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4月1日

ついに4月に入ってしまった。


新大学生はウキウキワクワクの大学lifeを夢見ていい気なもんだろう…



僕はふんっと鼻で笑うと、ぼんやりとカレンダーを見つめた。





あれから父さんも母さんも僕に話しかけて来ることはなかった。




食事も僕は部屋で摂るようにした。




キッチンのカウンターの横に、


「引きこもり、登校拒否、うつ病の子供達のカウンセラー」と書いたパンフレットが挟んであった。





なんだ、僕を変なところに連れて行く気なのだろうか。





まったく大きな御世話だ。






今日も登紀子さん、居るのだろうか…。





僕は期待と不安を胸にカーテンを開けた。







居た!!







僕は鉄砲水の如く、携帯と財布をポケットにねじ込んだ。










「こんにちは。」



「こんにちは。」

登紀子さんは笑顔で頭を下げた。



3日目ともなると、なんだか照れ臭い。



「また会いましたね。」

実際は僕が会いに来てるんだけど…




「はい。」

そう言って登紀子さんは微笑んだ。



今日は僕も登紀子さんの横に立とう。



自転車を止めた。



「登紀子さんは、いつもここで何をしているんですか?」

思い切って確信に迫った。





登紀子さんは、クスッと微笑むと




【時が経つのを待っているんです…】と答えた。


  



僕の頭の中には???が並ぶ。



時が経つのを待っている…?

何のことだろうか。



ようは、婆さんになるのを待っている??

もしくは、誰か待っている…?





「誰か待っているんですか…?」

僕は言葉に詰まりつつも聞いてみた。





登紀子さんは、首を振りつつ

「ダジャレです。」と言った。




僕の頭に再び???が並ぶ。


ダジャレと言ったのかこの人は。



「はい?」

僕は首を傾げた。



「登紀子だから、時を待っている子…なーんてね。」

登紀子さんはクスクスと笑って居た。





ここは笑ったほうがいいのだろうか。

まだオヤジギャクの方がクオリティが高いのではないだろうか。

 



色々な疑問が僕の頭の中を巡ったけれど、

「はっははは…。」と笑っておいた…。




「面白い人ですね…。」





「あー面白かった。」

登紀子さんはまだクスクスと笑って居た。








僕は1つフーッと息を吐くと、

「今度良かったら、一緒にお茶しませんか?」

と一世一代の告白をしてみた。



なんせ僕はこの18年間女の子に言ったことなんて1度もなかったのだから。



少し間が空く…




やはりこんな事言うべきではなかったのかと後悔し始めた頃…



「お茶は出来ませんが、毎日ここで会うのはどうですか?」

と返ってきた。




「は、はい!じゃあここで毎日会いましょう!」

僕はフラれたのかOkをもらったのか解らない複雑な心境だったけれど、

とりあえず「NO」と言われなかった事に安堵した。




「あの…じゃあ明日は何時にここにしますか?」


 


登紀子さんは少し考えながら

「では明日の16時に。」と答えた。




「はい。あ…あの、夜は会えませんか?」

僕はこの際、図々しく思われてもいいやと半分開き直っていた。




登紀子さんは、「夜は無理なんです。」

考える間もなくキッパリと言い放った…。




「はい…。」




きっと親が厳しいのだろう。

「じゃあ、また明日ここで。」

僕は自転車に跨った。





「はい。気をつけて」






そう言った登紀子さんは、僕の後ろ姿をずっと見つめていた。






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