最後の仕上げ
「ふぅ、どうだろう?そろそろ良いんじゃないかな?」
さっきの3人程ではないが、茂みを揺らしたりする囮作戦であれから数人は片付けたけど、もうそろそろ終わりで良いんじゃないだろうか?銃のデータは殆ど出せなかったけど、それ以外のデータは結構な量のサンプルは出せたと思う。あの紐を使った射撃とか、スクラップボウとか、ナイフ投げとか……どう考えても仕様の穴過ぎるし、修正する為のデバッグ作業みたいな物としてはもう良いんじゃないだろうか
「そうだな……そろそろ終わるなら、あのミニガンさんなら良いかも」
最後にミニガンの弾を避けられるかを試してみるのはアリじゃないかな?
「よーし、そうと決まればあの音が鳴りまくってる所に行くか」
いやぁ、場所が分かり易くて助かるなぁ。えーっと、これは……また大通りを通っているのか。丁度良いな
「何処に行ったんだ……」
「やぁ」
「うわぁ!急に出て来るな!?」
偶然生まれたリロードタイミングの隙に話しかける事にした
「1つ聞きたいんだけど、君って体力をマックスにして精度と運動性能は振ってない?」
「あ、あぁ……そうだけど」
「おぉ、そりゃ良かった。そろそろデータ取りとしても充分かなって思ってたし、終わろうかと思ってたんだけど、そのミニガンで撃って倒してもらえる?こっちも運動性能マックスだから回避に全力を出してみるつもりだけど。あ、ついでにコッチからも撃って良いかな?僕も1度くらいは敵から離れた距離から弾を当ててみたいんだ。君ならハンドガンの弾1発位なら当たった所で何の問題も無いだろう?」
実質負けイベントみたいな物だ。離れていればそれだけ弾幕の密度も薄い。でも、ドンドン近付いて行けば弾幕の密度は上がって運動性能とかそんな話ではなくなる。それならそれで構わない。それまでに1発でも当てられたら嬉しい
「な、何だってそんな……」
「僕にとってはデータ取りの為にやってただけですから。これに勝つとか、負けるとかはどっちでも良いんじゃないかなって。で、ミニガン相手にどれくらい当たらずに接近出来るのか。弾は当てられるのか。それ位はやっても良いじゃないですか。どうせ僕は賞金首みたいな感じで貴方が僕を倒せばお金がもらえるんでしょう?お互い嬉しいじゃないですか」
「……」
何か悩んでるみたいだけど、何を悩む必要があるんだろう?
「それは……実質私にしか利益が無いんじゃ……?」
「そもそも僕としては言いたい事は色々ありますよ?こういうゲームを作るのであれば、視線を切ったり、待ち構えている奴らに対処する為にスモークグレネードやスタングレネードは欲しいですし、プレイヤー自身に精度の項目を付ける事自体がナンセンスだと思ってます」
実際に戦ってみてよく分かった。相手がグレネードの類を持っていないと知っていたから閉所でも余裕で陣取れるし、僕が拾ったゴミ達から作ったアイテムのそれぞれが、銃以外での立ち回りの強化をする事で、その差を埋めていたし
「あと、純粋な射撃戦をしたいとなったら、プレイヤーに精度の概念を付けちゃダメですね。そうじゃないとこういうイレギュラーな存在が生まれる訳ですから。あと、銃口から弾が真っすぐ出ないって言うのは自然じゃないですし」
他の人は基本的に銃が強い物だとして、銃主体で動くから精度は重視されるだろうけど、そのせいで僕みたいなのに動きが追い付かない。もしくは耐久値が少ない。だからこそ、ナイフで簡単に狩れるし、精度に振らないと銃撃戦で話にならないと思い、全然キャラが立ってないというか、同じようなタイプしか出てこない。まぁ、撃ち合いゲームならそういう所は差が無い方が良いんだろうけどね?ただ精度を付けるなら銃自体に付けるべきだろうなとは思う
「他には多少のカスタムは欲しかったですかね。弾は無限でもリロードは必要だから、その時間を減らす為に総弾数を増やす為の大きめのマガジンとか、今回のマップは音を感知するタイプみたいですし、その音を減らせるサイレンサーとか……僕は相手の体に押し付けて撃つ事でサイレンサーみたいにはしてましたが……」
勿論、こういうカスタム機能は多いと大変になっちゃうけど、1つ位は欲しかったな
「そういう情報を集めるって事はもう充分出来たかなって思うんで、じゃあ最後は僕のやりたい事を出来そうな相手に頼んで、しかもその相手にも利益が出るなら良いかなって」
東郷さんのお願いはもう果たした様な物だろう。僕は僕の気になった事をやらせて欲しい
「本当に良いんだな?」
「良いよ。とりあえず……30m位からで良いかな?」
これ以上時間を掛けるのも勿体無いし、横やりも入れられたくない。この位なら意外と早く決着するかも
「では……行くぞぉ!」
ブォォォォンと凄まじい音と共にミニガンから弾が四方八方に飛び散る。正直、ただミニガンの前に立つだけなら横にダッシュするだけで避けられるだろうけど、この四方八方に飛び散るせいで、避けるのが意外と難しい場面が出て来る。これは良いな?極限状態だからなのか、普段以上に体の動きが良い気がする!




