21/33
4月23日
16時00分
日傘を差し、スカートのベルト通しに小さい鈴をつけた登紀子さんが居た。
今日は曇りだから日傘いらないだろ‥
って思ったけれど、でもやっぱり持っていてくれて嬉しかった。
「似合ってますね。」
僕はそう言って微笑む。
「はい。」
と、登紀子さん。
2人でベンチに座る。
このベンチももうすっかりこの場所に馴染んだようだ。
今日は、手を握ろう!
そう心に決めていた僕は、「あっ」とか「ここになんか‥」とか
うんたら言いながら、やたら登紀子さんの手に触れていた‥。
クスッと笑った登紀子さんは、
「はい。」と言って僕に手を差し出した。
来た!!
手が!!!
僕は照れながらも、差し出された手を思いっきり握りしめた。
「賢治さんって面白いですね」
登紀子さんは、そう言って僕の顔を見つめていた。
僕達は時間までずっと手を繋いで居た。
もう会話なんていらなかった。
こうしていられるだけで、僕は幸せだった。
幸せだったのに…




