色でも僕さえ塗れれば構わないってスタイルで……ん?待てよ?だとしたらこれは……


「ハスバさん。僕一人で良い。攻撃を頼みます」

 ソードを放り投げてハスバさんに渡す


「えぇっ!?ハチ君!?」

「返事」

「ハイィィ!」

 今からはガッツリ集中しなきゃいけない。ほんの少しのオーラも見逃す訳にもいかない。大事になるのは攻撃の見極め。相手のフェイントを見抜き、躱す攻撃と防ぐ攻撃もしっかりと選んで対処する


「おいおい、嘘だろうハチ君。勝負を諦めたのか?」

「諦めてないから武器を捨てたんですよ。ほら、掛かってきたらどうです?」

 ただの挑発と捉えるか、雰囲気が変わって危険だと捉えるか。どうかな?


「「「「……」」」」

 よし、良い感じで皆警戒しているみたいだ。それじゃあ、やってみようか。というか、何かメロにゃんさんとハスバさんもちょっと固まっちゃってるな?


「アハッ!やっぱりハチのその感じ好き!もっともっと!」

 ソードを構えて空中から回転切りをする様に僕に攻撃してくるキリアさん。何となく僕からプレッシャーを放っている状態かもしれないけど、キリアさんだけはそんなプレッシャーを物ともせずに突っ込んで来た


「【インヴァル】」

「あれ?」

「【ディザーム】」

 相手の武器を奪う【ディザーム】。これは素手じゃないと上手くいかないし、装備をハスバさんに渡すしか無かった。ロザリーさんが武装を渡している状態であって、武装が勝手に飛んでいく可能性とかを考えると、ロザリーさんから武器の操作権を奪うしかない。そうなると【ディザーム】が有効だろう。多分もう一度ロザリーさんがこのソードに触れない限りはこのソードを操る事は無いだろう


「もう一度やってみな?」

「くっ……皆距離を取ってくれ!」

「よっしゃ!武器集めは任せろー!」

 ハスバさんが僕が奪ったソードを回収して行った。これで素手を維持しながら、また次の相手に挑める


「距離さえ取れば……っ」

「舐めてもらっては困りますよ」

 ゴキダッシュ、バッタジャンプの超瞬発力があれば、相手との距離は一瞬で縮められる


「【ディザーム】」

「うえっ!?」

 トーマ君の目の前まで一気に距離を詰め、武器を奪いながらバッタジャンプの脚力でトーマ君を吹っ飛ばす。ロザリーさんがいつスキルゾーン内の全体攻撃を出そうとしても、一瞬で潰せるぞとの脅しとも言える一撃。さぁ、やれる物ならやってみろ



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