ちょっとした想定外
「こうなると……アレかな……」
頭の中に浮かんだ1つの突破の可能性を考えて、これから来る皆への対処も考える
「一旦スキルゾーンに入るか、入らないか。どっちを基準にして行動するか決めてくれ。そうしたら、我々も戦い方を考えられる」
「そうね。基礎スペックで戦うのか、それともスキルや魔法有りで戦うのか。それは大事な違いだわ」
スキルゾーンに入らなければ、お互いに武器で撃ちあう形になるだろうけど、結果としてジリ貧になりやすいだろう。逆にスキルゾーンに入ればお互いに過激な技の応酬となって被弾確率も圧倒的に上昇するけど、対処も出来る可能性が高まる。ローリスクローリターンかハイリスクハイリターン。どちらを選ぶか……
「このイベントはただ勝ち負けというより楽しむ為に来てるんですから、ハイリスクハイリターンを求めずにどうするって話でもありますか。よし、スキルゾーンに突入する方向で行きましょう。メロにゃんさん。一応練習していたアレで行きましょう」
「アレね!ドンと任せて一気に行っちゃって!」
使わないだろうと思っていたメロにゃんさんとの強行突破策。さぁ、やってやりましょうか
「今すぐならまだ皆起きるか起きないかのギリギリのラインのハズ!詳しくは移動しながら!」
「善は急げだ!」
「行くわよぉ~!」
踵を返し、スキルゾーンに向かって走り出す。メロにゃんさんを先頭にいざ勝負!
「やはり向かって来たか!む?メロにゃんが先頭?」
怪しんでる。まぁ、それだけでも充分だけど……
「リベンジさせてもらうわぁ~!」
「ふっ!」
メロにゃんさんの体で僕をブラインドしつつ、メロにゃんさんの背中を駆け上がり、肩で踏み切ってスキルゾーンに入る。空中だし、狙われれば避けられない……普通の人ならだけど
「やはり来たか!」
空中の僕に浮遊する銃が銃口を向け発射する。それと同時に【ダブルジャンプ】で空中での挙動を変更する。これが出来る事によって、僕は空中で単なる放物線を描きながら落ちるという事はしない。更に……
「【インパク】【インパク】【インパク】」
銃口が僕に向く度に【インパク】を自分に放ち、強制的に吹っ飛んで地上に着地する事無く、空中で更に挙動を変化させる。そうすれば……
「【ソードレ……」
「今!」
僕が空中で跳ね回る様な挙動をすれば流石のロザリーさんでも僕を点で捉える事は無理だろう。だから僕を面で捕らえに来る。そして、自分でも試して可能であると確信した【ソードレイン】を使って来るだろうタイミングでこちらからの攻勢を掛ける。ロザリーさんの【ソードレイン】は発動するまでにそれなりに隙が発生するのは僕らがさっき逃げられた事からも確かだ。空中で魔法の剣を生成してから降らせるとなると、その生成時間がそれなりに掛かる。今回はペイント液のお陰で見やすいけど、これがガチの【ソードレイン】だったら、もっと見づらい攻撃が降り注ぐって事だよな……恐ろしいなぁ?
「くっ!やはり潰してくるか!」
知ってるぞ?僕に対してまだ攻撃を出来る手段は残っているって事は
「【受け流し】」
「何っ!?」
左後方からのレンジによる狙撃。その弾を体の表面を転がす様にして避ける。一応スローな世界で確認はしてたけど、液体の入ったカプセル的な物を飛ばすのが銃タイプ。液そのものを飛ばすのが剣タイプという形だった。だからこそ、相手やフィールドにぶつかったらカプセルが割れて液が出るという仕組みに気が付けば、こういう表面を撫でる様に転がす事で銃弾を割らせずにやり過ごす事だって出来る訳だ。僕の弾丸【受け流し】に驚きつつも、ソード2本が僕に襲い掛かってくる。だが、そのソードの液が僕に届く事は無かった
「【キャンサー】」
巨大な蟹のバリア。全周バリアであるこのバリアによって相手の液も弾も通らない。このタイミングで全員をひっくり返すしかない
「頼むぜ。こっから大逆転を……あっ」
大逆転しようと思ったけど、この【キャンサー】しっかりペイント液やペイント弾を防いではくれているけど、あくまでバリアとして防いでいるだけで、液が巨大な蟹の体に残っている。前が見えねぇ……
「でももう進めちゃったなら……多少違っても行くしかない!」
どうせ巨大蟹バリアは数秒しか使う予定も無かった。ここからは僕に合うサイズで……
「くっ!」
巨大蟹が破裂するようにペイント液を外に飛ばし、そこそこサイズのカニに変わる。これから先は中蟹ちゃんの出番だ!
「何だ……その姿は……」
「こういう時に役に立つバリアのフォーメーションですよ」
頭や肩、膝等に中ガニがしがみつく形でバリアを体に展開する
「後ろは任せーい!」
「ハッちゃんの背中はアタシたちが守るわよ~!」
背後の守りは2人に任せ、上と前面からの攻撃は蟹で防ぐ。小ガニになれば相手の攻撃に反応する蟹の波として受けるだろう。さぁ、逆に聞こうじゃないか
「ロザリーさんはこの状態。突破出来ますかねぇ?」
煽りを含めた言い方で、相手の返答を待つ。勿論、これをしている最中もハスバさんとメロにゃんさんは攻撃したり、準備したりで大忙しだ




