4月24日午後20時
「キャハハハ・・・!!」
足をバタつかせながら田中はマイ漫画を読んで笑い転げている。
まったくハタ迷惑もいいところだ。
僕は浪人生なんだから勉強しなくちゃいけないのに。
うるさすぎて集中出来ない。
ちゃっかり晩飯まで食いやがって。
しかし、今日は何故…
登紀子さんは来てくれなかったのか。
カレンダーを見てみる。
あっ…
確か、13日目は会えないと言っていた。
今日はあの日から13日目だったんだ…
それで来なかったんだ…
◆
「おっ、賢治、8時だ。行こうぜ!!」
クイクイっと指を差す。
「行かない。」
僕は断る。
「えーなんでぇ。せっかく大人しくして今まで待ってたのにー。行こうって」
一体お前のどこが大人しくなんだよ。と言いたかったが面倒なので辞めた。
「賢ちゃーん。ねぇ、賢ちゃん?ねえー!!」
ああ、忘れていた。コイツのひつこさはスッポン並だった。
一度食らいついたら首を落とされるまで離さない。
そんくらいひつこい奴だった…
「解った。解ったから、賢ちゃんは辞めろ。気持ち悪いし」
僕は仕方なく、田中に着いて行くことにした。
「あの橋んところよく見えるぜ」
田中はまるで5歳の子供のようにはしゃいでいた。
大体がもって、田中が星を見るなんて。
星も可哀想だ。
僕は苛立ちながらも、、
でもあの橋ならひょっとしたら、登紀子さんにまた会えるかも
なんて期待をちょっぴりしながら胸をときめかせていた。
◆
橋が見えた。
「おおーっ!やっぱ見えるって!!北斗七星があんなに綺麗に!!」
田中はまるでロマンチストボーイの様に目をキラキラさせて言った。
反吐が出そうだ。
一応つられて空を見上げる。
あれか…まあまあ綺麗だな…。
登紀子さんと一緒に見たかったな…
◆
そう思った瞬間だった。
チリチリン…チリチリン…
聞き覚えのある鈴が聞こえた。
登紀子さんが居た…
どうしたんだろう、登紀子さんも星でも見に来たのかな…
もしくは僕のテレパシーを感じたとか?!
登紀子さんは僕にまだ気づいていない。
僕は声を掛けようかと悩んだが、驚かせてやろうと思い
声を忍ばせて登紀子さんに近づいて行った。
田中は放おって置いて。
1歩1歩と登紀子さんに近づく。
10m…9m‥8m‥
と近づいて行く。
街灯なんてないから月明かりと登紀子さんの白いワンピースしか見えない。
やっとハッキリと登紀子さんの姿を捉えた。
「とぉ~き‥こさ…???」
そう言って僕の言葉は詰まる…。




