4月11日
あーあ。今日は登紀子さんに会えないのか。
僕は会えない悲しみに囚われて、
もう面接の時間だというのにダラダラとしていた。
とりあえず、適当に髪を整える。顔も適当に洗い歯も適当に磨いた。
初めて書いた履歴書を握りしめ家を出た。
とりあえずコンビニ。
時間も色々と融通が利きそうだし、時給も安いけれど時間のない僕にはぴったりだろう。
結果は即答で明日から来てくれと言われた。
僕はそのまま家路に向かった。
あーあ。せっかくバイトの結果の報告を登紀子さんにしたかったのにな。
今日に限って何故会えないのだろうか…。
やるせない思いを押し込めながら、仕方なく勉強をすることにした。
時計の音がやけに耳につく。
◆
15時55分。
いつもならウキウキで家を出る時間なのに。
明日までの辛抱だ。
明日になれば会えるのだから。
時計の針を見ると丁度、16時を差そうとしていた。
思わず窓の外を見る。
雨が振って来ていたのか外は淀んでいた。
「…えっ?!」
僕は思わず声が出てしまった。
よく目を凝らして見ると、真っ白とも言えない、赤茶色?の服を来た
登紀子さんが橋に向かって歩いていたのだから。
今日は会えないと言っていたはずなのに、何故居るのだろう。
ひょっとしたら予定が変わったとか?
そうなのかもしれない!
そう思い立つと居てもたってもいられない。
僕は何も持たずに家を飛び出した。
ああ、こんな日に限って髪をちゃんとセットしてない…
でももう雨だし関係ないか…と自分に言い聞かせながら自転車を漕いだ。
橋が見えた。
あれ…
でも登紀子さんが居ない。
いつもの場所までたどり着いて、辺りを見回す。
端から端まで探してみたけれど姿は見えなかった。
「登紀子さん、登紀子さん、登紀子さーん」
何度か呼んでみたが返事はなかった。
僕の見間違いなのだろうか…。
仕方なく、家に戻る事にした。
振り返ってもやはり誰も居なかった…。




