再出発の準備
「「ふわぁ……」」
ジェットバスとかの天然ではなさそうな温泉を満喫する2人。いやぁ、やっぱりボコボコしてる風呂って気になるよねぇ
「新しいお客さんかな?」
「綺麗~」
「カッコいいねー」
「「ふふん」」
狐人の子供とかが2人を褒めていく。なんかちょっと鼻が伸びてるというか、ドヤッてるというか……まぁ気持ちは分かる。子供達もナイスな援護だ
「そろそろ行こうか」
「あ、そうだった。すっかり満喫してしまった……」
「忘れてた……」
温泉をしっかり楽しんでた2人だけど、本来の目的はコッチだろう?
「セッカさん。いま暇?」
「おっ?ハチさん……って、え!?えぇぇぇ!?うっそ!?」
「お前……セッカなのか!?」
「随分と……毒が抜けたというか、何と言うか……」
サウナのエリアに入り、3人が出会った。確かに僕も最初にセッカさんと会った時は飲んだくれみたいな状態だったし、今の真面目に働いてるセッカさんとか普通は想像出来ないのかもしれない
「2人とも久しぶり。元気してた?」
「いや、元気は元気だが、あのセッカがこんな姿になって働いてるって……」
「驚きだよねぇ……」
「まぁ、これには色々と訳があってね……」
世間話の感じで僕がセッカさんを矯正して、サウナに入ったら毒素が抜けて今の自分になったみたいな事を言ったから、また2人から敵対してはいけない人物みたいな警戒度が上がった気がする
「うぅむ……なるほど、ここで働いて報酬を得て、好きな物を買うと……」
「まぁ、そうだね。最初は難しかったけど、今はもう慣れたし、意外と働くのも楽しいし!」
あ、そっか。2人が働くって方向性だと、あのおばあさんのお店を手伝うみたいな方向性もある訳だ。それなら2人とも対価を得る事も出来れば、おばあさんを助ける事も出来るし、買い物も出来るだろう。アリだな?
「ねぇ、ハチ。シクサームのおばあさんの所でボクらが働くって事出来ると思う?」
「そうだね。可能だとは思うよ?単純にスカディさんは狩りの能力も高いから肉や毛皮何かを調達する事が出来るだろうし、ジャックがここに来たからには、ある程度のお金があればこの島で売ってる商品を買って向こうで売ったり、その逆をしたりも出来るでしょ?」
ジャックはそのワープ能力を活かして仲買人としても動けるだろう。こことシクサームのワープなら途中で襲われる事も無いし
「確かに……ここの物の物価も意外と安い物もあるし、思っていた以上に商売が出来る気がしてくる」
「本来ならあの街で買えない様な物も買える様になる訳か。それは良いな!」
この2人がこの島に住むって事は無いかもしれないけど、こうして利用する分には良いとは思う。なんだかんだ色々と考えているみたいだし、後は2人に任せても問題無いかもしれないな
「よし、2人共節度を持ってくれればある程度自由にして良いから好きに楽しんで。僕は僕でまた新しい物を探したり、新しい出会いを探したり……あとはサバイバルしてたりするからさ」
「普通はそんな事はしないと言いたい所だが……」
「ハチならそういうのが普通なんだよね」
「おっ?もう慣れているのか?それじゃあ私の友達も紹介しよう」
3人で積もる話やセッカさんがコッチに来てから新しく出来た友達とかを紹介するみたいだし、僕はここで退散するとしよう。雪原サバイバルは終わってしまったけど、まぁ、普通に森の中でサバイバルも良いからな。普通が一番!
『人の子。少し良いか』
「ん?この声は……」
頭の中に声が聞こえて来る。この声はメビウスツリーの方から……ダアトさんかな?
「呼びましたか?」
「人の子。生命力を少し貰えるか?」
「あ、了解です。どうぞ」
ダアトさんが木の根の様な物を伸ばしてきて、僕に触れると、ほんの少し体が怠くなる。生命力を吸われたなぁ……
「人の子よ。相変わらず拒絶しないのだな?」
「ダアトさんはそれが必要だから僕を呼んだんでしょう?ならそれは信じて提供したらダアトさんが嬉しい。それで良いじゃん」
体力は回復するんだし、別にゴネる様な事でもない
「話が早くて助かるな」
戦う相手なら疑う事は重要だと思うけど、同じ島に住む仲間の事は信じた方がお互い気分が良いし?
「確かにな」
「あ、そう言えば生命力を吸収したら少しの間僕の思考が読めるんでしたっけ」
そういえばそういう能力をダアトさんは持ってたっけ
「あぁ、人の子の思考は読めるぞ?どれ、今は何をしようとして……は?サバイバル?」
おぉ、しっかり読まれてる。雪原サバイバルは好奇心で失敗したから、今度は普通に森林サバイバルしようと考えていたのを読まれている
「ちょっと久々にサバイバルしたいなぁと思いまして……」
「全く、人の子としてぶっ飛んでいるな?普通はこれだけ便利な街を持っていればそういう思考にならないと思うのだが……」
便利な物があるのは確かにそうだけど、僕個人の生存能力を高める為にもサバイバルは定期的にしたい。それに便利な物に囲まれてるより極限状態の方が自分に必要な物とか浮き彫りになりやすい気がするし……
「なるほどなぁ……」
何か若干呆れ気味なダアトさんだが、笑ってくれてるなら良いんじゃないかな?




