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破壊の一手

「さぁ、やれる物ならやってみなよ?」

 ロザリーさんが全体攻撃を出そうとすればその隙は絶対に潰す。残ったソードでの攻撃をしようとすれば、【ディザーム】で奪う。銃での攻撃は見切って避ける。同時に行動しようとしても、メロにゃんさんとハスバさんも居るから僕だけに集中する事も出来ないし、これはかなり難しい状態だと思う


「くっ……」

 強力な一撃を持っていても、それを発動するまでに動かれると考えれば動けないだろうし、動くに動けない状態だろうな


「さて……」

 ロザリーさんが動けなくても僕は動く。僕は塗るのではなく、相手の武器を奪って塗れなくする。もう多分運営が思っている戦闘とは全然違う状態になっていると思うけど、今の僕らにはこれが一番効果的な戦闘だろう


「本当に隠し玉が多過ぎるだろう!」

「そうじゃないと僕みたいなのはやって行けないですからね」

 隠し玉があるからこそやって行けてる。というか、隠し玉的な物がない限り僕みたいな基本がサポートスタイルな職が普通に戦闘職に勝てる所が無いだろう。まぁ、今となってはその隠し玉がメイン過ぎてメイン部分が隠れてる様な状態だけど……


「ちっ、速すぎる……」

「目で追えないっ!」

 凄まじい速度で迫り、武器を奪う。弾丸よりも早くスキルゾーンを走り、こちらに銃口を向けた時には既に懐に入り込んで居たり、向けた所には既に居なかったり、速度で全てを置き去りにする


「ふっ、ハチ君は本当にとんでもないな……」

「本当に凄いわ……」

 2人は外から見てる状態になっているだろうけど、まぁ、手は出せないよな。下手に参加しようとしたらそれこそぶつかる可能性もある。だからこそ、動かないでいてくれるのは非常に助かる


「アハッ!【ハドロンドロー】」

「ぐっ!?」

 ちっ、気付かれたか……圧倒的な雰囲気で何とか誤魔化していたけど、武器の無いキリアさんに気付かれた。【ハドロンドロー】によって強制的にキリアさんの前に吸い寄せられる


「はぁ!」

 そして、キリアさんの仲間はトーマ君とキリエさんだけだし、別チームのアイリスさん達も吸い寄せられるけど、その吸い寄せに乗じてアイリスさんが抜刀の薙ぎ払い。この体勢も不十分な状態でのこの攻撃は正に不可避の一撃とも取れる。【インヴァル】の回避付与で何とか……


「そうはいかない!」

 うわっ!ハスバさんが横っ飛びで飛んで来た!落ち着け。ハスバさんがこの横薙ぎ一閃をその体で防ぐ。ならあの攻撃は無視していい。なら、今の僕に出来る事は別にある。【ハドロンドロー】はずっと吸引する訳じゃない。発動時に居た相手を吸引するスキル。なら、今から出せばその効果の対応外。【ハドロンドロー】によって体勢が崩れている人間が殆どであるならば、先制する絶好のチャンスでもある


「【イリュジオ】」

 ソードを持たせた【イリュジオ】を上に出し、皆が固まる場所に向けてソードを振るう。上からのペイント液が【ハドロンドロー】で集まった皆目掛けて降り注ぐ。ピンチはチャンスに変わるんだ


「やっと捕まえた!」

「くっ!しまった……」

 今の一撃で終わったと思ったら、まさかのここでキリエさんがサイキックの能力で僕を拘束してきた。もう残り時間的にもこれを抜けられないと僕自身の勝ちの目が消える。【ディスラプトマイン】なら多分消せるけど、その時間が……


「これで終わり……」

「おやおや~?誰かを忘れてないかな?こんな時に私を忘れるなんて頭ヨワヨワ~☆ザッコ~☆」

 今ブチッって音が聞こえてもおかしくない位の殺気がキリエさんから発せられた。ハスバさんが土壇場も土壇場でスキルとしての【挑発】を使った。ヘイト(注目)を強制的に集める【挑発】でこの一瞬だけ僕には分かっていても攻撃が出来ない状況を作り出した


「【ディスラプトマイン】」

 僕に掛かる念力での押さえつけを解除して、距離を取る。スキルゾーンから飛び出して、相手からの影響も抑える


「ここは、私に任せて先に行け……」

 カッコつけるのは良いけど、今のキリエさんの顔……マジで般若の形相と言っても過言ではない。このイベント始まって初のデスによるリスポーンが起きても不思議ではないぞ……


「ハスバ。アンタ死にたいらしいわね?」

「あれ~?もしかして言葉にしないと分からないのかな~?やっぱ頭ヨワヨワ~?」

 ハスバさんの勇気。忘れはしない……あれは確実に死んだわ




『試合終了です』

 さっきまで僕を倒す云々って話だったけど、ハスバさんの圧倒的なタンクとしての役割を果たし、時間終了まで逃げる事は出来た。一応、塗り量は僕らのチームの勝ちだったらしいけど、まさかの今回のイベント始まって初のデスが発生するという珍事が起きた。見ていた人達は口を揃えて「あれは残当」と言っていたけど、僕はそのシーンは見ていない……


「……久々に命の危機を感じたねぇ……」

「いや、死んでますやん……」

「流石に最後のあの煽りは……ねぇ?」

 これは遺恨が残らなきゃ良いけど……ハスバさんなら遺恨が有ってもアドなのかなぁ?



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― 新着の感想 ―
ご冥福をお祈りします。 供物には新しいスク水と鞭を置いておくよ。頭巾は形見として奪っ…持っておくね!
ハスバさんのメスガキ挑発は火力が高すぎて使い所が難しそう それを的確に利用できるとかハスバさんまじセンス良い
メ、メ〇〇キスク水おじさん…!?
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