森の戦闘
「一応、これで腕に装着出来る様にはなったから、これで腕で敵の弾を1発位は耐えてくれると信じて行動してみるか」
即席で作ったバックラーとも呼べない様な代物だが、これで敵の弾を1発位なら受け止める事は出来るんじゃないかな?邪魔になったら捨てれば良いだけだ。防御力は大事だけど、僕の一番の強みは軽量で素早く動ける機動力にある。それを削がない様にこうして軽量の防具を作ったけど、役目を終えたならその装備は放棄して軽量化はした方が良い。大事に使うべき道具と使い捨てにするべき道具の見極めは大事だ
「さて、僕の予想だとそろそろ東郷さんが人をコッチに仕向けて来るかと思うんだけど……」
耳を澄ませて木の上から音を探る。風でざわざわと葉同士が擦れる環境音以外に明らかに何かに引っかかってから外れた様な勢いのある枝の音。ガチャっという金属音がした。やっぱり来てるみたいだな。だが、問題はこの森の中だとマップの音の波紋が風のせいで常にざわざわと音が鳴っているせいで、ジャミングを受けている様な状態になっている。勿論、銃声とかを鳴らせばその中でも分かるとは思うけど、これは……
「僕の方が有利じゃないか?」
銃は確かに何処に弾が飛んでいくか分からないけど、ナイフや、弓ならその限りでは無い。銃以外でいくらでも戦い方があるならそれで相手に勝てば良い
「さて、ここからはマジで耳が重要になって来るな……」
これはミニガンさんみたいな銃声を耳元で鳴らされたら周りの状況把握が出来なくなるかもしれないけど、まぁ、それは大丈夫だろう。こことは離れた所でまた銃声の超ノイズが見えてるし……閃光音響弾も存在していないのなら、何とかなる
「ほう?」
今度は3人組だけど、あれは中々やり手っぽいな……ハンドサインでやり取りをしている。割とガチ勢なのかな?狙うなら一番後ろの人か……
「いや、違うな……」
前方警戒の2人に後方警戒の1人の組み合わせ。となると一番の狙い目は真ん中の人だ。だけど、倒しても倒さなくても、直後に両サイドからの攻撃に晒されるし、最悪倒しきれなければ間違いなく反撃を受けて死ぬ。一撃を与えて即離脱出来る状況の場所で襲わないと負けるからここは慎重に行かないと……
「あそこかな」
茂みも多く、木もあってちょっと暗めのポイント。何よりここは道っぽくなっているからこそ、相手の経路として使われるだろうから、事前準備も腐りにくいだろう
「よし!」
ガサッと音を立てて、移動を開始する。多分この位の距離なら一応音は聞こえるとは思う。移動して目を付けた地点で奴らを迎え撃つ!
「「「っ!」」」
音が聞こえたのか、3人が喰い付いたっぽい。バタバタと走って来る音が聞こえる。さぁ、それじゃあ早速やろうか
「散開!」
「およ?」
しまった。そうじゃん。僕らしき存在を見つけたならもう後方を警戒する必要も無いから横並びで来るかぁ……これはやっちゃったなぁ……じゃあ、計画変更だ
「慎重に進め。対象は運動性能がやたらと高い」
「木の上に隠れてるかもしれないって事か」
「音に気を付けろ」
大体5m感覚で横に広がり、移動をしているから僕の射撃だけでは倒せないし、ナイフを投げるのも流石に気付かれた後だとこの人達相手だと厳しい距離かも
「そこかっ!」
木の上の方からガサリという音が鳴り、そちらに銃口を向ける左端の男。だが、それは致命的な隙となった
「ふっ!」
「なっ!?」
音の鳴った方に銃口を向けたその隙に、下の茂みから飛び出してナイフを突き立てる。ロープダートの細い糸を枝に軽く引っ掛けて引っ張っただけだが、警戒心が強すぎてそれが囮だという事に気が付かなかったみたいだな
「このまま!」
5mならこの突っ込んだ勢いで行ける!
「くっ!?」
ナイフで刺した事で相手は既に倒せたみたいだけど、死体はまだ残っている。この突き刺した勢いのまま隣の奴の所まで肉の壁として距離を詰める
「はぁ!」
「ごっ……!?」
仲間を撃たない様にと気持ちの揺らぎで迷ったその時間で3mの距離を詰め、回収したロープダートを投擲して喉に突き刺す。まぁ、これで死なないなら勝てないから仕方ない。だが、喉に突き刺した事でそいつも膝から崩れ落ちた
「ち、畜生!てめぇよくも!」
立ち位置的に今倒した奴もまだ膝立ち状態だからこちらはまだ撃てない。なら!
「この……悪魔が!?」
担いでいた死体を前方に放り投げ、視線を固定させる。その隙に膝立ちの男を掴んでもう一度相手に投げる。身体能力マックスだからこそ、筋力もそれなりにあるお陰でこういう事も出来るんだなぁ……
「流石に5mは飛ばないか……」
もう一人も投げつけた事でそれの下敷きにでもなってくれればもっと楽に終わったんだけどなぁ……
「てめ……」
「終わりです」
突きつけられた銃口にお手製バックラーを当て、もう片方の手で別のナイフでトドメを刺す。最後に放たれた銃弾は見事にバックラーによって受け止める事が出来た
「うぉ……これめっちゃ痺れる。やっぱり銃弾の衝撃を腕1本で受けとめるって中々だな……」
いやぁ、上手く機能して良かった……これが失敗してたらこれで終わってたからなぁ……




